7月19日、富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第1戦『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』。レースはこの一戦がデビューとなるトヨタGRスープラ勢がトップ5を占める強さをみせ、平川亮/ニック・キャシディ組KeePer TOM’S GR Supraが優勝を飾った。これで、トヨタ/レクサスの車種別のデビューレースでは、トムスが4連続で優勝を飾っている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が大幅に遅れ、無観客開催という状況のなかながら、ファンはもとより関係者も待ちに待ったスーパーGT第1戦。今季からGT500クラスでは、全車がDTMドイツ・ツーリングカー選手権との共通規定であるクラス1規定を採用し、3メーカーがニューマシンを投入したが、なかでも注目と言えたのがトヨタGRスープラだ。
他2メーカーとも新車であり、勝利が欲しいところではあったが、やはりメーカーにとって重要なのは、新車種におけるデビューポールポジション、そしてデビューウインだ。これまでもニッサンで言えばR35 GT-Rのデビュー戦(2008年)、ホンダで言えばHSV-010(2010年。この時は特にポールポジションが重要視された)がそれにあたる。トヨタにとっては『スープラ』という名を冠したクルマがスーパーGTに復帰するにあたってのデビューレースであり、勝利は至上命題と言えた。
新型コロナウイルスの影響でワンデー開催となったスーパーGT第1戦富士では、事前から速さに定評があったホンダNSX-GT勢をおさえ、平川/キャシディ組KeePer TOM’S GR Supraが見事ポールポジションを達成。レースでも強さを発揮し、KeePer TOM’S GR Supraがポール・トゥ・ウイン。さらに僚友au TOM’S GR Supraが続き、トムス勢がワン・ツーを達成し、さらにトップ5を占める強さをみせた。
また、GT300クラスではSAITAMATOYOPET GB GR Supra GTがデビューウインを達成。まさにGRスープラ一色と言える開幕戦で、トヨタ自動車豊田章男社長も「『スープラ』という車名のサーキット復帰を最高の形で果たしてくれました。ドライバーのみんな、チームのみんな、スポンサーの皆さま、応援してくださったファンの皆さま、本当にありがとうございました!」と祝福のメッセージを寄せている。
そんなスーパーGT第1戦富士でのKeePer TOM’S GR Supraの優勝だが、トムスにとっては新車種における4連続の“デビューウイン”を達成することになった。トヨタはスーパーGTの前身であるJGTC全日本GT選手権時代の1994年からスープラをGT1/GT500クラスに投入しているが、2006年から車種をレクサスSC430にスイッチした。
この年、開幕前は不調が囁かれており、第1戦鈴鹿ではポールポジションこそ伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組ARTA NSXに譲ったが、決勝では強い風のなか、脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組OPEN INTERFACE TOM’S SC430がデビューウインを達成。この年はチャンピオンも獲得している。
2009年からの規定ではSC430が継続使用されたが、新たにレクサスRC Fが投入されたのが2014年。この年は新規定初年度で、車種としてはニッサンがGT-Rを継続、ホンダがNSXコンセプト-GTを投入したが、大苦戦していたホンダ勢を後目に、第1戦岡山では伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組KeePer TOM’S RC Fが優勝。RC Fのデビューウインを飾った。
2017年には、その年からの規定に合わせレクサスはLC500を投入するが、第1戦岡山では高い完成度をみせたLC500勢のなかでのトップ争いを制し、平川/キャシディ組KeePer TOM’S LC500が予選3番手から優勝を達成。ふたりはこの年のチャンピオンも獲得している。
今回のGRスープラの優勝で、車種で言えばトムスは4連続デビューウインを達成することになった。TOYOTA GAZOO Racing勢は今も昔も、どのマシンが優勝を飾ってもおかしくない陣容だが、トムス勢がこうしてデビューウインを続けるのは、決して偶然ではないだろう。また、37号車が3連続を達成しているのも興味深いところだ。
from スーパーGT:トヨタ/レクサスの“車種別”デビューウインはトムスが4連続を達成
コメント
コメントを投稿