TOYOTA GAZOO Racing 2020スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート

SUPER GT 第7戦もてぎ
FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE

平川/山下組GRスープラが6位フィニッシュ
タイトル争いは僅差のまま最終戦富士へ

 スーパーGTの第7戦がツインリンクもてぎで行われ、平川亮と、今大会より新たに山下健太がコンビを組むKeePer TOM’S GR Supra 37号車が6位フィニッシュ。ヘイキ・コバライネン/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が8位、立川祐路/石浦宏明組 ZENT GR Supra 38号車が10位に入りポイントを獲得。タイトル争いは僅差のまま最終戦の富士で決されることとなりました。

 スーパーGT第7戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』が11月7日(土)、8日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。

 全8戦で戦われている2020年のスーパーGTも残り2戦となりました。今季新型車両としてGT500クラスに投入されたGRスープラは、デビュー戦となった開幕戦でトップ5を独占。その後はランキング上位車両に課されるウエイトハンデに苦しみながらも着実にポイント獲得を続け、ドライバーズランキングでは1位、2位につけています。
 
 しかし、ここまでの6戦で3メーカーがそれぞれ2勝ずつとライバルの追撃も激しく、シーズン2戦を残して、3台のGRスープラを含むランキングトップ5台がわずか2ポイント差の中に入っているという、まれに見る激戦が続いています。

 今大会はウエイトハンデが獲得ポイント×1kgと前戦までに比べて半減されます。前戦まで重いハンデに苦しんできたランキング上位勢にとっては、軽くなるハンデのなかで、ノーハンデとなる最終戦でのタイトル争いに残るためにも、絶対に落とせない重要な一戦です。

 なお、ドライバーズランキングで首位に1ポイント差のランキング2位につける37号車は、ここまで6戦を戦ってきたニック・キャシディが、来季参戦する海外シリーズのテスト等準備のためにこの終盤2戦は欠場することが決定。このため今大会より37号車は、キャシディに替わって昨年のシリーズチャンピオンでもある山下が、平川と組んで参戦することとなりました。

◆予選◆

 7日(土)午前中は秋晴れの好天。午後になるとやや雲が出てきたものの、気温19度、路面温度24度という11月としてはまずまずなコンディションで、午後1時半からノックアウト方式の予選が開始されました。

 GT500クラスのQ1では、いつもよりも若干早めの、開始2分程から各車コースインを開始。ここではGRスープラ勢で最もウエイトハンデの軽いWedsSport ADVAN GR Supra 19号車を駆る宮田莉朋が速さを見せ2番手タイムをマーク。ランキング8位ながら首位と11ポイント差とまだまだ十分逆転可能な位置につける38号車の石浦が6番手。
 
 Q2進出ラインとなる8番手争いは、ランキング首位の坪井翔がドライブするWAKO’S 4CR GR Supra 14号車を、2ポイント差で追うau TOM’S GR Supra 36号車の関口雄飛が僅かに上回り、36号車までがQ2進出。

2020年スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

 14号車は0.033秒及ばず9番手。第5戦で勝利を挙げた39号車はコバライネンのアタック実らず12番手。7月の第1戦以来のSUPER GT参戦となった山下がQ1を担当した37号車も13番手でQ1敗退となってしまいました。

 Q2では国本雄資がアタックした19号車が5番手、立川の38号車が6番手。サッシャ・フェネストラズの36号車は7番手グリッドから決勝レースをスタートすることとなりました。

 GT300クラスのQ1は、2グループに分けて実施され、それぞれ上位8台がQ2へ進出します。A組では前戦ポールポジション獲得のK-tunes RC F GT3 96号車が阪口晴南のドライブで3番手につけQ2進出を決めました。ランキング6位につけ50kgのウエイトハンデを積む埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車は川合孝汰が懸命のアタックを見せるも最後にはじき出されて9番手。SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が14番手となりQ1敗退となりました。

 B組では、織戸学がアタックしたTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車が2番手、中山裕貴のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車が5番手と好調。前戦練習走行でのクラッシュで決勝に出走できなかったたかのこの湯 RC F GT3 244号車も三宅淳詞のアタックで7番手につけQ2進出。
 
 一方、前戦よりarto RC F GT3 35号車はWEC等で活躍するマティアス・ベッシェのアタックで注目を集めましたが、10番手に留まり、Q2進出はなりませんでした。

 Q2では244号車の久保凜太郎が速さを見せ、チェッカー目前のアタックで2番手タイムをマークし、チーム初となる最前列グリッドを確保。嵯峨宏紀がアタックした31号車が6番手、新田守男の96号車が13番手、永井宏明の30号車は14番手グリッドに決定しました。

◆決勝◆

 8日(日)も好天に恵まれ、午前中から気温も上昇。気温22度、路面温度29度とこの時期としては高めのコンディションで、午後1時に63周で競われる決勝レースのスタートが切られました。
 
 序盤は大きな順位変動のないまま周回が重ねられていきましたが、6周目あたりでGT300クラスの周回遅れに遭遇するようになるあたりから各所でバトルが展開。6番手からスタートし、序盤は後方からの猛追を絶妙なブロックで凌いでいた38号車の立川が、17及び18周目に立て続けに2台をパスし4番手へ。その後方では、13番手スタートの37号車山下が次々に前車をパスしていき、20周目には7番手へポジションアップ。翌周には38号車立川が表彰台圏内の3番手へと浮上しました。

 ひとりのドライバーの最少周回数規定を過ぎた23周目、2台がピットに入った直後に、コース上に止まった車両排除のためにセーフティカーが導入。セーフティカーラン中はピットインができないため、29周目に再スタートが切られると、38号車を含む多くの車両が一斉にピットへと向かいました。

2020年スーパーGT第7戦もてぎ ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)

 翌周、翌々周にも残りの車両がピットへと向かい、全車がピット作業を終了。このピット作業とピットタイミングで大きく順位が入れ替わり、平川へと交代した37号車が8番手、コバライネンの39号車が9番手、宮田の19号車が10番手、石浦の38号車が11番手、関口の36号車が12番手、坪井の14号車が13番手と、GRスープラ勢は後方からの追い上げを強いられることとなってしまいました。

 GRスープラ勢最上位を行く平川の37号車は、果敢なアタックで34周目に7番手、48周目に6番手へとポジションアップ。その後も追走を続けましたが届かず、6位でフィニッシュ。37号車とともに追い上げた39号車が8位、38号車が10位でポイント獲得を果たしました。

 GRスープラ勢にとっては厳しい結果となった第7戦でしたが、そんななかでも手堅く6位でポイントを獲得した37号車の平川は、タイトル争いで首位と同ポイント(51点)、今回ノーポイントに終わった14号車の大嶋/坪井組が4ポイント差の6位と、この2台を含む6台が僅か4ポイント差に入る激戦のまま、ノーハンデの最終戦を迎えることに。

 また、ランキング8位の36号車関口/フェネストラズ組(45点)、同9位の39号車中山雄一(42点)、同10位の38号車立川/石浦組(37点)までが逆転タイトルの可能性を残して最終戦に挑むこととなります。

 GT300クラスでは、久保がスタートを担当した244号車が、最前列スタートから1周目は2番手のポジションを守りましたが、244号車は今回シャシーの交換を行っていたため、ペナルティのピットストップを余儀なくされ最後尾へと後退。

 13番手からスタートした96号車は、トップ10を伺える位置につけて、早めの21周目にピットイン。しかし、この直後に出されたセーフティカーのタイミングが悪く、大きく順位を落とすこととなってしまいました。

 セーフティカーからの再スタート後、18番手から追い上げていた52号車はピットへ向かい、タイヤ無交換作戦で一気に4番手へとポジションアップ。その後3番手に浮上し終盤まで表彰台を賭けたバトルを繰り広げましたが、最終的に4位でチェッカー。また、30号車が10位でフィニッシュし、今季初のポイント獲得を果たしました。



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