ニッサン 2020スーパーGT第7戦もてぎ レースレポート

MOTUL AUTECH GT-R、ランキング3位をキープ
GT300クラスではリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが2勝目

SUPER GT 2020第7戦レースレポート
11月8日 ツインリンクもてぎ(栃木県)

【GT500】

 全8戦で争われるスーパーGTも終盤に入り、このもてぎ大会は第7戦。シリーズチャンピオン争いで3番手につけている#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は予選4位を獲得。決勝レースは7位でゴールし、ランキング3位をキープしました。

 レースウィ.イークのツインリンクもてぎは、秋らしい爽やかな空気に包まれました。午後1時に決勝レースのフォーメーションラップがスタート。序盤の数周は、上位陣に順位変動がなく進んでいきます。
 
 4番手スタートの#23 GT-Rはクインタレッリがスタートドライバーを務め、トップ3を追いかけました。しかし7周を終えるころには後方のマシンに詰め寄られてしまいます。15周目ごろからペースが下がってしまい、やがて5番手に後退。さらに6番手以降のマシンも連なってきましたが、クインタレッリは懸命にブロックし5番手で踏みとどまりました。

 その後、レースの3分の1を超えてピットインが可能な時間になると、上位の2台がピットへ向かい、#23 GT-Rは3番手に浮上します。その直後、コースサイドにストップしたGT300クラスの車両を回収するため、セーフティカー(SC)が導入。28周を終えてSCが隊列を離れた直後、トップの車両がコントロールラインを通過とほぼ同時に3番手以降のマシンが一気にピットロードに流れ込んできました。
 
 #23 GT-Rもこのタイミングでピットイン。暫定9番手でコースへと復帰しましたが、後半スティントを託された松田は冷えたタイヤだと難しいアウトラップにもかかわらず、目の前を走る1台を2コーナーでかわし、ポジションを上げることに成功しました。

 #23 GT-Rは自分たちよりも後にピット作業を行ったマシンを数台かわしましたが、全車がピット作業を終えた時点では再び5番手に。そこから懸命に前を追いかけました。し
 
 かし、周回が進むにつれてペースを上げられなくなり、逆に後方のマシンに追い立てられる展開になってしまいました。48周目に2台の先行を許し7番手に後退。しかし、その後は後続からの猛追を振り切り、その順位を守り切ってチェッカーを受けました。
 
 シリーズチャンピオン争いの上位陣も、#23 GT-Rに近い位置でゴールし、ランキングは接戦状態のまま。#23 GT-Rはトップと2ポイント差の3位をキープして最終戦に挑むことになりました。

2020年スーパーGT第7戦もてぎ カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)

 予選14番手の#12 GT-Rは、佐々木がステアリングを握った前半スティントでなかなかペースが上がらず苦戦。それでも必死に前のマシンを追いかけると、#23 GT-Rと同じく28周を終えてピットに向かい、平峰と交代しました。
 
 暫定14番手で後半をスタートした#12 GT-Rは粘り強い走りを披露。終盤は集団での接近戦を制して9位でフィニッシュしました。

 予選8番手の#3 GT-Rは、スタートドライバーの平手、後半スティントの千代ともに好走を見せましたが、駆動系と思われるトラブルに見舞われ戦列を離れることとなりました。また、予選15番手からの巻き返しを期待された#24 GT-Rは序盤に操作系のトラブルが発生し、ピットでの修復作業を余儀なくされ14位フィニッシュとなりました。

■コメント

ロニー・クインタレッリ
「僕のスティントでは、序盤のペースは良かったのですが途中から苦しくなってきてしまいました。それでもなんとか踏ん張って走って、いいタイミングでピットに入ることができましたね。次生選手もアウトラップで頑張ってくれました。チャンピオン争いは、9台ぐらいが上位で接戦になっています。(チャンピオンを獲得した)2014、2015年の時ほどのポイント差ではないので、最終戦も頑張ります」

松田次生
「アウトラップで速さを見せられるタイヤだったので、そこで17号車をかわせたのは良かったです。その分、スティントの後半は苦しい状況になりましたが、チャンピオン争いをしているライバルたちと同等のバトルができて、非常に楽しいレースでした。最終戦は3週間後。僕たちドライバーもしっかりと準備をして臨んで、悔いのないレースにしたいと思います」

鈴木豊 監督
「今回は、今までの中でも非常に価値のあるレースになりました。これまでは、ハンディキャップがある中でランキング上位の車両と戦えていましたが、今回は彼らと同じ土俵でしっかり戦えた。チームとしてもドライバーたちも自信を持てたレースでした。開幕の時期に比べると、非常に大きく成長したと感じています。なおかつ、第7戦に挑むときと同じ2ポイント差のランキング3位を維持し、最終戦次第でチャンピオンが決まるという状況になりました。最終戦も強い意志を持ち、目の前のレースを精いっぱい戦いたいと思います。頑張りますので、次戦もぜひ応援をよろしくお願いします」

【GT300】

 GT300クラスは、シリーズ争いで上位につける#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が3番グリッドから、#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が7番グリッドからと、上位争いのできる位置からスタート。

 中でもチームの戦略が見事にはまった#56 GT-Rが、SC導入前にピット作業を終えていたことから他車を逆転しました。後半スティントを託されたオリベイラも、コース上で闘志あふれる走りを見せ、ライバル勢をオーバーテイクしてトップに浮上。今季2勝目を飾り、シリーズランキングトップに躍り出ました。

 また#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)も3位に入り、GT-Rが1位、3位を獲得しました。

2020年スーパーGT第7戦もてぎ RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/大滝拓也)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
2020年スーパーGT第7戦もてぎ リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)


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