2020 AUTOBACS SUPER GT Round5
たかのこのホテル FUJI GT300km RACE
■開催日 10月3日(土)公式予選、10月4日(日)決勝
■開催地 富士スピードウェイ
■入場者数 未発表
シーズン折り返しとなる第5戦の今回より、制限はあるもののいよいよお客様をサーキットへお呼びしてのレース開催となった。前大会のもてぎでマシンは大きなダメージを負ったが、メカニックの懸命の作業により、完璧な状態でレースウイークを迎えた。
■公式練習、公式予選10月3日(土)【3番手】
公式予選 天候:曇り
コース:ドライ
気温/路面温度 Q1開始21℃/30℃、Q2開始20℃/28℃、Q2終了20℃/28℃(GT500のもの)
7月から開幕した2020年シーズンは早くも折り返しの第5戦を迎えた。ようやく観客をサーキットに入れてのレースとなり、ピットから見えるグランドスタンドに密にならないように間隔を空けての状態なので、例年のように満員ではないが、多くのお客様が並び、少しずつだが、いつものサーキットの風景が帰ってきたのを実感した。
公式練習は国本選手から乗り込み、クラッシュの影響がないかチェック走行からスタートした。エンジンまで交換したほどのクラッシュだったが、問題はなく、チームは即座に予選、レースに向けてのメニューを始めた。初めに持ち込んだセットアップの確認をし、5番手タイムを出すなどまずまずの出だし。
さらに微調整をしながらタイヤテストに入り、持ち込んだタイヤの確認を進めた。途中GT300の車両がコース脇に止まってしまい赤旗中断になるが、そのタイミングで宮田選手に代わりマシンのセッティングも決勝を見据えたロング用に変更し、時間いっぱいまで周回を重ねた。
その後のGT500の占有では宮田選手が予選を見据えたアタックをした。1分30秒ピットで待ってからコースイン。計測3周目にアタックを開始し、セクター1から自己ベストを更新していった。1分28秒883でその時点の4番手を叩きだし、さらにもう1周アタックを試みた。
セクター1、セクター2まで前の周を超えるタイムを出していくが、セクター3がわずかに更新されず、1分28秒886で更新とはならなかった。最終的には6番手で公式練習を終えた。
14:33から始まった予選は厚い雲に覆われ公式練習のときよりも気温、路温ともに下がっていた。占有時間と同じく1分30秒ピットで待機してからコースへと向かう。予選Q1は宮田選手が挑んだ。残り時間6分30秒までにはその他の車両もコースへと入っていった。
計測3周目にアタックを開始し、公式練習でのタイムを上回るペースでタイムを刻んでいった。22.173/27.058/38.880と各セクターでベストを更新していき、1分28秒111でトップタイムを叩きだした。残念ながらその後、12号車、8号車がトップタイムを更新したため、3番手でQ1を通過した。
Q1での走行から宮田選手のフィードバックもあり、Q2を挑む国本選手はポールポジションを狙い乗り込む前から緊張をしつつも、集中していった。Q1の時と気温、路温は変わらず、同じようなコンディションのなか15:11にQ2が始まった。
国本選手は1周、2周と慎重にタイヤに熱を入れ、計測3周目アタックを開始。22.162/26.879/38.647としっかりとタイムをまとめて1分27秒688でトップに躍り出た。しかし、またもや12号車、8号車がトップタイムを塗り替えた為3番手になってしまった。
国本選手は次の周もアタックを試みるが、タイムを更新することができず、3番手で予選を終えた。ポールポジションを狙っていたので、悔しい結果ではあるが、今シーズンベストな予選となった。
●国本雄資選手コメント(予選後)
「予選は3番手でした。朝の公式練習からクルマの状態が結構良くてそのなかでメニューを組んでタイヤテストとレースのシミュレーションができました。予選Q1は莉朋選手がトップとコンマ1秒ないような差で3番手通過してくれましたので、すごい気合が入り、ポールポジションを獲るという強い気持ちで挑みました」
「莉朋選手のフィードバックもすごく良くて、少し心配していたウォームアップもうまくできました。Q2では自分のなかではベストな走りができましたが、トップとは少し差があり、もう少し詰めなくてはいけない部分もあったのではないかと思います。ただ今シーズンではベストな予選だったので、このポジションから決勝ではチーム一丸となり、強いレースをして追い上げて優勝を目指したいと思います」
●宮田莉朋選手コメント(予選後)
「予選日無事に終えることができました。もてぎ大会からクルマがバラバラになってしまったので、チェック走行から始まりましたが、順調に練習走行を終えることができました。予選は僕がQ1を担当して3番手タイムとなり、Q2も国本選手がいいアタックをしてくださったので、3番手を獲得できました」
「今回ポールポジションも狙っていたのですが、やはりウエイトをあまり積んでいない他のクルマもいて、結構早かったので、もてぎの時よりも手応えが感じ辛い状況だったのですが、その中でも3番手を獲得でき、決勝では良いレースができるのではないかと思います。しっかり1位でチェッカーを受けられるようにチームとともに頑張りたいと思います」
●坂東正敬監督コメント(予選後)
「ウエイトが軽いのと燃リスが付いていないので今回は狙ってフリー走行からタイヤの確認をしました。持ち込みのコンパウンドは2種類。ソフト系のコンパウンドで予選上位を狙えるかな? と思ったが想定より若干路温、気温も高かった為、もう1種類のコンパウンドで予選を戦うことをフリー走行中に判断しました」
「正直、8、12、16、24が速いだろうな? と思ったらやはり上位5台は軽いクルマでした。宮田選手はQ1を突破。さらに、2周連続でアタックしタイヤのパフォーマンスも確認することができました。宮田選手の的確なフィードバックで国本選手にアドバイスをして、Q2国本選手も完璧なアタックで3番手獲得。8号車は速かったがGR Supra勢、ヨコハマタイヤ装着勢ではトップだったので悔しいけれど満足いく予選でした」
■決勝 10月4日(日)【7位】
天候:曇り
コース:ドライ
気温/路面温度 開始:22度/29度>中盤:21度/29度>終盤:21度/25度
決勝を迎えた日曜日朝は雨が降っていたが、チームがサーキットに入るころには止み、併催のFIA-F4とウォームアップ走行をすれば乾くと思われ、ウエットのレースでの可能性は低かった。観客を迎えての初めてのレースということで、通常は開幕戦で行われていたオープニングセレモニーが行われ、12:10より決勝前のウォームアップ走行が行われた。
国本選手から乗り込み決勝用のセットを確認、8周目にピットに入り、ドライバーを宮田選手に交代、タイヤ交換、給油とメカニックもピットワークをシミュレーションした。12:36からはお客様同様、今大会より参加となったレースクイーン達がグリッドボードを持ってグリッドに並んでいくと、いよいよ決勝レースのスタートが近づく。
グランドスタンドの観客のなかには爆走坂東組応援隊の姿も見え、いつも振ってくれていた応援旗の代わりに横断幕を掲げてくれ、改めて観客席を見ると他にもチームウェアを身にまとったファンも多く、これまでの4戦ではなかったファンからの応援のありがたみを改めて感じさせた。
13:30観客の見守るなか、全車グリッドを離れフォーメーションラップに入っていった。整列する直前までウェービングをしてタイヤに熱を入れスタートに備え、コントロールラインを超えたら前を狙いイン側から1コーナーへと飛び込んでいった。アウトから来た24号車に前に行かれるが2番手スタートの12号車が外側に飛び出たところを抜いていった。
コカコーラコーナー直前まで23号車とサイド・バイ・サイドでバトルをするが、イン側にいた23号車に前を行かれ4番手となった。スタートの後方で接触があり、その影響で3号車のフロントカウルが外れコース上に落ちてしまった為、即座にセーフティカーが導入された。
SCボードが掲示されたため13コーナーで減速したところで後ろの12号車に抜かれてしまった。12号車はセーフティカー中の追い抜きでのちにドライブスルーペナルティーが出るが、このあとしばらくは前にいる状態が続いた。コース上のパーツの回収が終わり5周目にリスタートされた。ここでは大きな混乱は起こらず、19号車は5番手から上位を目指した。
6周目、7周目と自己ベストを出していくが、じりじりと後ろの39号車から詰め寄られてしまった。9周目の1コーナーのブレーキングで前に出られたが、39号車はオーバーシュートした為、19号車は5番手をキープ。しかし、11周目の1コーナーで再び39号車が勝負を仕掛けてきて残念ながら抜かれて6番手に。
このころから19号車はペースが上がらず、後方から迫ってくるマシンたちとの守りの戦いとなってしまった。16周目には最終コーナーで膨らんだところを100号車に抜かれるが、すぐに追いつき後ろから来ていた37号車を含めた3台でストレートの終わりでスリーワイドになりながら1コーナーへ侵入。
アウト側からどうにか順位をキープするべくバトルを繰り広げるが、2台に前を行かれてしまいポジションを8番手まで落とした。そのまますぐ後ろに来ていた36号車にもヘアピンで抜かれたしまい一時9番手となるが、12号車がペナルティーを消化した為、8番手。18周目の1コーナーで14号車にも前を行かれ、20周目には16号車にも抜かれてポジションは10番手となった。
その後は追いついてきた17号車とテール・トゥ・ノーズのバトルをしていて、最終コーナーで抜かれるもそのままピットインのタイミングだったので、ピットロードへ。ドライバーを宮田選手へと代わり、タイヤ交換、給油を素早く済ませて暫定12番手でコースへと復帰した。
残念ながらアウトラップで1台前へいかれてしまい13番手から追い上げを狙っていった。32周目のダンドロップコーナーのブレーキング勝負で17号車を追い抜き、さらに36周目には24号車がトラブルでピットに入った為、ポジションを入賞圏内の10番手にあげた。40周目には前を走っていた38号車のテールに付きチャンスを伺い、48周目にセクター3でオーバーテイクし9番手。
多くの車両が1分32~33秒台で走っていたところ、19号車は1分31秒台とトップの車両と変わらないペースで前を追いかけ続けていた。53周目には36号車にストレートで並びそのまま前へいって8番手。次は前を走る16号車をターゲットにして1周1~2秒以上早いペースで追いかけるが、追いついてきたところで相手もペースが上がり、最後のあと少しがなかなか縮まらなかった。
63周目にトラブルで23号車がピットへ向かったので19号車は7番手となった。最後の最後まで前の16号車を懸命に追いかけテール・トゥ・ノーズのバトルまでなったものの、残念ながらオーバーテイクすることはできず7位でチェッカーを迎えた。
上位からのスタートで表彰台、優勝を狙っていただけに、かなりの悔しい結果だが、一時は最後尾近くまで落ちていたことを考えると、ポイントを獲得できたのは幸いであった。予選は速さがあり、決勝も苦しいながらも何台もオーバーテイクできたので、すべてがうまくはまれば、必ず優勝を狙えるポテンシャルがある。
次戦、鈴鹿サーキットでは今大会の分析をしっかりして、表彰台、そして優勝を狙っていきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願い致します。
●国本雄資選手コメント(決勝後)
「レースは7位でした。スタートとその後のペースも苦しいレースとなりました。常に守りのレースとなってしまい悔しいレースとなりました。ミニマムで入って後半の莉朋選手は前半とは違ったタイヤを選択してなんとか入賞圏内までポジションを戻すことができ、ポイントを獲得することはできました」
「ただ、今回は3番手からスタートだったので、前に追いつき優勝争いをしたい気持ちだったので、イメージしていたレースとはかけ離れたものとなりすごく悔しいです。次の鈴鹿大会では問題をしっかり見つけて、解決し、力強いレースをしたいと思っております。応援ありがとうございました」
●宮田莉朋選手コメント(決勝後)
「決勝は7位で終わりました。富士は苦手なところがやはりあり、それが結果として出てしまったところがありました。クルマも期待していたところが裏目に出てしまったところもあり、序盤の国本選手も辛い状況での展開となってしまいました」
「しかし、自分のスティントではこの状況のなかでは良いペースでなんとか走ることができましたが、前にいたおなじヨコハマタイヤ装着車の16号車を抜くことができなかったのは悔しい気持ちがあります。今回のレースで得たデータを分析してもっともっと速くなれるように努力していきたいと思います。今大会も応援ありがとうございました」
●坂東正敬監督コメント(決勝後)
「まずは前回クラッシュして沢山のファン並びにスポンサー様にご心配をおかけしました。また、応援メッセージなど励ましのお言葉を頂きまして本当に感謝しております。メカニックがすぐに完璧に直してくれて、今回出場する事ができました。予選3番手からだったので勝ちを意識してレースに望みました」
「国本選手のスティントはまだ調査中ですがピックアップによるものだと思います。しかし、前日からのロングテストでも兆候はなかったのでこれから原因追究します。宮田選手のスティントは固めの違うタイヤでいきました。ポジションを上げてきてくれたので満足はしていますが、序盤に争った39、14が表彰台に立っていたのでインラップ、アウトラップ、PIT時間などを細かく分析して次戦に望みたいと思います」
「今回はレース中の速さが全くありませんでした。これはドライバーではなくマシンの問題なので、こちらも分析して次戦に万全の状態で望みたいと思っています。本当に悔しい、辛いレースでしたが、前を向いて鈴鹿に望みます」
「今回はお客様の前で勝ちたかった。優勝した39号車おめでとうございます。いつも19号車の応援ありがとうございます。次戦は必ず! 今後も応援宜しくお願いします」
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from TGR TEAM WedsSport BANDOH 2020スーパーGT第5戦富士 レースレポート
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