11月8日、スーパーGT第7戦もてぎで開催されているツインリンクもてぎで行われたGTA定例記者会見のなかで、GTアソシエイションの坂東正明代表は、2020年からの導入を目指していたフルコースイエローについて、現在の状況を説明した。
スーパーGTでは、レース中にアクシデントが際にその処理のため、セーフティカーが導入されることがしばしばある。ただレースの展開によっては不公平が発生することもあり、WEC世界耐久選手権等で採用されているフルコースイエロー(FCY)のシステムの採用が目指されていた。
当初は2020年の導入を目指しシステムのテストが行われていたスーパーGTのFCYシステムだが、日本国内では電波法の障壁があり、レースコントロールから走行中の車両にフルコースイエロー導入のカウントダウンや表示を送る際の電波の送信に問題があった。今季は毎戦公式練習後にテストを行っていたものの、まだレースでの導入には至っていないのが実情だ。
このフルコースイエローについて坂東代表は「WECなど他のレースで行われているFCYだが、無線の電波管理状況が国内と海外ではやはり違う。いまMYLAPSなど計時のシステムをリンクさせているが、その組み合わせが他のプロモーターのものとは違う」と状況を語った。
現在もコース内のアンテナの立て方などの工夫を行いながら試行錯誤が続いており、11月7日から行われている第7戦もてぎでも公式練習後にテストが行われていたが、このときの状況については「FCY導入のカウントダウンや(解除後の)グリーンなども、「さほど狂いがない状況ができている」としたが、「100パーセントではない」と坂東代表。コース内のアンテナで繋ぎながらも、その途中に“ブラックホールのような箇所”があり、電波を感知せず1秒ほど信号が遅れてしまうのだという。
今後については試行錯誤を続けながら、ポストのオフィシャルと連携しながら無線を補助に使うやり方等、「人間に対して機材を補助に使う」などさまざまな可能性を検討したいと坂東代表は語る。ただ、今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響によりこれまで富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎという3コースでしかスーパーGTが行われておらず、岡山国際サーキットやオートポリス、スポーツランドSUGOといったコースではまだテストが行われていない。
さらに、「今後ファンの皆さんがたくさん入ったときに、一斉に携帯電話の電波を使ったときにどうなるのか」といった課題も残る。このFCYについては、1秒信号がずれれば導入時やリスタート時に接触の危険がある。安全のためのシステムだけに、今後も慎重にテストを続けながら導入を目指すことになりそうだ。
from スーパーGT:FCY導入への現状を坂東正明代表が説明「まだ100パーセントではない」
コメント
コメントを投稿