SUPER GT 第6戦鈴鹿
FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE
最大ウエイトハンデでGRスープラ勢苦戦
立川/石浦組GRスープラが5位フィニッシュ
大嶋/坪井組はノーポイントもランキング首位で終盤2戦へ
スーパーGTの第6戦が鈴鹿サーキットで行われ、重いウエイトハンデに苦しんだGRスープラ勢は、立川祐路/石浦宏明組ZENT GR Supra 38号車の5位が最上位。関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組au TOM’S GR Supra 36号車が7位、国本雄資/宮田莉朋組WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が9位でポイント獲得。
大嶋和也/坪井翔組WAKO’S 4CR GR Supra 14号車は12位でノーポイントに終わりましたが、ドライバーズランキングでは首位を守って残り2戦へ臨むこととなりました。
スーパーGT第6戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』が10月24日(土)、25日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
全8戦で争われる今季のスーパーGTも今大会を入れて残り3戦。最終戦はノーハンデ、そのひとつ前の第7戦は獲得ポイント×1kgのウエイトハンデとなるため、今大会がポイント×2kg(GT300クラスは×3kg)での最後の戦い。シーズンでもっとも重いハンデを負ってのレースとなります。
今季より新型車両としてスーパーGTのGT500クラスに参戦を開始したGRスープラは、デビュー戦となった開幕戦でトップ5独占という速さを見せ、第5戦を終えた時点でポイントランキングではトップ2を含む、上位7台のうち5台を占めています。
上位ランクならではの重いウエイトハンデを課されての戦いとなりますが、タイトル争いはここが正念場。GRスープラ勢はデビューイヤーでのタイトル獲得に向けて、1点でも多くのポイント獲得を目指し、今大会に臨みました。
外国人ドライバーの来日制限のため、これまで日本人ドライバーにより参戦していたGT300クラスのarto RC F GT3 35号車は、今大会よりレギュラードライバーのショーン・ウォーキンショーと、WEC及びル・マン24時間などの参戦経験も持つマティアス・ベッシェがドライブすることとなりました。
◆予選◆
24日(土)は気持ちの良い秋晴れとなり、午後2時、気温20度、路面温度28度というコンディションでノックアウト方式の予選が開始されました。
GT500クラスのQ1は、低い路面温度でのタイヤウォームアップを考慮してか、通常よりもやや早めに各車コースイン。ようやくタイヤが暖まり、本格的なアタックに入り始めた残り2分半というところでクラッシュ車両が発生し、セッションは赤旗中断となってしまいました。
ほとんどの車両がアタックタイムをマークできていない状況で、残り5分でセッションが再開。全車一発勝負でのアタックとなりました。GRスープラ勢ではウエイトハンデの軽いWedsSport ADVAN GR Supra 19号車を駆る宮田莉朋がここでトップタイムをマーク。また、ウエイトハンデ60kgと重いものの、GRスープラ勢では2番目に軽いZENT GR Supra 38号車が石浦宏明のアタックで7番手タイムをマークし、Q2へと進出。
ランキングトップでもっとも重いウエイトハンデを負うWAKO’S 4CR GR Supra 14号車は10番手、同2位のKeePer TOM’S GR Supra 37号車が11番手。au TOM’S GR Supra 36号車が12番手、DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車は14番手から決勝レースでの巻き返しを目指します。
Q2では国本雄資の19号車が3番手タイムをマークし2列目グリッドを確保。38号車の立川祐路は好走を見せていましたが、最終シケインで攻めすぎてバランスを崩しタイムロス。7番手から決勝レースに臨むこととなりました。
参加台数の多いGT300クラスのQ1は、2グループに分けて実施されました。チームランキングの奇数順位から選ばれたA組では、K-tunes RC F GT3 96号車を駆るベテラン新田守男がトップタイムをマーク。同じくベテランが気を吐いたTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車は織戸学のアタックで2番手につけ、ともにQ2進出を果たしました。
arto RC F GT3 35号車は今大会、スーパーGTのデビュー戦ということで注目を集めたマティアス・ベッシェがQ1でアタックを担当。一時5番手につけていたものの、その後タイムを更新してきたライバル勢に上回られ、11番手でQ1敗退。また、このA組に入っていた、たかのこの湯 RC F GT3 244号車は午前中の公式練習走行中にクラッシュを喫し、その修復が間に合わず予選出走は叶いませんでした。
チームランキング偶数順位のB組では、途中コース上に止まった車両により一旦セッションは赤旗中断。残り8分で再開されると、中山友貴の駆るTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車がトップタイム。開幕戦でデビューウィンを飾り、その後も速さを見せて99kgものウエイトハンデを負う埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車は川合孝汰が3番手タイム。吉本大樹がアタックしたSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車も4番手につけ、3台全車がQ2進出を果たしました。
Q2では、Q1トップタイムの96号車を駆る若き阪口晴南がその勢いのままに、唯一1分55秒台に入れる快走でポールポジションを獲得。阪口にとってスーパーGTで初のポールポジション獲得となりました。
31号車は嵯峨のアタックで8番手。52号車が10番手、60号車は13番手、30号車が15番手グリッドを獲得しました。
◆決勝◆
25日(日)は雲ひとつない快晴となり、気温20度、路面温度31度という絶好のレースコンディションで午後1時に52周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
3番手グリッドの19号車国本はスタートでのポジションアップを狙いましたが届かず3位をキープ。その後方では7番手スタートの38号車立川が6番手へとひとつ順位を上げました。
2周目には11番手スタートの37号車キャシディが前を行く14号車の大嶋とサイド・バイ・サイドのバトルの末にパス。12番手スタートの36号車フェネストラズもこれに続きました。
38号車の立川は3周目のシケイン進入でも前車をパスし5番手へ。さらに4番手へとポジションを下げた19号車を7周目に捕らえ、38号車は4番手へ浮上。37、36号車のトムスコンビも序盤から揃ってポジションを上げていき、10周目には9番手、10番手とポイント圏内に入りました。
38号車立川はその後も追撃のペースを緩めず、18周目のシケインで前車をかわし表彰台圏内の3番手へと素晴らしい追い上げを見せました。
その直後、ピットインしようとした37号車キャシディが、ピットロードで前車に追突。37号車は車体前部にダメージを負いながらも平川へと交代しピットアウト。
レースがドライバー交代規定の3分の1を過ぎたことで次々にピットインしていくなか、5番手走行中の19号車が21周目に突然右前タイヤのパンクに見舞われスローダウン。大きく順位を落とすこととなってしまいました。
21周目に38号車がピットへ向かい、GRスープラ勢では39号車のみがピットを残す状況となった22周目、GT300クラス車両がコースアウトしタイヤバリアにクラッシュ。これでセーフティカーが導入されました。このセーフティカー導入により順位が入れ替わり、GRスープラ勢では36号車が6番手、38号車が7番手、39号車が8番手、37号車9番手、14号車が11番手、19号車が14番手と厳しい状況に。
27周目にセーフティカーが退去し再スタートが切られましたが、37号車は先の接触によりドライブスルーペナルティ。ペナルティを消化し一旦はコースへ復帰したものの、接触によるダメージは大きく、ふたたびピットへ戻り、そのままリタイアとなりました。
後半戦では、一時14番手とほぼ最後尾まで落ちていた19号車の宮田が好走を見せ次々に前車をパス。また、6番手の38号車石浦も追撃を続け、43周目に5番手へとポジションアップ。なおも前車を攻め、残り3周の時点で4台による2番手争いに加わりました。
ファイナルラップではGT300クラスの周回遅れをかいくぐりながらのバトルが繰り広げられましたが、惜しくもポジションアップはならず。38号車がGRスープラ勢最上位の5位フィニッシュとなりました。
厳しいウエイトハンデながら後半の関口が粘りの走りを見せた36号車が7位。後半宮田が追い上げた19号車は9位でポイント獲得を果たしました。
今大会の結果、14号車は12位でノーポイントに終わりましたが、同じくノーポイントの37号車とともにランキング1位、2位の座は辛くも守る結果となりました。しかし、首位から2ポイント以内にこの2台と36号車を含む5台が含まれるとともに、今大会5位に入った38号車まで8台が11ポイント差という僅差で、終盤2戦のタイトル争いに臨むこととなります。
GT300クラスでは、ポールポジションからスタートした新田の96号車が序盤は首位を守ったものの、8周目あたりからペースが落ち、じりじりと後退。早めのピット作戦で阪口晴南へとドライバーチェンジしました。
22周目、8番手を走行していた52号車がS字コーナーでコースオフしタイヤバリアへとクラッシュ。まもなく自力でコースへと復帰しましたが、このアクシデントによりセーフティカーが導入されました。
この時点で、2台のプリウスPHVと35号車がピットインしておらず、セーフティカーが退去しピットロードがオープンすると同時にピットイン。全車がピットを終えたところで、96号車が6番手へと浮上。96号車の阪口晴南は30周目に前車をかわし5番手へ上がると、そのポジションを守り切って5位でチェッカーを受けました。
60号車が14位、不運なセーフティカータイミングに泣いた31号車は18位、35号車が19位、30号車が20位でレースを終えました。なお、244号車は練習走行でクラッシュした車両の修復ならず、決勝は欠場となりました。
from TOYOTA GAZOO Racing 2020スーパーGT第6戦鈴鹿 レースレポート
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