■2020年 スーパーGT 第1戦 富士スピードウェイ[GT500]
平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S GR Supra/BS)がポール・トゥ・ウイン。ファステストラップも叩き出し、一度も首位を明け渡すことなくパーフェクトで開幕戦を制す。
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2020年07月19日(日)~2020年07月19日(日)
2020年のオートバックスSUPER GTシリーズは、新型コロナウイルスの感染防止のためにスケジュールが大幅に変更され、約3ヶ月遅れて富士スピードウェイで開幕した。無観客のワンデーイベントで、午前中に予選、午後に300キロの決勝が行なわれた。
今年デビューしたトヨタのGRスープラを駆る平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S GR Supra/BS)は、予選でチームとして5回目のポールポジションを獲得、決勝ではスタートから後続を引き離す展開で2回のセーフティカー導入後のリスタートでもトップを一度も明け渡すことなくパーフェクトな展開で優勝。GRスープラのデビュー戦に華を添えた。決勝のトップ6まではブリヂストンタイヤ装着車。1位から5位までGRスープラが独占した。
<予選>
梅雨の真只中で天気予報では雨が予想されたが、予選が行われる早朝から雨は止み、路面はハーフウエット状況から始まり、時折覗く青空から陽が差し込んで、一気に路面は乾いていった。
10分間のQ1でホンダのNSX、野尻智紀/福住仁嶺(ARTA NSX-GT/BS)がトップに立ち、おなじくNSXの山本尚貴/牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT/BS)が続いた。
Q1を突破した8台の内6台がブリヂストンユーザーで占められていた。おなじく10分間のQ2でトップタイムを叩き出したのは平川/キャシディ組。コースレコードを更新してポールポジションを獲得。
2番手に野尻/福住組、3番手に関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(au TOM’S GR Supra/BS)。トップ3まではコースレコードタイムを更新した。決勝グリッドのトップ6にはすべてブリヂストン装着車たちが位置した。
<決勝>
午後になって気温が一気に上昇、路面温度は40度近くまでになった。決勝のオープニングラップに後続で接触があり佐々木大樹/平峰一貴(カルソニック IMPUL GT-R/BS)がサスペンションを大破してストップしてしまった。車両の回収まで5周を費やされ、6周目からリスタート。
トップの平川/キャシディ組はトップを堅持して後続を引き離しにかかった。第一スティントを担当したキャシディは、ファステストタイムも叩き出して快走、2番手に上がった関口/フェネストラズ組に13秒以上の大差をつけて平川に交代して戦列に復帰。以後なおも差を開いて20秒以上の大差をつけた。
その直後に2回目のセーフティカーが導入され差は無くなってしまったが、2度目のリスタートも危なげなくトップをキープして66周を走り切ってゴール、開幕戦でパーフェクト優勝を飾った。
<優勝ドライバーのコメント>
平川亮選手
「交代してコースインした直後は20秒くらいリードしていたのにセーフティカーが入って、そのリードが無くなってしまったのは辛かったですね。しかし、リスタートからまたリードを広げられて優勝できました」
「シーズンオフにTOYOTA GAZOO Racingやブリヂストンの皆さんと苦労して開発してきて、結果を出せたので嬉しく思います。次戦はウェイトが積まれますけれど、GRスープラのパフォーマンスを再び発揮できるように頑張ります」
ニック・キャシディ選手
「今日の優勝はスーパーハッピーだ。TOYOTA GAZOO Racingやクルマを仕上げてくれたTOM’S、そして素晴らしいタイヤを用意してくれたブリヂストン、皆の努力が今日の結果に結びついたのだと思う」
「ポールポジションを獲得、優勝、そしてファステストラップも叩き出すことができてパーフェクトな1日だった。シーズンは始まったばかり。これからもこの調子でポイントを積み重ねていきたい」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「トムスチームのワンツーフィニッシュおめでとうございます。そしてトヨタさんの新型GRスープラの優勝とトップ5独占、上位6位までをブリヂストンの装着車が締めるという結果で開幕戦を終えることができました」
「開幕戦まで従来のシーズンとは異なる状況のなかでも準備を怠らず、各チームに対して的確なタイヤを供給できた結果と判断します。それによって路面温度が一気に上昇しても問題なく対応できました」
「第2戦もおなじく富士スピードウェイで行われますが、コンディションが変わり、各車にウエイトハンディが積まれることになり、また新たな展開が予想されますが、今回の結果も含めておなじく各チームを力強くバックアップできるように努力を続けます」
■2020年 スーパーGT 第1戦 富士スピードウェイ[GT300]
ポールからスタートした蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)がピットストップで痛恨のタイムロス。序盤に2位へ順位アップしていた吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)がチーム初優勝を飾る。
3ヶ月遅れで開幕した2020年オートバックスSUPER GTシリーズの第1戦は富士スピードウェイで開催され、ワンデーレース、予選と決勝を同日におこなった。
ポールポジションからスタートした蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)は、序盤でトップポジションを奪われたが17周目にトップのポジションを奪い返した。しかし、ピットインした際のタイヤ交換作業に手間取ってタイムロス、順位を下げてしまった。
4番手スタートから序盤で2位へ上がっていた吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)がトップに立つとそのまま首位を守ってゴール、GT300クラスのGRスープラのデビューウイン。そしてチームにとって初優勝を飾った。
<予選>
29台がエントリーしたGT300クラスは、昨年のランキング順にA、Bクラスに別れて予選を行った。天気予報に反して天候が良くなって、予選開始時点では曇り、コースはハーフウエットから一気にドライへ変化して行った。Q1の両グループトップ8台がQ2に進出。
Q2、16台で行われたタイムアタックでトップに立ったのは蒲生/菅波組。これに、平中/安田組が0.31秒差で2番手。そして、3番手には加藤寛規/柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス/YH)がつけた。僅差のクラス上位陣の中で吉田/川合組は4番手から決勝をスタートすることとなった。
<決勝>
スタート直後に起きたGT500クラス車両のアクシデントで1周目からセーフティカーがコースイン。6周目からレース再開。リスタートで平中/安田組がトップに立った。蒲生/菅波組は2位につけ、その背後に4番手スタートの吉田/川合組が積極的に序盤から順位アップして来ていた。
17周目に蒲生/菅波組と吉田/川合組が同時に順位アップ。ブリヂストン装着車がGT300クラスのワンツー体制となった。24周してトップの蒲生/菅波組がピットイン。左側前後のタイヤ2本を交換。その際にリヤタイヤの交換作業に手間取って大きくタイムロス、順位を下げてしまった。
これでトップに立った吉田/川合組は30周してピットイン。タイヤ無交換作戦を敢行、トップポジションを守ってレースに復帰。終盤ではタイヤマネージメントを行いながらの走行となり、後続のマシン達が必死に追い上げリードの幅が狭まる展開となったが、これを振り切ってチームにとっての初優勝を飾った。
<優勝ドライバーのコメント>
吉田広樹選手
「これまで、富士では勝てそうで勝てないレースがありました。開幕戦を迎えて正直、勝てるとは思っていませんでした。(川合)孝汰がGTデビューレースで頑張ってくれましたし、普段はディーラーで整備をしているメカニックさん達も素晴らしい仕事をしてくれました」
「タイヤ交換の作業ミスのリスクを排除してタイヤ無交換の作戦をとりました。ブリヂストンさんのタイヤが最後まで素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたお陰で優勝できました。感謝しています」
川合孝汰選手
「昨年までFIA-F4に参戦して、今年GT300クラスにステップアップして、いきなり勝てて本当に嬉しいです。吉田さんに『あまり頑張り過ぎるなよ』と声をかけていただいてリラックスしてレースに臨めました」
「埼玉トヨペットの平沼社長をはじめ、メカニックさん達に支えられて勝つことができました。そして、無交換作戦を成功させてくれたブリヂストンさんのパフォーマンスによって勝つことができました。ありがとうございます」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「このところGT300クラスでは、タイヤ無交換作戦ができるかどうかは勝敗に大きく影響します。状況変化のなかで各チームさんと話し合って作戦を支えています。LEONさんはパフォーマンスの低下を考慮して左側2本の交換をアドバイスさせていただきました」
「そして埼玉トヨペットさんは無交換作戦。GT300クラスデビューしたGRスープラは、タイヤとのマッチングも良く、最後まで安定したパフォーマンスを発揮することができました。チームにとっての初優勝おめでとうございます」
from ブリヂストン 2020スーパーGT第1戦富士 レースレポート
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