ARTA NSX-GT 2020スーパーGT第5戦富士 決勝レポート

GT500 決勝レポート

3位表彰台獲得もマシンセットに課題が

 秋の色が濃くなってきた富士スピードウェイは曇り空の下でスタートを待った。気温は21℃、路面温度は29℃というコンディションでスタートが切られた。

 スタートドライバーは福住仁嶺。福住は1コーナーで2番手の車に並ばれるが、トップをキープしながら2コーナーをクリアしAコーナーに入っていった。ここで後続車両が接触。カウルがコース上に散乱しセーフティーカーが入る。セーフティーカーが入る直前に福住は2番手にポジションを落としてしまう。

 4周目にリスタートが切られた。トップの車両に少し離されてしまうが、福住のペースは良く徐々にトップとの差を詰めていく。10周目あたりから300クラスの周回遅れが出始め、福住は3番手の車に差を詰められてしまうが、何とか抑え、逆にトップの車との差を詰め13周目の1コーナーでトップに立つ。

ここで逃げ切る作戦だったが、8番手までの車のペースは良く、なかなか単独走行が出来ず、福住は苦戦を強いられた。何とかポジションをキープし、26周目に野尻智紀に交代。

 ピットインのタイミングやアウトラップでタイヤが暖まる前に後続車に抜かれ野尻は3つポジションを落としてしまうが、タイヤが暖まるにつれペースアップ。34周目の1コーナーでひとつポジションを上げる。次の周回で更にポジションを上げて表彰台圏内を走行。

 45周あたりから3番手争いが激しくなり、野尻は一時4番手にポジションを落とすも、すぐに抜き返し3番手での走行を続ける。トップ2台を追い続けたが、2台ともペースが良く、3位でフィニッシュ。今季初の表彰台を獲得した。

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鈴木亜久里監督のコメント
「勝ちに行ったんだけど、勝てなかったね。悔しくて仕方ない。今回からお客さんも入場出来るようになったので、モチベーションもとても上がるし、お客さんの前でレースが出来るのはとても幸せだし、そこで絶対勝ちたいと思ってたんだけどね。本当に悔しい。タイヤが暖まるとペースはいいんだけど、冷えている時に他と比較して遅いみたいだから、その辺を調べていかないとね」

ライアン・ディングル エンジニアのコメント
「悔しいですね。2人ともタイヤのウォームアップに時間がかかってしまったので、何が原因なのか分析しないといけませんね」

野尻智紀選手のコメント
「アウトラップでのスピードがとても遅かったので、その辺の原因を探してもらい、ドライビングに対してもそうですが、分析と対策を次戦に向けて行う必要があると思います。レースについては福住選手もバランスに苦しんでいたので、同じような状況で走っていたところもあると思いますが、プッシュするしかなかったので何とか3位にはなれましたが、課題の方が多いので次回はもっと良い結果を出せるように準備していきたいです」

福住仁嶺選手のコメント
「ロングランのセッティングについては変更をしたのですが、まだ掴みきれていない部分が多くて、1周目はタイヤの暖まりも良くなくて2番手に落ちてしまいました。その後、ペースを上げるのが難しくて、タイヤのピックアップもありましたが、何とかトップを取り返す事が出来ました。ポジションを維持するのが精一杯で、引き離すつもりがなかなか苦しい状態でした。野尻さんもタイヤに熱が入るまで時間がかかったと思います。次回は3週間後なので、準備して良い結果を出せるようにしたいです」



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