2020.10.4(日)
Round.5
富士スピードウェイ
静岡県 駿東郡
#8 ARTA NSX-GTが3位表彰台を獲得
10月3日(土)~4日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2020年度スーパーGTシリーズ第5戦が開催され、GT500クラスに5台の2020年型NSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走しました。新型コロナウイルス感染拡大対策として第4戦までは無観客開催でしたが、今回より最大5000人プラスアルファに入場人数を制限したうえでの開催となりました。
土曜日の天候は快晴。ドライコンディションで行われた土曜午前中の公式練習では、ウエイトハンデの軽い#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)がGT500の2番手タイムを記録しました。
午後の公式予選Q1セッションは、薄い雲が広がった空の下で行われ、#8 ARTA NSX-GT(野尻)が2番手、#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京)が6番手につけてQ2セッションへ進出しました。8台が出走したQ2セッションでは、福住がセッション最後にタイムアタックを行ってベストラップタイムをたたき出しポールポジションを獲得しました。
野尻/福住組にとっては第2戦に続く今季2度目、富士では連続のポールポジションで、福住にとっては自身初のGT500ポールポジション奪取でした。#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)は8番手となりました。
日曜日の富士スピードウェイ上空には雲が広がり、朝方には降雨もあってコースはいったん濡れましたが、決勝レースが始まる頃には薄日も差し路面はドライコンディションとなりました。
午後1時30分、決勝レースのスタートが切られましたが直後の第1コーナーで#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤)が追突を受けてスピン、追突した車両がコースサイドで停止したためオープニングラップからセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなりました。
ポールポジションからスタートした#8 ARTA NSX-GT(福住)は、セーフティカー介入前のダンロップコーナーで24号車の先行を許していたため2番手から再スタートに備え、5周目からレースが再開されると、じりじりとトップを走る24号車に詰め寄り13周目の第1コーナーでアウト側からトップへ立ちました。
福住はトップのまま26周を走りきって、野尻への交代と給油およびタイヤ交換のためピットインしました。マシンを受け継いだ野尻は事実上トップのままコースへ復帰しましたが、後方には同じタイミングでピットインした2番手39号車が続いており、タイヤが十分発熱せずペースが上がらないあいだに10秒ほどあった間隔を詰められ、ダンロップコーナー手前で先行を許すこととなりました。
#8 ARTA NSX-GT(野尻)のペースはその後もなかなか上がらず、37号車、24号車にも先行されて順位を落としましたが、タイヤが発熱してからはペースが上がり、24号車がトラブルで脱落した後はじりじりと2番手の37号車との間隔を縮めていきました。
52周目のダンロップコーナーで混戦となった際、後方から攻め寄ってきた14号車に抜かれて4番手へ後退したものの、野尻はあきらめることなく食い下がり、53周目の第1コーナーでは14号車に抜かれて3番手を走っていた37号車をかわして3番手へ復帰しました。そして、その3番手を維持したまま66周を走りきってチェッカーフラッグを受けました。
後方では、予選13番手からスタートした#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が重いウエイトハンデにもかかわらず着実に順位を上げて5位、オープニングラップのスピンでいったんは最後尾に落ちた#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤/笹原)が6位に続き、10位でフィニッシュした#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)までが選手権ポイントを獲得してレースを終えました。
また、GT300クラスに出走した#55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)はクラス2位入賞を果たしました。次戦シリーズ第6戦は10月24日から25日、鈴鹿サーキットで開催されます。
■コメント
株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー 佐伯昌浩
「残念ながら優勝することはできませんでしたが、NSX-GTは4台が選手権ポイントを獲得してレースを終えることができました。13番手からスタートした100号車が5位になったことや、ここまでランキングトップでチャンピオン争いをしている17号車が1ポイントながら得点を伸ばせたこと、さらに2基目のエンジンを先行投入した16号車が6位に入賞したことなど、次へつながる結果でもありました。次の鈴鹿はNSX-GTにとっては相性のいいコースですから2基目のエンジンを全車に投入していい結果が残せるよう準備を進めたいと思います」
野尻智紀(3位)
「走り出しから比較的好調で、いい流れのなかでポールポジションを獲れたのはよかったのですが、今日は昨日ほど優位に戦えず、苦しい展開でした。ロングランでのペースが上がらない原因を究明する必要がありますし、ドライバーとして何かできなかったかをもう一度振り返って考えなければなりません」
「マシンを引き継いだ直後は、本当にみんなおなじタイヤを使っているのかと信じられないほど、ぼくのタイヤは“硬く”振る舞っていました。10秒近く差があったのに1周で追い抜かれてしまうなどということはこれまで経験したことがありません」
「そのあたり、何か原因があると思うのでしっかり分析をします。優勝するつもりだったので3位表彰台は悔しかったのですが、お客様がいるグランドスタンドを見たときには何か勇気づけられたような気がしました」
福住仁嶺(3位)
「予選は流れがよくトップタイムを出すことができてポールポジションを獲れました。今日は一番前からのスタートでしたが、タイヤのウォームアップやロングランのペースなど少し不安を持っていました。24号車はタイヤの暖まりがよかったので前に行かれてしまいましたがレース再開後は落ち着いて走り、トップに立つことができました」
「しかし、その後のフィーリングは決してよくはなく、あれ以上ペースを上げることはできませんでした。タイヤのウォームアップやロングランについての問題は次のレースまでにチームと相談して解決していく必要があると思っています。まだウエイトも軽いですから、鈴鹿ではもっといい結果を出そうと思います」
from ホンダ 2020スーパーGT第5戦富士 レースレポート
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