Round.7
ツインリンクもてぎ
2020年11月8日(日)
栃木県 芳賀郡
#8 ARTA NSX-GTが優勝しNSX-GTがトップ5を独占
11月7日(土)~8日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で2020年度スーパーGT シリーズ第7戦が開催され、GT500クラスで5台の2020年型NSX-GT、GT300クラスで3台のNSX GT3が出走しました。
競技規則により第6戦までは『獲得シリーズポイント×2kg』として計算されていたウエイトハンデが、シリーズ終盤戦となった第7戦では『獲得シリーズポイント×1kg』に軽減されます。この結果、本来の実力に近いパフォーマンスを発揮してのレースとなりました。
土曜日のツインリンクもてぎは快晴で、気温・路面温度とも例年より高めのコンディションでレースウイークが始まりました。土曜日午前中の公式練習では、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)が2番手、#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が4番手、#64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)が6番手と、NSX-GTは快調に走り出しました。
午後の公式予選では、Q2セッションに進出した#64 Modulo NSX-GT(伊沢/大津)がポールポジションを獲得、2番手に#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)、3番手に#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が続き、NSX-GTがスターティングポジション上位3番手までを占める結果となりました。
日曜日のツインリンクもてぎも朝から晴れ、気温は22℃と初秋を思わせる陽気となりました。新型コロナウイルス感染症対策のため人数制限がなされていたものの、1万5600人の観客が見守るなか、午後1時に63周の決勝レースが始まりました。
ポールポジションの#64 Modulo NSX-GT(大津)、2番手の#8 ARTA NSX-GT(野尻)、3番手の#100 RAYBRIG NSX-GT(牧野)は危なげなく1-2-3体制を築き、レースを始めました。しかし10周目を前に#64 Modulo NSX-GT(伊沢)のペースが鈍り、10周目の1コーナーで#8 ARTA NSX-GT(野尻)がトップに立ち、12周目の90度コーナーで#100 RAYBRIG NSX-GT(牧野)が2番手へ進出しました。
トップに立った#8 ARTA NSX-GT(野尻)は、ライバル車に先駆けひとりのドライバーに対して規定された最小義務周回数21周を周回した直後の22周目、#64 Modulo NSX-GT(伊沢)とともにピットイン。ドライバー交代および給油、タイヤ交換を行ないました。
ところが、このタイミングでコース上に発生したアクシデントを処理するためセーフティカー(SC)が介入。結果的に#8 ARTA NSX-GTと#64 Modulo NSX-GTの2車はSC後にピット作業を行なわなければならない後続のライバル車に対して、大きなタイム差を稼ぎ出すことができました。
レースは29周目から再開され、続々とドライバー交代が始まりました。全車がピット作業を終えてみると、トップの#8 ARTA NSX-GT(福住)、2番手の#64 Modulo NSX-GT(伊沢)の後方には1分近い間隔が開き、3番手に#100 RAYBRIG NSX-GT(山本)がつき、4番手に予選11番手からスタートした#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原)が続いてNSX-GTの1-2-3-4体制ができあがりました。
また、NSX-GT勢のなかでシリーズポイントランキング最上位につけながら、公式予選でQ2へ進出することができなかった#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)も10番グリッドから着実に順位を上げ、34周目には6番手へポジションアップ。
その後、23号車を攻め始めると48周目の1~2コーナーでオーバーテイクして、ついにNSX-GTはトップから5番手までを占めることとなりました。その後NSX-GTは後続のライバルを振り切って1-2-3-4-5体制のまま63周のレースを走りきり、Hondaは、1997年の全日本GT選手権シリーズ参戦以降初めて出走全車で上位を独占する大戦果をあげることとなりました。
この結果、シリーズポイントラインキングでは#17 KEIHIN NSX-GT(塚越/バゲット)が51点でトップに立ち、#100 RAYBRIG NSX-GT(山本/牧野)が49点の4番手、#8 ARTA NSX-GT(野尻/福住)が48点で5番手につけてシリーズチャンピオンを決める最終戦に臨むこととなりました。次戦シリーズ最終戦は11月28日から29日、富士スピードウェイで開催されます。
■コメント
佐伯昌浩|株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー
「ツインリンクもてぎはHondaのホームコースでもあり、例年ならばここでシリーズチャンピオンを争う最終戦が開催される場でもあり、ここでガチンコ勝負をして勝てるマシンにしようと考えて作ったマシンなので、今回の結果にはたいへん満足しています」
「セーフティカーにも味方されて我々にとっては最高の結果になりました。昨日の予選結果からは、今日の決勝レースでまさか1位から5位までを独占できるとは思いませんでした」
「今回のレース結果次第では、NSX-GTはシリーズチャンピオン争いから脱落してしまう可能性もありましたが、逆に3台がチャンピオンの可能性を持って最終戦を迎えられることになりました。最終戦でも応援をよろしくお願いします」
野尻智紀(優勝)
「今シーズン、ここまで流れは決してよくなかったかもしれません。全員がベストを尽くして戦ってきたのですが、なかなかその流れを打破できませんでした。でも、大勢の方に応援していただき支えてもらったので勇気づけられました」
「今日のレースでは序盤、大津選手がすごいペースで走っていて、これは追いつけないかなと思ったのですが、だんだんいけそうな気がしてきて、勝負をかけるなら一発で決めないといけないと余裕を持ったうえで狙っていました」
「ここで優勝でき、ようやく強く戦える体勢ができあがったと思うので、最終戦もこの勢いでチャンピオンを目指して戦おうと思います」
福住仁嶺(優勝)
「今シーズンは勝てそうで勝てないレースが続いていたのですが、ようやく勝ててうれしいです。この間、野尻選手とチームのエンジニアがマシンのことを本当に細かく話し合っているのをすぐそばで見てきました。そうした努力の成果だと思いますし、今後は僕もそこに加わっていけるようにならないといけないと思いました」
「今日のレースでマシンを引き継いでからは、後ろとのギャップは大きかったのですが、どうしても悪いことを考えてしまい、とても長いスティントになりました。だからレースが終わった瞬間は、うれしいのと同時に本当にほっとしました」
「ここまで支えてくれた方々に感謝しています。この流れに乗って、チャンピオンを目指して最終戦を戦うつもりです」
from ホンダ 2020スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート
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