ヘイキ・コバライネン/中山雄一組GRスープラが今季初勝利!
大嶋/坪井組が2位で続きGRスープラがワン・ツー・フィニッシュ!
スーパーGTの第5戦が富士スピードウェイで行われ、ヘイキ・コバライネン/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が今季初勝利。12番手スタートの大嶋和也/坪井翔組 WAKO’S 4CR GR Supra 14号車が2位で続き、GRスープラはホーム富士でワン・ツー・フィニッシュを果たしました。
スーパーGT第5戦『たかのこのホテル FUJI GT300km RACE』が10月3日(土)、4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
全8戦で行われる2020年シーズンのスーパーGTも第5戦を迎え、早くも後半戦に入りました。前半の4戦は、新型コロナウイルス感染の影響を踏まえ、無観客で実施されてきましたが、今大会は人数制限などの対策は施されるものの、ようやく観客の皆さまを迎え入れての開催となりました。
今季より新型車両としてスーパーGTのGT500クラスに参戦を開始したGRスープラは、開幕で圧倒的な速さを見せたものの、その後は惜しくも勝利を逃す展開が続いています。
ランキング上位車両はウエイトハンデが重くのしかかり、厳しいレースが続きますが、今季3度目の開催となるホームコース富士、そして今季初めて観客の皆さまが見守る前での、GRスープラ勢の活躍に期待がかかりました。
■予選
3日(土)、曇り空ながら路面はドライ、気温22度、路面温度32度のコンディションで午後2時よりノックアウト方式の予選が行われました。
宮田莉朋がアタックを担当したWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が好タイムでまずトップへ。その後、ライバル勢が上回ってきたものの、19号車のタイムはトップと0.079秒差の3番手となりQ2進出。中山雄一がアタックしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車も最後に7番手に飛びこみQ2進出を決めました。
一方で、ウエイトハンデが重いランキング上位勢は苦戦。前戦2位表彰台を獲得したZENT GR Supra 38号車は石浦宏明がアタックしましたが、進出ラインの8番手にひとつ届かぬ9番手タイム。ランキング2番手、3番手につけるau TOM’S GR Supra 36号車とKeePer TOM’S GR Supra 37号車が10、11番手、同5番手のWAKO’S 4CR GR Supra 14号車が12番手となりQ2進出は逃す結果となりました。
Q2では国本雄資がドライブした19号車がここでも一旦トップに。その後ライバルにかわされたタイムをさらに更新すべく、国本がアタックを続けましたが、セクター3で惜しくもミスしタイムロス。タイム更新はなりませんでしたが、2列目3番手グリッドを獲得しました。39号車はコバライネンがアタックし、5番手グリッドとなりました。
GT300クラスでは、Q1は2グループに分けて実施されました。Q1のA組では、中山友貴がドライブしたTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車がトップタイムをマーク。川合孝汰の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が6番手。阪口晴南のK-tunes RC F GT3 96号車が8番手で上位8台が進出するQ2へ。
このA組での進出争いは、コンマ1秒に5台が入るほどの激しい争いとなり、久保凜太郎がアタックしたたかのこの湯 RC F GT3 244号車は8番手とコンマ1秒以内のタイム差ながら11番手でQ2進出を逃すことに。
また、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車は駆動系のトラブルでこのセッションに出走できずQ1敗退が決定しました。
B組では、今大会も佐々木雅弘/堤優威がドライブするarto RC F GT3 35号車が11番手、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が12番手となり、予選をQ1で終えることとなりました。
Q2では嵯峨宏紀のアタックした31号車が最後までタイムを更新する好走を見せましたが、惜しくもポールには届かず、最前列2番手グリッド。吉田広樹の52号車が5番手、新田守男の96号車が7番手から決勝のスタートを切ることとなりました。
■決勝
4日(日)、曇り空の下、気温21度、路面温度29度というコンディションで午後1時半に300km(66周)で争われる第5戦決勝レースのスタートが切られました。
スタート直後、1コーナーでの中団グループの接触の影響により、1周目からセーフティカーが導入。この混乱のなか、3番手グリッドの19号車国本が5番手、5番手グリッドのコバライネンが6番手へとポジションダウン。
一方で11番手スタートの37号車ニック・キャシディが7番手へとジャンプアップ。9番手スタートの38号車立川祐路は、目の前でのアクシデントを間一髪でかわしたものの、13番手へと後退してしまいました。
セーフティカーは4周で退去し、5周目からレースが再開。再開後の前半戦では、39号車のコバライネンと、37号車のキャシディ、12番手スタートの14号車の大嶋が目覚ましい追い上げを見せ、39号車は11周目に5番手、14周目には4番手へとポジションアップ。37号車は18周目に5番手、その後方で14号車も3ワイドバトルを繰り広げ8番手へと順位を上げました。
中盤に入り、ドライバー交代とタイヤ交換、給油のために各車ピット作業が開始。25周を終えたところで14号車、翌周に39号車、翌々周に37号車がピットへと向かいました。
ここでトヨタ陣営の各チームは迅速なピット作業を見せて一気にポジションアップ。31周目にGT500クラスの全車がピット作業を終えた時点で、中山雄一へと乗り換えた39号車が首位、平川亮の37号車が2番手、坪井の14号車が6番手へと浮上しました。
レースが折り返しを過ぎて間もなく、4番手走行中の車両がスローダウン。これで5番手へと順位を上げた坪井の14号車はさらに追撃を続け、38周目には4番手へ。その前方では、重いウエイトハンデながら2番手を走る37号車平川が、ライバルからのプレッシャーを受けながらも懸命の2番手争いを展開。この2番手争いに14号車坪井も加わりました。
52周目、三つ巴の2番手争いのなか、平川に抑えられている3番手の車両を坪井がパス。その勢いのまま、翌周のストレートで14号車坪井は37号車平川もかわし、2番手へとポジションアップを果たしました。
激しい2番手争いが繰り広げられている一方で、首位を行く中山雄一の39号車は、早めのピット作戦による燃費やタイヤマネージメントを行いながらも、後続との差を保ったまま首位をキープ。最後は2位に10秒以上の大差をつけてトップチェッカー。今季初勝利を飾りました。コバライネンはGT500クラス通算5勝目、中山雄一にとっては同クラス通算2勝目となります。
そして12番手という後方スタートから素晴らしい追い上げを見せた14号車が2位でチェッカー。今季まだ勝利こそないものの、開幕2戦に続く、富士での3戦連続表彰台、全戦入賞を続ける14号車は、ポイントランキングでも首位に立ちました。
重いウエイトハンデに苦しみながらも粘り強く走り抜いた37号車が4位。19号車が7位、38号車が9位でポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、2番手スタートの31号車、5番手スタートの52号車がレースを通して上位争いを展開。52号車は序盤からじりじりと順位を上げていき、ピットイン前には2番手へ浮上。ピットではタイヤ無交換作戦を採り、首位へと浮上しました。
しかし、終盤にはさすがにタイヤが厳しくなり、ライバルの先行を許すことに。それでも52号車は4位でチェッカー。31号車も速さを示し5位フィニッシュを果たしました。
244号車が19位、30号車は最後尾からの追い上げで20位。35号車が21位、60号車が22位、7番手スタートの96号車はピット作業違反でドライブスルーペナルティを科され、26位に終わりました。
■コメント
ヘイキ・コバライネン
「我々にとって最高のレースになりました。今年はCOVID-19ウイルスの影響で世界中が大変な状況となり、私自身も最初の2ラウンドに参戦できず、第3戦鈴鹿からの参加になりました。チームとしても今季前半戦では苦戦し、一段一段、徐々に改善を進めてきました」
「今日の私の走行は、最初タイヤの暖まりが悪く苦戦しましたが、暖まってからは好調でした。何度かミスもしてしまいましたが、とにかく前のライバルに近づくことが私の役目であり、それは果たせたと思います」
「ピット戦略は抜群のタイミングでしたし、ピット作業も素晴らしく速かったです。チームメイトの雄一も素晴らしい走りでした。そして何より、モータースポーツファンの皆さまを観客として迎え入れた今季最初のレースで勝つことができて本当にうれしいです。声援を送ってくださった皆さまのおかげですし、感謝しています。
中山雄一
「ヘイキさんがピットへ入ってくるときはライバルとほぼ同じタイミングでしたが、作業の速さでは定評のある我がチームの素晴らしいピット作業のおかげで前との差を縮めることができました」
「確かにタイヤの暖まりは良くなかったんですが、前を行くライバルの方が辛そうだったので、ピットアウトして1周目にパスすることができました。首位には立てましたが、まだ40周近く走らなくてはならないのでタイヤもセーブしなくてはならず、また、燃費も厳しいと言われ、色々やることのあるスティントでした」
「マージンのあるトップは気持ちよく走れることが多いんですが、燃費が厳しく最後までそわそわしながらの走りで、残り2周で燃料切れのサインが出て、大丈夫かと思ったらファイナルラップの最終コーナーでガス欠症状が出るなど、かなり焦りながらのフィニッシュでした」
「今シーズンはチーム体制ががらりと変わって、全然意思疎通が取れないなかでのスタートでしたが、新たに加わってくれた脇阪監督のおかげでみんなレベルアップできました」
「TRDやタイヤメーカー、チーム工場の皆さんにも一番いいプレゼントを届けられたと思います。そして、何よりお客さんが入ってくれている前で優勝できて、本当に最高でした」
from TOYOTA GAZOO Racing 2020スーパーGT第5戦富士 レースレポート
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