2020 AUTOBACS SUPER GT ROUND 6
鈴鹿サーキット
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)/5.807km
10月24日(予選)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:9500人
10月25日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万9000人
予選までの絶好調ぶりが、スタート直後の追突で、水の泡に……
コロナ禍で7月からの遅い開幕だったにも関わらず、もう残すところ3戦となったスーパーGT。第6戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』が、鈴鹿サーキットで開催された。今年もaprは従来どおり2台体制で挑み、『#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』は永井宏明選手と織戸学選手がドライブ。タイヤも信頼高いヨコハマが継続して使用される。
FRに改められて、2年目を迎えたマシンは、このオフに徹底的に見直しをはかり、改良が加えられた結果、著しい進化が確認されている。しかし、予選と決勝を通じて結果が伴わずにいる。特に、前回の富士では公開練習でミッショントラブルに見舞われ、予選を走れず最後尾スタートを強いられながら、決勝では20位でフィニッシュ。
安定したペースを刻んでいただけに、普通に予選を走れていれば……という思いは少なからずあった。とはいえ、2戦連続で完走を果たして多くのデータが蓄積されたこと、そして5チームがウエイトハンデ上限の100kgを積むなど、ランキング上位陣が重さに苦しんでいる状況に、ノーハンデで臨めるのは千載一遇のチャンスとは言えまいか。ここ鈴鹿は、永井選手のホームコースであるだけに、今度こそ落とせない一戦になりそうだ。
公式練習 10月24日(土)9:20〜10:55
レースウイークの鈴鹿サーキットは天候に恵まれ、また前回に続いて観客席にファンを迎え入れて、絶好の環境となっていた。#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTを公式練習で、最初に走らせたのは織戸選手。普段なら開始から間もなくピットに戻ってくるのだが、さっそく好印象を得たようで、そのまま周回を重ねることに。
一刻でも早くマシンを仕上げて、永井選手にマイレージを稼いでもらいたいという織戸選手の気持ちが、まさに手に取るように感じられた。計測3周目には1分58秒台に入れ、次の周には1分57秒898をマークして、その時点でのトップに。2回目のピットストップ後には1分57秒380にまで短縮を果たす。
そして、ほぼ30分経過後から永井選手にバトンタッチ。周回を重ねていくごと、タイムを縮めていって、最後のGT300単独走行では永井選手も1分59秒565をマークすることに。織戸選手のタイムは1台に上回られたが、それでも2番手という好結果を得ることとなった。その後、初めてFCY(フルコースイエロー)訓練が行われ、20分間で2度試された合間に、再び#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTに乗り込んだ織戸選手は2分0秒007を記していた。
公式予選Q1 10月24日(土)14:00〜14:10
今回、Q1で#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはA グループでの走行となり、今回も担当は織戸選手。入念にウォームアップを行って、計測3周目からアタックを開始すると、織戸選手は練習走行のタイムを1秒以上短縮する、1分56秒496をマークして2番手につける。確実な手応えを得たこともあって、織戸選手はチェッカーを待つことなくピットイン。第3戦以来となるQ1突破を果たすこととなった。
公式予選Q2 10月24日(土)15:13〜15:23
Q1で赤旗中断が相次いだため、本来の予定より20分遅れで開始されたQ2。永井選手がややスローペースでのウォームアップを行っていたのは、織戸選手のアドバイスゆえ。そして計測3周目からアタックを開始する。まず1分58秒109をマークした永井選手は、もう1アタック加えて1分57秒910にまで短縮を果たす。その結果、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは14番手につけることとなり、今季初の入賞も見えてきた。
永井宏明選手
「前回よりさらに進歩して、すごくクルマは仕上がりました。ちょっと自分にロスもあったので、後悔しているところもあるんですけど、今の自分としては精いっぱい頑張ったかな、と思っています。しっかりポイントが取れるよう、ふたりでミスなくレースしたいです。地元ということで今日、明日は応援団も来てくれているので、その応援も力にできればと思っています」
織戸学選手
「今回、すごくクルマが持ち込みから良くて、タイヤも非常に良くて、すごくいい感じ。まわりが重たいのはありますけど、僕らとしては過去最高の状態です。とにかくポイントを獲るために、作戦をしっかりして、走り切るのみです。このチームでいけると思います」
金曽裕人監督
「Q1は織戸選手がトップ2で通過してくれて、何より永井選手が初めて1分57秒台に入れてきて、どんどん乗りやすいクルマになっているのは間違いありません。大満足!! 今回はロングランに強いクルマに仕上げてきたつもりなので、その結果を今回は見てみたいです。大いに期待しています。目標はシングルフィニッシュ! ホームコースでいいとことお見せしたいと思っています」
決勝レース(52周)10月4日(日)13:00〜
決勝前20分間のウォームアップで、最初に#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTに乗り込んだのは、今回もスタート担当の永井選手。ここではすぐにピットに戻り、微調整を行ってから本格的に走行を開始する。いきなり永井選手は2分0秒673をマークし、残り7分で織戸選手と交代。織戸選手も好感触を得たこともあって、早々にピットに戻ってくることとなった。
しかし、気分上々だったのは、そこまでだった。決勝レースでは、オープニングラップのシケインで、ブレーキングでコントロールを失った車両に追突され、大きく順位を落としてしまったからだ。そればかりか足回りにもダメージを負って、ステアリングがずれた状態になってしまう。それでも諦めずに走り続けた永井選手は、S字でのクラッシュによるセーフティカーラン明けとなる、25周目にピットイン。織戸選手にバトンを託すこととなる。
徐々にダメージはひどくなっていき、コース上に留まることさえ困難な状態で、背後からのプレッシャーを受けることはなかったが、前を追うことも許されず。それでも必死にチェッカーまでマシンを導き、20位での完走を果たすこととなった。
次回のレース、シリーズ第7戦は11月7~8日にツインリンクもてぎで開催される。クルマの状態はかなり向上しているだけに『今度こそ!』の期待がかかるのは言うまでもない。
永井宏明選手
「また1周目にぶつけられて、レースが台無しになってしまいました。シケインで止まりきれなかったクルマに追
突されたんです。足回りにもダメージがあった、普通に走れる状態じゃなくなったのですが、なんとか完走はできましたけど……。本当にみんなで頑張って、スタートラインに並ぶまではずっといい調子で来ていたので、これでレースを落とすのは本当に痛いですし、悔しいです。切り替えてやるしかないので、しっかり次に向けて準備していきます」
織戸学選手
「ミサイル食らって終わりました。クルマが壊れました。足回りが曲がっちゃって、その後は無理。ハンドルは曲がっちゃって、コースにいるのが精いっぱいで、Rd4モテギのミサイルよりもひどかった。なんとか完走はできたけど、本来はもっともっといいレースができたはず。残念でしょうがない。次はみんな、また軽くなるけど、頑張るしかないね」
金曽裕人監督
「またぶつけられてしまいました……。決勝前のウォームアップまでは『いい夢、見られたね』って。永井選手もあんなに速かったし乗れていたのに……。タイヤも良かったし、クルマとしても決まっていたし、ドライバーとしても乗れていたので、非常に残念です。スタート直後にすべて台無しになってしまいました。残り2戦しかありませんけど、このままじゃ終わりません。どちらも入賞を目標に、またしっかり準備を整えていくつもりです」
from #30 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT 2020スーパーGT第6戦鈴鹿 レースレポート
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