FRプリウスで初ポールを獲得した嵯峨「中山選手のトップタイムに自分もビックリでした」/スーパーGT第3戦 GT300予選会見

 鈴鹿サーキットでの2020年スーパーGT第3戦の公式予選を終え、大逆転でのGT300クラス・ポールポジションを獲得したTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀と中山友貴が、2019年のデビュー以来、苦心の開発作業が続いて来たFRプリウスでの初ポールポジション獲得と決勝への展望を語った。

2020年スーパーGT第3戦ポールポジション会見
2020年スーパーGT第3戦ポールポジション会見

嵯峨宏紀
「まだ開幕3戦目ですけど、去年と比べて劇的にマシンを進化させることが出来たので、(3月の)岡山での最初の合同テストのとき2番手だったかな? そんなタイムを出したりもして、かなり手応えは感じていたんです。ところが開幕2戦に関しては流れと言いますか、噛み合わない部分が多くてですね……。なかなか結果が残せず、『チャンピオンシップを考えても厳しいな~』と思ってたんです」

「でも今回、こういう形でひとつ結果を残すことができたので、今まで長くプリウスを開発して来たドライバーとしてはホッとしている部分もあります。明日に向けて『また頑張らないと、気合を入れ直さないといけない』とか、いろんな思いが今、交錯してるような状態ですね」

「予選はQ1で中山選手がすごく良いタイムで走ってくれて、逆に僕の方はすごくプレッシャーが掛かってしまって『どうしようかな』と思いながらのアタックでした。フリー走行の状態からですと、少し雲行きが怪しくて。『Q1通るのも難しいんじゃないか』なんて思っていたので『よし、中山選手がQ1ね』なんて言ってたんですけど(笑)、まさかのトップタイム」

「自分もビックリでしたが、そうなればもうクルマのパフォーマンスが良いというのを証明してくれたようなものなので、頭を真っ白にして何も考えずにプッシュするだけでした。そういう状況を作ってくれたチームと中山選手に感謝したいと思います」

「もともと鈴鹿の特性はタイヤに厳しい。それに今週はこの猛暑ということで、より一層路面温度も高くて、タイム的にも厳しい状況なんですね。タイヤ交換義務のあるなし、というよりも、今回のコンディションで無交換でいけるタイヤを持っているチームがあったら、それはかなり有利だろうな、と思います」

「僕らが交換するかしないかは、まだ明かせませんが、富士で無交換で行けたから、といって鈴鹿でも行ける、というのはまったくないです。それに加えて、JAF勢は今回給油リストリクターが復活するので、給油にも時間が掛かってしまいます。なので仮に前の方で良い展開が作れたとしても、おそらく逆転されてしまう。いずれにしても給油でかなり時間を食ってしまうのは間違いないです」

「できれば明日も、こんな状況でトップから逃げることができればいいんですけど、周りも猛者ばっかりなので、そんなに甘くはないと思います。そこは今日、チームと戦略を練って、いい準備をしたいと思います」

「本来であれば、たくさんのお客さんが入っているなかでレースをしたいってのが僕らの気持ちとしてはありますが、こういう状況ですしね。久々にプリウスのポールポジションなので、テレビの前でぜひ応援してほしいと思いますし、僕らもその応援に応えられるようにレースの最後の1周まで気を抜くことなく頑張っていきたいと思います」

■中山「明日は暑さで僕の体力が持つかの方が心配です(笑)」

2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 中山友貴
2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 中山友貴

中山友貴
「まずこの大会が無事開催されてレースができることに非常に感謝していますし、厳しい状況が続いている中、僕たちがこうしてレースできるということは本当にうれしいし、非常にありがたい気持ちで一杯です」

「今回ポールポジションを獲ることが出来ましたが、僕たちは去年から新型車両を投入して、クルマの中身から外観からすべて新しい車両でのチャレンジが始まりました」

「僕が加入した当初、昨季は非常に難しい戦いを強いられ、なかなか思うようにいかないままシーズンが終わってしまった。でもオフから今年にかけてクルマの開発を非常に頑張ってくれて、開発陣やスポンサーさん、すべての方たちが一生懸命に手を施してくれたおかげで、クルマにはかなりスピードが戻って来ました」

「最初の2戦は少しトラブルなどが出て、上手く噛み合わない部分もあり結果が残せていなかったんですが、僕自身もこの鈴鹿は得意としていて意気込んでいましたし、フリー走行であまり手応えが良くなかった部分をチームが改善してくれて、非常に良い感触のなかでQ1のタイムアタックを走ることができました。個人的には『もう少しタイムが上げれたらな』と、いろいろと思うところはあったんですけど、帰って来て見たらQ1トップだったので、そこは素直に、非常にうれしかったですね」

「明日はタイヤよりも、暑さで僕の体力が持つかの方が心配です(笑)。鈴鹿サーキットは本当にクルマにもキツいし、タイヤにも厳しいサーキットなので、基本はタイヤ交換して速く走り続ける、ってのがいいんじゃないかとは思いますけど。ただ戦略的に(ルールなし)は幅が出るんで、全員平等に戦えるからいいんじゃないかなと思います」

「久々にポールポジションからスタートできますし、一番優勝に近いポジションからレースを進められるんで、嵯峨選手とふたりでaprの強さというか底力をレース結果で見せたいと思っています。最後までプッシュしたいと思いますので、是非どうぞたくさんの声援をよろしくお願いします」



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