変則的なスケジュールで行われている2020年のスーパーGTは9月13日、栃木県のツインリンクもてぎで第4戦の決勝レースが行われ、スーパーGT GT300クラスはLEON PYRAMID AMGが優勝を飾った。
シリーズ全8戦で争われる2020年のスーパーGT。折り返しとなる第4戦は、近年、最終戦の舞台として行われるツインリンクで行われた。夏のもてぎ、ウエイトハンデありという、いつもとは異なる環境下のなかで未知のレースがスタートした。
熱帯低気圧の影響で搬入日には局地的な豪雨、予選日は雨が降ったり止んだりする難しいコンディションが続いた週末だが、決勝日の朝は晴天で迎えた。ドライでのレースが予想されるが、レースのスタート前には雲が空を覆ってしまう。気温27℃、路面温度34℃、湿度61%というコンディション。果たしてこのまま天候に左右されることなくフィニッシュを迎えることができるのか。
決勝レースは定刻の13時、セーフティカー先導のもと、フォーメーションラップがスタートし、ポールポジションのRUNUP RIVAUX GT-R、2番手HOPPY Porsche、3番手TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)とグリッド順に続いていく。ウォームアップ時にエンジントラブルで走行できなかったSUBARU BRZ R&D SPORTはなんとかグリッドからスタートすることができたが、30番手からスタート予定だったシンティアム・アップル・ロータスはピットスタートとなった。
1コーナーを制したのはポールポジションからスタートしたRUNUP RIVAUX GT-R。その後方では3コーナーで4番手スタートのSUBARU BRZ R&D SPORTが3番手スタートのTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)をインからパスして3番手にポジションをあげた。RUNUP RIVAUX GT-Rは早くも後続を引き離しにかかり、3周を終えた時点で2番手の25に3秒以上の差をつけて周回を重ねていく。
GT300の周回で5周目に入ると、早くもGT500クラスのトップが追いつき、バトルが激化していく。トップの2台は1分50秒台で走行できているもの、SUBARU BRZ R&D SPORTを先頭とした3番手以降は1分51秒台とややペースの差が開き始めた。
その3番手争いはSUBARU BRZ R&D SPORT、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)、JLOC ランボルギーニ GT3の3台がコンマ5秒以内の差でポジション争いが白熱の様相を見せる。
GT300の周回でレース9周目、S字の立ち上がりでT-DASH ランボルギーニ GT3とGT500のARTA NSX-GTがわずかに接触。コースオフを喫したT-DASH ランボルギーニ GT3はそのままV字コーナーに向かって芝生上を滑ってしまう。
マシンはそのままコース上へ戻ってしまい、ライン上を走行してきたGT500クラスのWedsSport ADVAN GR Supraとクラッシュしてしまった。このアクシデントでセーフティカーが導入される。トップのRUNUP RIVAUX GT-Rは2番手のHOPPY Porscheに対してつけていた5秒以上の差がリセットされてしまった。
さらにセーフティカーラン中に後方で渋滞が起きたGT300クラスはS字で詰まっていたアールキューズ AMG GT3にStudie BMW M6が突っ込んでしまうというクラッシュが発生。マシンの撤去が終了したGT300の周回で13周目、レースが再開。RUNUP RIVAUX GT-Rは再びジワジワと2番手以下を引き離しにかかる。
レース全体の3分の1を終えた段階で、トップ10はRUNUP RIVAUX GT-R、HOPPY Porsche、SUBARU BRZ R&D SPORT、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)、JLOC ランボルギーニ GT3、K-tunes RC F GT3、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3、GAINER TANAX GT-R、ARTA NSX GT3、LEON PYRAMID AMGという並び。この辺りからピットへ入るマシンが現れ始めた。
やはりGT300クラスはタイヤ無交換や2本交換のみという作戦を採るチームがあり、全車がピットアウトした段階で順位の変更がありそうだ。
トップのRUNUP RIVAUX GT-Rは32周を終えた段階でピットイン。しかし、ピットアウトすると、タイヤ無交換作戦を敢行しているLEON PYRAMID AMGが一気にテールへ近づき、3コーナーでインからオーバーテイク。トップへ浮上してみせる。
レース36周目、実質3番手のSUBARU BRZ R&D SPORTにJLOC ランボルギーニ GT3が迫り、1コーナーで仕掛けるもわずかに止まりきれずオーバーラン。しかし、よく37周目にはS字で再び仕掛けたJLOC ランボルギーニ GT3を抑え切ることができず、SUBARU BRZ R&D SPORTは実質4番手へポジションを落としてしまった。
GT300クラスの周回数で39周を迎える段階で、全車がピット作業を終了。トップ5はLEON PYRAMID AMG、ポールスタートのRUNUP RIVAUX GT-R、JLOC ランボルギーニ GT3、レーススタート前のエンジントラブルから復活したSUBARU BRZ R&D SPORT、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3の5台が顔をそろえた。
ここから表彰台を争う終盤戦がスタートすると思われたレース42周目、GT500クラスの接触でコース上に落ちたパーツを回収するため、2度目のセーフティカーが導入される。ストレート上ではクラスごとに順位の整列が行われ、チェッカーまでの超スプリントレースがスタート。
47周目レースリスタート。タイヤ無交換のLEON PYRAMID AMGにポールスタートのRUNUP RIVAUX GT-Rがここぞとばかりに攻め立てる。ピタリとテールを捕らえるもなかなか抜くまでには至らず0.5秒以内の差がつまらない。さらに後方には3番手のJLOC ランボルギーニ GT3も近づき、トップ3台はパック状態に。4番手以下も大きく離れているわけではないため、ワンミスが命取りになる展開だ。
レース全体の周回数で残り4周のタイミングで衝撃が。なんとV字コーナーで2番手を走行していたRUNUP RIVAUX GT-Rがストップしてしまった。チーム初のポールポジションを獲得し、表彰台も目前だっただけに悔しいリタイアとなった。
15時07分にチェッカーフラッグが振られ、GT300クラスの決勝レースはトップが59周で終了。LEON PYRAMID AMGが2020年シーズン初優勝を飾った。2位はじわじわとポジションを上げていたJLOC ランボルギーニ GT3が今季初表彰台を獲得、3位のSUBARU BRZ R&D SPORTはスタート前にはトラブルも抱えていたが見事走り切り、第2戦ぶりとなる表彰台を獲得。以下、4位にK-tunes RC F GT3、5位にHitotsuyama Audi R8 LMSという顔ぶれが並んだ。
終盤、5番手を走行していたPACIFIC NAC D’station Vantage GT3はファイナルラップでスロー走行。19位フィニッシュとなっている。
ポイントランキングでは優勝したLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟組が39ポイントとなり、今回7位フィニッシュで4ポイントを加算したGAINER TANAX GT-Rと同ポイントでランキング首位に並んだ。3位のSUBARU BRZ R&D SPORTがランキング3番手にアップしている。
2020年のスーパーGT第5戦は第1戦、第2戦が行われた富士スピードウェイに再び舞台を移し、10月3~4日に開催される。
from LEON PYRAMID AMGがタイヤ無交換作戦を完遂し、今シーズン初勝利。【第4戦もてぎGT300決勝】
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