スーパーGT第6戦鈴鹿の予選Q1で、大きなクラッシュが発生。シーズン2勝目が期待されていたMOTUL AUTECH GT-Rがダンロップコーナーで大きなクラッシュをしてしまい、セッションは赤旗中断となってしまった。シーズン2勝目が期待されていたMOTUL AUTECH GT-Rだったが、まさかの予選最下位となってしまった。また、予選Q2ではこちらも今回上位争いが期待されていたZENT GRスープラの立川祐路がシケインでハーフスピンしてしまうミス。ベテラン勢の珍しいミスで、第6戦鈴鹿の予選は波乱に未知た展開となった。
「シケインまでは普通に、そこそこのアタックができていたんですが、ちょっとシケインで無理して、完全にオーバーランしかけてしまって、つまらないミスをしてしまいました」と、予選を振り返るZENTの立川。
ZENTは現在ドライバーズランキング7位ながら、GRスープラのブリヂストン勢としては最下位で、この鈴鹿でなんとしてもビッグポイントを獲得して、チャンピオン争いに加わることが今回の狙いだった。
だが、当然、ウエイトハンデの軽いマシンのパフォーマンスが高い。
「Q1の状況から、ウエイトハンデの軽いクルマや他のタイヤメーカーのクルマが速そうだったので、思い切っていくしかないなと思っていて、130Rまではそこそこ攻めることができたんですけど、シケインのブレーキングでちょっと我慢というか無理をしすぎたのかな、飛び込んだ時にリヤタイヤがロックしてしまって止まりきれなくて、単純に自分のミスです。クルマのフィーリングとしては朝から予選に向けては良さそうな手応えを感じていて、それだけにね……」と、唇を噛む立川。
シケインの進入でコントロールを失いながらも、ハーフスピンでマシンを抑え、すぐにコース復帰した技術はさすがとも言えるが、大事な一戦でのミスだけに、立川の表情も重い。
それでも、日曜の決勝に向けては「本当はもうちょっと前の方に行ける予定だったんですけど、自分のミスでこの位置になってしまったので、その分、明日は自分で取り返します」と、抱負を語った立川。これまで、逆境に追い込まれたなかで決勝で幾度も怒濤のオーバーテイクで上位に食い込んできた立川だけに、明日のZENTと立川の走りは一見の価値があるかもしれない。
ZENTと立川と同じように、この第6戦鈴鹿をターゲットとしながら、予選で痛恨のクラッシュをしてしまったのがMOTUL AUTECH GT-Rだった。
松田次生がアタックに入ってセクター1で全体ファステストタイムをマークして上位進出が濃厚と思われた瞬間、セクター2のダンロップコーナーでアウト側に膨らんで縁石を跨いでコントロールを失い、スピードが落ちないまま、グラベルをバウンドするように一直線にクラッシャブルバリアに突っ込んでしまった。
なかなか珍しいコーナーでのクラッシュと、そのスピードの高さと舞い上がった砂煙の多さに、一瞬、サーキットが静まり返ったが、次生に大きな怪我はなかったのが不幸中の幸いだった。MOTUL AUTECH GT-Rの鈴木豊監督に予選後に聞いた。
「クルマの手応えとしても、今回はそれほど悪くはなかったと思います。(次生は)タイム的にもセクター1が非常に速くて、結局トップだったんですけど、それだけ攻めていたのだと思います。ちょっと1周目にしては速すぎるなという感じがあったので、ちょっと気合いが入りすぎたのかもしれないですね」
「今回、我々も表彰台を狙っていきたいと思っていたのですが、まあ、まだレースが終わったわけではないので明日はどこまで挽回できるかわかりませんが、最後尾からでも気持ちを切り替えて臨みたいと思います」と、鈴木監督。
ピット内では壊れたマシンのパーツが広がり、ラジエターまわりや冷却系に大きな損傷が見られる。メカニックたちは修復に勤しむが、その壊れたパーツの多さに明日の決勝が心配になる。
「クラッシュしたクルマは部位といいますか範囲としてはいろいろな主要パーツがある部分なので、これからちょっとメカニックは大変ですけど、交換パーツはありますし、明日のレースは大丈夫だと思います。もともとクルマのあの前方あたりはクラッシャブルゾーンになっていますので、そこがきちんと機能してくれたと思います」と鈴木監督。
幸い、エンジンも大丈夫とのことで、明日の決勝へは出走できそうな見込みだ。
「また明日、ここから挽回できるように頑張ります」と、前を向く鈴木監督。MOTUL AUTECH GT-R、そしてZENT GRスープラとエースのベテラン勢にとっては悔しい予選となってしまったが、追い詰められた2名とも決勝レースは間違いなく、鬼神の走りで巻き返す走りを見せるに違いない。
from まさかのミスで追い詰められたMOTULとZENT。決勝で期待したいベテランの鬼神の挽回【第6戦鈴鹿GT500予選】
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