arto Ping An Team Thailand
2020 スーパーGT RACE REPORT
第3戦 鈴鹿サーキット(三重県)
arto Ping An Team Thailandは、8月22日~23日、三重県/鈴鹿サーキットで開催された2020スーパーGTシリーズ第3戦に参戦しました。第2戦同様、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入出国規制のためドライバー登録していたショーン・ウォーキンショーとナタポン・ホートンカム及びチームスタッフが来日できないため、前回に引き続き佐々木雅弘と堤優威を起用し、日本側スタッフのみでチームを編成しての参戦です。
■公式予選
22日(土)、午前中から薄い雲を通して真夏の太陽が照りつけるコンディションとなりました。公式練習ではまず、堤がコースイン、快調にタイムを縮めて出走30台中10番手につけて後半佐々木にステアリングを引き継ぎました。佐々木はタイム更新こそなりませんでしたが、ロングラン時のパフォーマンスを確認しながら安定したペースで周回を重ね、走行を終えました。最終的にタイム順は出走30台中16番手、トップタイムから1秒153差でした。
午後2時30分からの公式予選Q1セッションは、A組、B組に分けて行われました。arto Ping An Team ThailandはBグループに振り分けられて10分間のタイムアタックを行いました。ステアリングは堤が握ってコースイン、タイムアタックを行いました。
2周をウォームアップに使ってタイムアタックに入った3周目、堤はセクター4で全体ベストタイムを記録して1分59秒545の7番手につけました。しかしその後堤のタイムを上回った選手が出たため順位は下がり、セッション終了の段階で順位はB組10番手となってQ1突破はならず、スターティンググリッドは20番手と決まりました。堤のタイムはトップから0秒634遅れ、Q1セッションを突破できる足切りラインの8番手にはわずか0秒149遅れでした。
■決勝レース
23日(日)は、天候悪化の予報もありましたが鈴鹿サーキットは快晴となりました。チームは前日の結果を考慮して決勝レース用セッティングを施しましたがスタート前のウォームアップ走行では思い通りの感触が得られず、元へ戻す方向で微調整を行ってスタートに備えました。
レースは午後1時にスタートしました。気温は30度を超え前日よりも過酷な条件です。チームはスタートを堤にまかせ、できるだけ周回数を稼ぐ作戦をとりました。スタート直後に発生したアクシデントでオープニングラップからセーフティーカーが介入、5周目から再スタートが行われ、堤は1台がアクシデントで脱落したため19番手のポジションでレースを始めました。
堤のペースは良く、前のマシンに迫りますがオーバーテイクには至りません。上位のマシンがドライバー交代を始める中、堤は当初の作戦通り周回を続け、見かけ上の順位は繰り上がり6番手となってレースの折り返しを迎えました。チームはさらに周回を稼ぐ予定でしたがちょうど後方からGT500クラスの上位争いをしている集団が接近してきたこともあり、タイムロスを避けて予定より早く堤にピットインの指令を出し、堤は26周を走ってピットへ戻り佐々木に交代しました。
タイヤ交換と給油を済ませた佐々木がコースに戻ると、まだドライバー交代をしていないマシンが先行し、見かけ上の順位は25番手へ下がりましたが、その後ピットインしたりレースから脱落したりする上位車両が出るとともに、36周目には19番手、39周目には18番手、40周目には17番手、41周目には16番手と順位は繰り上がっていきました。レース終盤、佐々木はタイヤ消耗に伴って生じたオーバーステア傾向に苦しみながらコンスタントに周回をまとめ、最終的にはGT300クラストップから1周後れの15位でチェッカーフラッグを受けました。この結果、チームは完走ポイント3点を獲得しました。
■正式結果
公式予選 クラス20位(出走30台) Q1:1分59秒545
決勝 クラス15位(出走30台) 1周後れ
■コメント
Aドライバー:堤優威
「富士で感触が良かったセッティングを元に走り始めました。予選ではタイヤの暖め方が足らなくて一番おいしいラップのセクター1が伸びませんでした。目標としていた59秒真ん中というラップタイムは達成できたんですがライバルがやはり速くてQ1突破できなかったのは悔しかったです。決勝ではウォームアップで少し変えたセットを試したところあまり良くなかったので戻す方向で決勝に臨んだら少し戻しすぎた感じでした。自分のペース的には前が詰まってなかなかクリアで走れなかったんですが、単独になったときには結構良いペースで走れたので予選の結果が残念です。あとコンマ2上げればずいぶん違う結果になったと思います。でもいいところまで仕上がってきていると感じるので、あと少しでポイントも獲得できるのではないかと思います。今回のレースは、ぼく自身いろいろ勉強もできたしチームにとってもいろいろ収穫があった週末でした」
Bドライバー:佐々木雅弘
「無事完走しましたが課題がいろいろ見えました。昨日からぼくはロングランを担当させてもらって良い方向性も見え、決勝レースに向けてアジャストしたところ、ウォームアップで試したらあまり良い感じにならず、急遽アンダーステアを消す方向へアジャストし直してレースに臨んだんですが、路温がどんどん上がって外れてしまいました。交代した後コースに戻った段階ではタイヤもクルマも元気だったんですが、遅い車に引っかかって、それをオーバーテイクしようとしていたらタイヤをヒートさせてしまったようで、そこからペースがいまいち上がらなくなってしまいました。ちょっとセッティングを攻めすぎたのかも知れません。完走という意味では満足できる結果でしたが、いろいろとわかったこともあるので、ミーティングをして今後に向けたデータを残そうと思っています」
チーム監督代行:松浦祐亮
「コンマ1秒が足りずQ1を突破できなかったのが残念です。Q2に行けていれば大きく結果は変わっていたと思います。クルマのセット、タイヤの使い方などもう少しうまくやればQ1通れたのにと悔いが残ります。予選にしても決勝にしても、去年までと大差ない数字しか残りませんでしたが、前を走っているチームとの差はかなり縮まったと実感します。あとコンマ1秒、2秒でポジションは大きく変わると思います。もちろんそれが難しいんですが、今まではコンマ5秒以上足りなかったのに比較すれば大きな前進です。今回の結果を分析して今後につなげたいです」
チーム監督:ステポン・サミタシャ(Suttipong Smittachartch)
「15位完走はうれしい報せでした。早く日本へ行って、ファンのみなさんの前でレースをしたいと思っています。そのときは応援をよろしくお願いします」
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