LM corsa 2020スーパーGT第6戦鈴鹿 決勝レポート

S-GT2020 Rd6 SUZUKA Final

LMcorsa REPORT
♯60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3

今季ベストグリッドからスタートし中盤までは好走を続けてポイント圏内を走行するが最後は想定以上にグリップが落ち14位でフィニッシュ

路面:ドライ、路面温度:32度

 スーパーGTの第6戦となる『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』の決勝レースが10月25日(日)に鈴鹿サーキットで開催された。今季のスーパーGTは変則的なスケジュールと開催地となっていて、鈴鹿サーキットが舞台になるのは第3戦以来の2回目。本来は鈴鹿サーキットとの相性が良いSYNTIUM LMcorsa RC F GT3だが、真夏に行なわれた第3戦では予選、決勝レースともに振るわなかった。

 しかし、前日の第6戦の予選ではQ1を担当した吉本大樹選手がB組で4番手のタイムを記録し、河野駿佑選手が予選Q2で13位を獲得。今シーズンは不振なレースが続いていたが、予選でベストグリッドを得たことにより、チームの士気は高まり決勝レースを迎えた。

 決勝レース日となった25日は、早朝から晴れ渡り久しぶりに快晴続きのレースウィークとなった。前戦から観客を迎えることとなったスーパーGTは、今回も入場者数を制限しながら有観客でレースが開催された。24日は9500人、25日は19000人のファンがライブでSUPER GTを楽しんだのだ。

 25日のプログラムは10時50分からのドライバーアピアランスで始まった。11時40分から12時まではウォームアップ走行が設けられていて、まず吉本選手がSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り6周を走行すると、河野選手も3周を周回して決勝レース前の最終チェックを実施。ラップタイムは予選順位とほぼ同じで、前日からの好調を維持していた。

 無事にウォームアップ走行が終わるとスタート進行に入る。気温は20度を超え10月下旬としては暖かく、日向では半袖でも過ごせるほどだった。決勝レースは予定通りの13時にフォーメーションラップが開始される。セーフティカーが先導しGT500とGT300の計44台が1周すると、いよいよ300km(52周)の決勝レースが幕を開けた。

 吉本選手がステアリングを握ったSYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、1周目に3台をパスして10番手までポジションを上げる。3周目にはラップタイムを2分1秒台に入れると、先行していたマシンがトラブルによって後退したために4周目に9番手に浮上する。6周目には自己ベストタイムとなる2分1秒323をマークし、さらなるポジションアップを図った。10周目まではラップタイムもライバル勢と同等で、トップからのタイム差は開いたが、8番手との差は1.5秒ほどだった。

 だが、10周を超えるとタイヤのグリップが落ち始め、ラップタイムが悪化してしまう。それでもポジションを守っていたが13周目に後続に接触されたことが切っ掛けで3台にパスされる。そしてチームはレースの1/3が消化した16周目に吉本選手をピットに戻す判断をした。

 13周目のバトルなどでマシンにはグラベルが付着していて、ピットイン時にブレーキから煙が出てしまった。それでもメカニックは冷静に対処し4本のタイヤ交換と給油を行ない、ドライバーを河野選手にチェンジ。

後半のロングスティントを担当することになった河野選手は、26番手でコースに復帰する。20周目にはGT300のマシンがコースオフしたことによってセーフティカーが導入され、早めにピットインを行なったLMcorsaは、まだ規定のピットインを終えていないマシンに対してアドバンテージを得ることとなった。

 レースは25周目に再開すると、ピット作業を行なっていないマシンがピットに戻る。30周目には全車がピット作業を終えると、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は9番手となっていた。

 30周目以降は、前を走る8番手から12番手までの5台のマシンが連なり激しいポジション争いが繰り広げられる。河野選手はペースに勝っていた後続のマシンを的確に押さえながら9番手を死守するが、中盤を過ぎると前半のスティントと同様にタイヤのグリップが落ちていく。

 40周目には10番手となり、翌周にも1台にパスされてポイント圏外へポジションを下げてしまう。グリップが失われたマシンをコントロールしながら11番手を守っていた河野選手だったが、ファイナルラップの49周目に3台にパスされて14位で決勝レースを終えることとなった。

 公式練習から大幅にセットアップを変えたことが奏功し、予選では今季ベストグリッドを獲得したLMcorsa。決勝レースは序盤から中盤に掛けてポイント圏内を走行していたが、最終的には悔しい結果となった。

■コメント
飯田章監督

「決勝レースは前半のスティントで想定よりもタイヤの消耗が激しく、レース距離の1/3を消化したミニマムの周回でピットインしました。後半が長くなることは分かっていましたが、順位を守るために採った戦略です」

「セーフティカーのタイミングに恵まれてポイント圏内を走行していましたが、最後はやはりタイヤが厳しく14位となりました。予選も含めて自分達が持っている材料を出し尽くしベストな戦いができたと思っています。それだけに結果が残せず悔しい状況です。残り2戦ですが最後まで諦めずに戦っていきたいです」

吉本大樹選手

「決勝はスタートを担当して、1周目から順位を上げようと思っていたので狙い通りの展開となりました。数周は先行車を追い掛けられましたが徐々にグリップが乏しくなり、後続のマシンに接触されたこともあってポジションを落としてしまいました」

「規定周回数のミニマムでピットインしたため、河野選手のスティントは厳しいことが予想できました。それでも終盤までポジションを守る走りを見せてくれました。チームとして出来ることを全て行なったのですが、トップ10に入れませんでした。改善策が見当たらない状況で、どのように残り2ラウンドを戦っていくのか考えなければいけません」

河野駿佑選手

「吉本選手のスティントでもタイヤが厳しい状況だったので、私のスティントも苦しくなることは想定していました。それでも全車がピットインを終えた時点でポイント圏内だったので、是が非でも守ろうと思っていました。しかも、鈴鹿サーキットはチームのホームコースでもあり、母体の大阪トヨペット様から多くの応援団が駆け付けていたので、活躍したいという思いは当然です」

「ただ、終盤は我慢のレースになって、押さえ続けることが不可能でした。予選からチームとともに全力を尽くしましたが、ポイントを獲得することができず残念です」

2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)
2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/河野駿佑)


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