第6戦の雪辱を晴らしたいSUBARU BRZがポールを獲得。ランキングトップのLEON AMGは後方に沈む【第7戦もてぎGT300予選】

 11月7日(土)、2020年スーパーGTシリーズ第7戦の公式予選がツインリンクもてぎで行われ、GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORTがポールポジションを獲得した。

 2020年シーズンのスーパーGTは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3カ月遅れでスタート。例年とは異なる変則的なスケジュールで行われてきたシーズンも第7戦を迎え、ついにタイトル決定までは残すところラスト2戦となった。第5戦富士から制限はあるものの観客の入場が可能となり、もてぎにも多くのファンが足を運んだ。

 午前中に行われた公式練習では現在、ランキング2位につけているGAINER TANAX GT-Rがトップタイムを記録。タイトル争いで一歩先を行くLEON PYRAMID AMGに待ったをかけるかのように好調さを見せた。果たして、抜きにくいと言われるもてぎで上位グリッドを獲得するのはどのマシンなのか。公式予選は定刻13時30分にスタートした。

■Q1 A組 ランキングトップのLEON PYRAMID AMGがまさかの敗退

 気温19℃、路面温度24℃、湿度59%というコンディションのなか、まずはA組の15台がコースへ出て行き、全車丁寧にタイヤへ熱を入れていく。注目は現在ランキングトップにつけ、77kgのウエイトハンデを積むLEON PYRAMID AMGだろう。もてぎを得意としているものの、Q1を突破できるかどうか。

 まず、はじめに1分50秒を切ってきたのはエヴァRT初号機 X Works R8(佐々木孝太)が1分47秒907のターゲットタイムを記録する。そのタイムを埼玉トヨペットGB GR Supra GT(川合孝汰)、リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗)、RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行)、SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)らが上回っていく。

 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口はこの時点で唯一、1分46秒台に突入してみせる。続いて今回、植毛ケーズフロンティア GT-Rにスポット参戦している富田竜一郎が2番手に、3番手には第6戦鈴鹿でポールポジションを獲得したK-tunes RC F GT3の阪口晴南が滑り込む。LEON PYRAMID AMGの菅波冬悟はQ2に進出できる8番手以内に残ることは叶わず、ランキングトップのマシンがなんとQ1で姿を消すこととなってしまった。

 Q1を突破した8台はSUBARU BRZ R&D SPORT、植毛ケーズフロンティア GT-R、K-tunes RC F GT3、RUNUP RIVAUX GT-R、Modulo KENWOOD NSX GT3、リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R、マッハ5G GTNET MC86 マッハ車検という顔ぶれになった。

■Q1 B組 驚異のタイム見事Q1を突破したGAINER TANAX GT-R

 続いてQ1 B組もセッションがスタート。グリーンシグナル点灯とともにほぼ全車がコースへ。現在、ランキング2位につけ、午前中に行われた公式練習でトップタイムをマークしたGAINER TANAX GT-R(安田裕信)だけは他車と比較して約1周ほど間を開けてからコースへゆっくりと出て行った。

 まず初めに47秒台のタイムを出したのは第6戦の公式練習で大クラッシュを喫し、残念ながらレースをリタイアしていたたかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞)。その後方からは、全セクターで全体ベストのタイムをマークしてきたGAINER TANAX GT-Rが1分46秒157と驚異のタイムをマークする。TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(30号車)の織戸学やHOPPY Porsche(松井孝允)らも好タイムをマークするがGAINER TANAX GT-Rのタイムとは1秒近くの差をつけられている。

 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(30号車)は翌周もうワンアタックし、1分46秒849というタイムを記録するも、約0.6秒、GAINER TANAX GT-Rには届かず。セッション最後、チェッカーフラッグが振られたタイミングでUPGARAGE NSX GT3(小林崇志)が3番手に入る。それによってシンティアム・アップル・ロータス(柳田真孝)はQ1敗退となった。

 Q2進出を決めた8台はGAINER TANAX GT-R、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(30号車)、UPGARAGE NSX GT3、HOPPY Porsche、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT (31号車)、ARTA NSX GT3、たかのこの湯 RC F GT3、グッドスマイル 初音ミク AMGとなっている。

■Q2 前戦の雪辱を晴らせるか。SUBARU BRZがポールを獲得

 16台による予選Q2が定刻14時23分にスタート。各車入念にタイヤに熱を入れていく。Q1 B組でトップタイムをマークしたGAINER TANAX GT-Rの平中克幸がチームメイトに負けず劣らずの好タイムでトップに。0.233秒上回って見せたのはSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝だ。1分46秒200でトップに躍り出た。

 さらに、GAINER TANAX GT-Rのタイムを上回り2番手に食いこんできたのはたかのこの湯 RC F GT3の久保凜太郎。鈴鹿では予選を走ることもできず、悔しい時間を過ごしたが、この第7戦で見事、払拭して見せ、フロントロウを獲得した。

 SUBARU BRZ R&D SPORTがポールポジションを獲得するのは2019年の第7戦SUGO以来となる。山内は自身通算4度目のポールポジションとなった。第6戦鈴鹿ではフロントロウからスタートし、一時は勝利も見えていたが、セーフティカーのタイミングに涙を飲んだSUBARU BRZ R&D SPORT。この第7戦で雪辱を晴らすことができるか。

 前回、ツインリンクもてぎを舞台に行われた第4戦は最終周までアクシデントが多発するレースが展開されたが、あのときとはコンディションが大きく異なる第7戦。現在ランキング1位と2位の差が10ポイント開いているGT300クラスは展開次第ではここでタイトルが決まる可能性も、もしくは最終戦に向けて差がグッと縮まる可能性もある。

 果たしてどんなバトルが待ち構えているのか。決勝レースは11月8日(日)13時00分から63周で争われる。



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