PACIFIC – D’station Racing 2020スーパーGT第6戦鈴鹿 レースレポート

PACIFIC – D’station Racing

Race Report – 2020.10.27
http://dstation-racing.jp/pdf/2020/Dstation_sgt_2020_round6.pdf

AUTOBACS SUPER GT 2020 SERIES
Round.6 SUZUKA CIRCUIT

­­October 24 – 25 2020
Qualify : 12th Race : 24th

得点圏内で戦うも、SCとタイヤの厳しさに泣く

 今季2回のポイント獲得を果たしているPACIFIC – D’station Racingにとって、そのうちの1回の舞台が10月24日(土)〜25日(日)に行われた第6戦の舞台、鈴鹿サーキット。このレースに向け、第5戦で残念ながら欠場となってしまったケイ・コッツォリーノが藤井誠暢のパートナーとしてチームに復帰。頼もしい相方を得て、チームは鈴鹿サーキットに乗り込んだ。

 暑さのなか迎えた序盤戦を終え、季節はすっかり晩秋。10月24日(土)の予選日は、晴天ではあるものの冷え込むなかで迎えた。午前9時20分からスタートした公式練習では、まずは藤井誠暢がステアリングを握りコースイン。9周をこなすとコッツォリーノに交代し、ふたたび9周。藤井がマークした1分58秒523がベストタイムとなり、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は走り出しを16番手で終えることになった。午後の公式予選に向けてフィーリング自体は良好だが、やはり一発のスピードには苦戦しそうな予感が感じられた。

 とはいえ、僅差のGT300クラスのなかで近年は予選で上位に食い込まなければ、やはりレースでの好結果を望むことは難しい。ひとつでも前のポジションを得ようと、午後2時からスタートした公式予選Q1のA組では、藤井をアタッカーに据え臨んだ。

 しっかりとタイヤを温めアタックに臨んだ藤井は、期待に応え1分57秒625というベストタイムをマークする。すると、これが見事A組の7番手という結果となり、チームにとってひさびさのQ2進出を果たすことになった。バトンを受け継いだコッツォリーノは、20分遅れでスタートしたQ2で1分57秒466というタイムをマーク。PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は、苦戦の予想を跳ね返し12番手という位置から決勝レースを戦うことになった。

 迎えた10月25日(日)の決勝日は、やはり肌寒さはあるものの、爽やかな晴天 に恵まれた。鈴鹿サーキットには1万 9000 人ものファンが詰めかけ、 気温 20 度、路面温度 31 度というコンディ ションのなか、午後1時に決勝レースの火ぶたが切って落とされた。

 PACIFIC NAC D’station Vantage GT3のスタートドライバーを務めたのはコッツォリーノ。まずは1周目、ウォームアップの早さもあり11番手につけることに成功すると、4周目に他車のストップもあり10番手に浮上する。早くもポイント圏内に浮上するが、コクピットのコッツォリーノにはあるトラブルが襲いかかっていた。PACIFIC NAC D’station Vantage GT3にギア抜けの症状が出てしまっていたのだ。加速時に症状が出てしまうと、ライバルたちの先行を許してしまうことになる。コッツォリーノはなんとか奮闘しながら、#4 メルセデスや#60 RC Fとバトルを展開していった。レースの流れによっては、入賞も可能性がある。

 しかし、GT500クラスが22周目に入るところで、S字でアクシデントが発生してしまう。もしセーフティカーが入ってしまえば、ピットインを済ませていない場合ロスになってしまう。ピットは早急にタイミングをうかがうが、時すでに遅し。セーフティカーが入りピットはクローズとなってしまった。

 レースリスタート後、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3はピットインを行い、このタイミングでピットに入った組のトップで藤井がコースに復帰することになったが、順位としては15番手というところ。その後13番手に順位を上げるが、今度はタイヤが少しずつ厳しくなってきてしまう。前戦富士と同じ症状が出てしまったのだ。

 藤井はなんとかPACIFIC NAC D’station Vantage GT3をフィニッシュへ導いていたものの、42周を終え無念の再ピットイン。これで24番手までドロップし、そのままチェッカーを受けることになってしまった。

 PACIFIC NAC D’station Vantage GT3のフィーリングは悪くない。しかし伴わない結果に、チームは悔しさを噛みしめながら鈴鹿を後にすることになった。

 とはいえ嘆いていても始まらない。すぐ2週間後に迫る第7戦もてぎでのリベンジを誓った。

Q2進出を喜ぶ藤井誠暢とケイ・コッツォリーノ、佐々木主浩総監督
Q2進出を喜ぶ藤井誠暢とケイ・コッツォリーノ、佐々木主浩総監督
PACIFIC NAC D'station Vantage GT3
PACIFIC NAC D’station Vantage GT3

COMMENTS

神野元樹
Motoki Jinno PACIFIC – D’station Racing Team Representative
公式予選、そして決勝レース中盤まではすごく順調でしたが、こういった結果になってしまったのは本当に残念です。しかしこういった状況に対処するためには、やはりチーム力をもっと上げるしかありません。今回の反省を活かし、次戦に挑みたいと思います。次戦はライバルのウエイトハンデも半減しますが、我々の良いところをさらに伸ばし、表彰台をなんとか手に入れたいですね。第4戦のような戦い方ができれば、結果は出せると思っています。引き続き皆さまの応援宜しくお願い致します。

星野敏
Satoshi Hoshino D’station Racing Team Principal
また今回も残念な結果となってしまいました。いちばん大きなポイントになったのはセーフティカーのタイミングでのピットインの判断でしたが、そこで決断できなかったのが敗因になってしまったかもしれません。またタイヤの問題も解決できていないので、SUPER GTの難しさを痛感しています。残りはもう2戦になってしまいましたが、この2年間の参戦でまだ実現できていない、アストンマーティンでの表彰台をなんとか獲得したいですね。今回もたくさんのご声援、ありがとうございました。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
今回も悔しいレースになってしまいました。公式予選まではふたりのドライバーが良い走りをみせてくれて、決勝レースの序盤も素晴らしい戦いをみせてくれていましたが、最終的にはセーフティカーのタイミングをうまくつかんだチームが上位に進出していますよね。我々はその点で判断力が足りなかったようにも感じます。チームの総合力が試されたのではないでしょうか。また、今回2戦連続でタイヤが苦しくなってしまいましたが、この点も改善できればいいのですが……。次回はもてぎですが、第4戦のように良いレースをしたいですね。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
今回のレースはセーフティカーのタイミングでロスをしてしまったことが大きかったですね。とはいえ、僕たちと同じタイミングでピットインした組のなかでは最上位につけることができました。その後はフィーリングも良く、ペースも良いものだったのですが、タイヤが苦しくなり2回目のピットインをせざるを得ない状況になってしまいました。シーズンも残り2戦となってしまいましたが、僕たちが得意なウエットコンディションになる可能性もありますし、最後までベストを尽くしていきたいと思っています。

ケイ・コッツォリーノ
Kei F Cozzolino Driver
レース序盤はクルマのフィーリングも良く、タイヤのウォームアップも良かったのでポジションを上げることができましたが、バトルのなかではアンダーステアやギア抜けも発生してしまい、ポジションを落とすことになってしまいました。とはいえタイヤも序盤はフィーリングが悪くなかったのですが、セーフティカーのタイミングに泣かされてしまいましたね。チームが状況を確認しきれなかったところもありますが……。そこがすべてです。もてぎは前回も好調でしたし、今回の反省を活かし、チームの総合力を上げて勝ちにいきたいと思っています。

藤井誠暢とケイ・コッツォリーノ
藤井誠暢とケイ・コッツォリーノ

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PACIFIC NAC D'station Vantage GT3とD'STATION FRESH ANGELSの林紗久羅さん
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