S-GT2020 Rd7 MOTEGI Final
LMcorsa REPORT
♯60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
ピットスタートからふたりのドライバーが見事な追い上げで先行するマシンを交わしていき、ポイント圏内まであと一歩の12位でゴール
気温:22度、路面温度:29度(スタート時)
今季2度目となるツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT第7戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』。11月7日(土)に行われた公式練習と予選から一夜明けた8日(日)に300kmの決勝レースが実施された。
今シーズンはタイヤのパフォーマンスを発揮させられず開幕戦から不振が続いているLMcorsaだが、前回の鈴鹿サーキットラウンドでは予選、決勝ともにトップ10圏内を狙える速さを示した。その勢いを維持して挑んだ第7戦だったが、公式練習から持ち込んだタイヤとコンディションが合わず苦戦を強いられることとなった。困難な予選が想像されたが、結果はそのとおりでGT300クラスの30台中28番手とシーズンワーストのグリッドから決勝レースを迎えることとなった。
8日の決勝レース日は、併催カテゴリーの決勝レースが9時から実施され、その後にドライバーアピアランス、ウォームアップ走行とスケジュールは進んだ。ウォームアップ走行では吉本大樹選手と河野駿佑選手のふたりのドライバーがSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り込み、8周を走行し決勝レース前の最終確認を行った。
決勝レースを前に、チームは予選や公式練習で使用したタイヤだとライバル勢に遅れをとることが明らかで、厳しい戦いになることが予想された。そのためバックアップとして用意していたタイヤを選択することを決断する。スーパーGTは各レースで使用できるタイヤは6セットと決められていて、そのタイヤは公式練習前にマーキングされる。バックアップ用はマーキングされていないため、このタイヤを装着して戦うにはピットからのスタートが必要となった。
300kmの決勝レースは予定通りの13時にフォーメーションラップが始まる。ピットレーン出口でスタートを待つ吉本選手が乗り込んだSYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、全車がホームストレートを通過した後にコースへ向かった。GT300クラスの最後尾から10秒ほどの遅れでコースに入った吉本選手は、すぐに後方集団に追いつき順位を上げていく。
オープニングラップを28番手で終えると5周目には25番手、10周目には23番手と、予選の不振が嘘のように中団グループのマシンと互角の戦いを見せる。10周を過ぎてもラップタイムの落ち込みは少なく15周目には20番手まで浮上。レースの1/3を消化する19周目になると規定されているドライバー交代のためにピットに戻るマシンが出始める。
先行するマシンがピット作業を行った影響で、20周目には15番手まで順位を上げる。このタイミングでさらに上位を狙った吉本選手だが、コースサイドにマシンが止まったために22周目にセーフティカーが導入されてしまう。27周目にレースは再開すると、吉本選手はピットインのロスタイムを最小限に抑えるためピットに戻る。河野選手にドライバー交代し、4本のタイヤ交換と給油を実施したSYNTIUM LMcorsa RC F GT3は16番手でコースに復帰する。
後半のスティントを担当した河野選手は、32周目に自己ベストタイムとなる1分49秒829をマークし先行するマシンを追った。GT300クラスのマシンのなかでもトップ5に入るラップタイムで走行する河野選手は、ポイント圏内を争う集団に追いつきパッシングの機会を伺う。38周目には13番手となり、10番手のマシンから5秒ほどのギャップで熾烈なポジション争いを行った。
40周を超えてもラップタイムは大きく落ちることなく周回し、トップ10圏内へあと一歩の位置で最終盤を迎える。54周目には12番手に浮上し、10番手まで2.5秒差へと詰めていく。拮抗した状態は59周目のファイナルラップまで続き、後続からのプレッシャーを受けながらも河野選手は12位でチェッカー。ふたりのドライバー、チームともにミスなく猛烈な追い上げを見せたが、ポイント圏内まであと一歩のところで惜しくもゴールとなった。
変則的なスケジュールとなった2020年シーズンも次戦がいよいよ最終戦となる。いまだにポイントが獲得できていないLMcorsaだが、調子は上向いているので最終戦では上位フィニッシュを目指したい。
コメント
飯田章監督
「予選では持ち込んだタイヤが思いのほか機能しなかったため、決勝レースではマーキング以外のタイヤを選びました。そのためピットスタートになったのですが、それでもタイヤを交換したほうがロスは少ないと判断したためです。セーフティカーのタイミングにも助けられましたが、ふたりのドライバーがともにペースを落とさずに走ってくれたことによって12位まで順位を上げられました。ポイント圏内まで届かなかったのは残念ですが、久々に前向きなレースが展開できたと思います」
吉本大樹選手
「予選は手の打ちようがない状態だったので、決勝レースを戦うためにピットスタートという割り切った戦略を取りました。装着したタイヤが想像以上にマッチングしていたために、後方でしたがペース良く周回を重ねることができました。後半のスティントは終盤に厳しい状況になると予想していましたが、タイムの落ち幅も少なく戦うことができました。本来ならば予選から同様のパフォーマンスが発揮できていれば、もっと上位に入れたと思います。そう考えると悔やまれますが、予選の状況からは良い意味で想像できない決勝レースになりました」
河野駿佑選手
「第2スティントを担当したのですが、吉本選手のスティントから選んだタイヤとコンディションが合っているのが分かりました。ピットアウトしてから30周以上の周回数がありましたが、つねにライバル勢と互角のバトルができました。終盤はトップ10内を掛けた集団での戦いで、是が非でもポイントを獲りたかったですが一歩届かず悔しさもあります。ただ、予選の状況からは想像できないほどのパフォーマンスを示せ、戦えるマシンをチーム一丸で作り上げられたと思います」
from LM corsa 2020スーパーGT第7戦もてぎ 決勝レポート
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