PACIFIC – D’station Racing
Race Report – 2020.08.24
http://dstation-racing.jp/pdf/2020/Dstation_sgt_2020_round3.pdf
AUTOBACS SUPER GT 2020 SERIES
Round.3 SUZUKA CIRCUIT
August 22 – 23 2020
Qualify : 22nd Race : 10th
粘りの追い上げが結実。総合力で今季2回目の得点を勝ち取る
新型コロナウイルス感染拡大の影響で大幅にスケジュールが変更され、富士スピードウェイで開幕から2連戦が行われた2020年のSUPER GT。第3戦からは舞台を移し、三重県の鈴鹿サーキットで行われることになった。富士とはまったく性格が異なるコースであり、事前にタイヤメーカーテストには参加していたものの、8月の酷暑のなかでのレースは誰も経験していない。
今回もPACIFIC – D’station Racingは、エースの藤井誠暢のパートナーとして、開幕2戦でアグレッシブな走りをみせてくれたケイ・コッツォリーノを起用する。ミシュランタイヤのパフォーマンスが鈴鹿というコースでどう発揮されるか、チームは期待をもって8月23日(土)の予選日に臨んだ。
気温32℃という酷暑のなか、午前10時にスタートした公式練習では、藤井がステアリングを握りコースイン。9周目には1分59秒412というベストタイムをマークすると、16周をこなしピットイン。コッツォリーノに交代すると、7周してふたたびピットへ。再度藤井が乗り込み、午後の予選に向け4番手と好位置で終えることになる。
今季の2戦では予選は比較的好調ではあったが、この鈴鹿はオーバーテイクが非常に難しく、グリッドは重要。午後2時30分からの公式予選に向け、藤井をQ1のアタッカーに据え挑んだ。
今回も組分けが採用されたQ1のB組に出走した藤井は、しっかりとタイヤを温めアタックするも、オーバーステアに苦しむことになる。1分59秒657という公式練習同様のタイムをマークするが、コンディションの変化かライバルのタイムアップもあり、B組12番手という結果に留まってしまう。Q2進出はならず、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は22番手から戦うことになった。
とはいえ、鈴鹿はレイアウトもタイトで、かつこの酷暑。レースは違う展開になるはずだ。迎えた8月23日(日)の決勝で、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3は22番手からスタートを切った。
気温32℃という暑さのなか、スタートドライバーを務めた藤井はポジションを守りながらオープニングラップを終えるが、GT300クラスの争いのなかでクラッシュが起き、1周目からセーフティカーが導入される。ただリスタート後も、いまひとつ藤井のペースは上がらない。スタート時に履いていたタイヤでは、いかに藤井と言えどバランスに苦しみ、下位のままペースを上げられないのだ。
コクピットの藤井とピットは連絡を取りながら、このままではロスの方が大きいと判断。早めのピットインを行うことを決断する。ところがGT500クラスが17周目に入ったころ、バックストレートでGT500マシンのパーツが落ち、レースはふたたびセーフティカー導入となった。
このセーフティカー明けとなる21周目、藤井はピットインし、コッツォリーノに交代する。非常に迅速なピット作業で藤井が履いていたものとは異なるタイヤを装着したPACIFIC NAC D’station Vantage GT3は、その後導入された3回目のセーフティカーの後、各車がピットストップを終えてみると、15番手まで順位を上げた。しかもコッツォリーノのフィーリングは良好だ。
他車のアクシデントやペナルティなどで、35周目には14番手、37周目には13番手へと順位を上げるコッツォリーノ。さらに41周目には#25 ポルシェをかわし11番手まで浮上する。さらに47周目、3番手を争っていた#55 NSX GT3が戦線を離脱すると、待望のポイント圏内となる10番手まで順位を上げた。
GT500のウイナーが目前でチェッカーを受けたこともあり、ファイナルラップのGT300クラスの混乱のなかさらなる順位アップはならなかったが、コッツォリーノは10位でフィニッシュ。貴重な1ポイントを持ち帰った。レース後、軽い熱中症になるほどの頑張りをみせたコッツォリーノと、藤井のフィードバック、そしてチームの総合力が生んだ得点と言えた。チームはさらなる順位アップを目指し、第4戦の舞台となる3週間後のツインリンクもてぎへ向け、改めて準備を進めていく。
COMMENTS
神野元樹
Motoki Jinno PACIFIC – D’station Racing Team Representative
公式予選まではタイヤとうまくコミュニケーションがとれていませんでしたが、決勝レースに向けてチームスタッフ、エンジニア、そしてドライバーがタイヤをしっかりと理解してくれたことがポイント獲得に繋がったのではないかと考えます。また今回のレースは、今まで以上にチームが一丸となって戦えたと感じています。次戦のもてぎに向けては、クルマは本当に調子がいいので、それにマッチしたタイヤを選ぶことができれば、良い結果が残せるのではないかと思いますので、しっかりと準備を進めていきたいですね。
星野敏
Satoshi Hoshino D’station Racing Team Principal
正直、公式予選では22番手だったのでポイント獲得は難しいと思っていましたが、チーム全員がノーミスでレースを戦ってくれたので、予選順位を考えるとある意味で最高の結果ではないでしょうか。タイヤについても試行錯誤していて、序盤は藤井選手が苦しみましたが、後半はケイ選手がうまくタイヤの性能を発揮してくれたと思います。予想以上の結果になりました。タイヤのことも少しずつ分かってきましたので、さらに順位を上げていければと思っています。皆さん応援ありがとうございました。
佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
やはり『あきらめないこと』は大切ですね。もともとあきらめずに頑張ろうとみんなでやってきていますが、ポイントを獲得できて本当に良かったです。今シーズンに向けてタイヤも変更しましたし、ひとつずつ試しながらやってきていますが、今日も試しながら戦ってきたレースでした。なんとなく“正解”が見えはじめている気がしますね。今回のレースも面白いレースでしたし、今後もさらに面白いレースを皆さんにお見せできるのではないでしょうか。僕もすごく期待していますよ!
藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
公式練習ではクルマのバランスも良かったのですが、選択するタイヤに悩み、公式予選でもオーバーステアに苦しみ、下位になってしまいました。さらにレースでも序盤のスティントはかなり苦しく、ペースが上げられない状態だったのですが、そこで早めにピットインし、違うタイヤでケイ選手に交代する作戦を採りました。ピットワークもすごく速かったですし、序盤のペースから考えると、ポイントを獲れるとは思っていなかったので、今回はチームの総合力のおかげで獲れたポイントではないでしょうか。次戦もさらに上を目指して頑張りたいですね。
ケイ・コッツォリーノ
Kei F Cozzolino Driver
前戦でお恥ずかしいミスをしてしまい、ポイントをチームにもたらすことができず悔しい思いをしていましたが、なんとか今回はそれを取り返したいと挑みました。予選は苦しい結果になり、ポイントは難しいかと思いましたが、藤井選手のレース序盤からのフィードバックがあったので、タイヤ選択が当たりいいペースで走ることができました。戦略も良かったですし、タイヤの選択や藤井選手の序盤の頑張りなど総合力があればこその結果だったと思います。次戦もアストンマーティンは強いと思いますので、いい結果が出ることを期待しています。
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from PACIFIC – D’station Racing 2020スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
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