スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は9月13日、第4戦が開催されているツインリンクもてぎで行われたGTA定例記者会見のなかで、10月3〜4日に富士スピードウェイで開催される第5戦から、5000人+αの人数で観客動員を行いたいとする考えを示した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スーパーGTでは2020年のシリーズ開催に向けて大幅にカレンダーを変更し、「絶対にシリーズから感染者を出さない」という強い意志のもと、独自の感染拡大防止策などを盛り込んだ『公式イベント開催に向けたロードマップ』、『新型コロナウイルス感染防止ガイドライン』を打ち出し、厳格な対策をとりながら第4戦もてぎまで開催してきた。
そのロードマップのなかには、当初は全戦無観客開催を予定し、新型コロナウイルスの感染収束状況や社会情勢を踏まえて、大会開催方式を段階的に見直すことが示されており、第5戦からは今後の対応を考えるという意向があったが、坂東代表は第5戦から「5,000人の観客を入れたい」という考えを示した。また、このラウンドからサポートレースとして、若手登竜門のFIA-F4も開催される予定だ。
この試みに向け、さらなる新型コロナウイルス感染拡大防止策もとられる。第5戦に先駆け、9月14日から3日間に渡って、スーパーGTに携わる関係者1,500名がPCR検査を受けることになるという。このタイミングの検査について坂東代表は、「2週間前にPCR検査の結果を出し、もし陽性者が出た場合、隔離であったり、チーム内で人員が少なくなった場合の入れ替えなどに対応するため」のタイミングだという。
なお、今回のPCR検査実施に関しては、「自動車に関連する企業が日本のモータースポーツを応援するという思いのもと、協力してもらって受けられる」ものだという。本来FIA国際自動車連盟の定める新型コロナウイルスの感染リスクを軽減する行動規則『FIA付則S項』には、FIAシリーズではPCR検査を受けることが求められているが、日本ではPCR検査は保険適用外で頻繁に受けられるものではないことから、JAFを通じてFIAへ一度検査を行い、さらに感染防止を行うことを伝え、理解を求めるという。
この観客動員に向けて、パドック内はPCR検査を受けた者しか入れない導線を組む。FIA-F4の関係者もスーパーGTのパドックには入れないほか、ピット棟2階のVIPラウンジも、PCR検査を受けていない人は入ることができない。また、第5戦から1台あたりのスタッフの人数が拡大され22名が入ることができるが、22名の範囲のなかでスポンサーのゲスト、またレースクイーンは2名まで入ることが可能。ただし、こちらもPCR検査を受けることが求められている。
PCR検査を受けたドライバーおよびスタッフと、ファンの導線をしっかりと分けるため、グランドスタンド裏に展示スペース等は設けられるものの、ステージイベント等は開催されない。これまでスーパーGTが厳しい感染拡大防止策をとりながら第4戦まで築き上げたものを守りながらの観客動員ということだ。
なお、坂東代表によれば第5戦富士におけるキャパシティは「5,000人+α」としている。政府は9月19日から、イベントにおける観客動員のキャパシティを拡大する方針を示しているが、GTAとして示した数字は5,000人で、イベントをオーガナイズする富士スピードウェイ側で、さらなる管理体制を敷けるならば『+α』が実現するという。これは今後の券売などの発表を待つ必要がありそうだ。また、第6戦以降も同様で、サーキット側の管理のキャパシティにより『+α』が決まっていくことになりそう。
今季のスーパーGTについては、GTA、そして各チームでロードマップに従いながら、苦しい状況のなかでなんとか第4戦までの開催を続けてきた。坂東代表をはじめ、すべての携わるスタッフの思いは「ファンの皆さんにレースを見せたい」というものだが、その思いがようやく上限を定めてのかたちながら、第5戦から実現することになりそうだ。
from スーパーGT:第5戦富士以降観客を動員して開催へ。まずは5000人+αを目指す
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