2020年、通算24年目のスーパーGT参戦となるZENT GR Supraの立川祐路。ドライバーを務めながら2019年からはTGR TEAM ZENT CERUMOの総監督に就任、さらに今季からはTGR TEAM WAKO’S ROOKIEでも総監督を務める。新型コロナウイルス感染拡大の影響でスーパーGTがなかなか開幕しない中でのレーシングドライバーの暮らし、そしてトヨタGRスープラの仕上がり、2チームの総監督として迎える2020年シーズンについて話を聞いた。
■「レーシングカーには1ヶ月乗っていません」
新型コロナウイルスの影響で、スーパーGTは7月開幕予定となっているものの、3月の富士公式テストが開催中止となった後、なんのテストも行われていない。選手によってはSNSやYoutubeで発信を行っているが、立川はどんな生活を送っているのだろうか……?
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Q:富士公式テストが中止になった後、立川選手はどんな日常を送っていらっしゃるのでしょうか?
立川祐路(以下YT):僕たちレーシングドライバーの場合は、家でテレワークするというわけでもなく、サーキットに行けないと何もできないですからね。いまは『何もすることがない』という日常です。どこかに出かけるわけにもいかないので、ゴハン食べて、寝て、子どもと遊んでの毎日です(笑)。ちょっと庭でバーベキューしたりね。
Q:トレーニングなどは何かされているのですか?
YT:ちょっと運動はしています。この先いつまで休みになってしまうかは分からないですし、何ヶ月も何もしていなかったらナマってしまうので。そうならないようにしないといけないです。
Q:クルマも乗っていないのですか?
YT:レーシングカーには1ヶ月乗っていないですし、自家用車もほとんど乗っていないです。仕事は当然ないですし、無駄な外出もしていないので……。家族みんなで遊びに行きたくなる気持ちもあるんですが、それは良くないですからね。新型コロナウイルスを早く収束させることが、早くレースができるということにも繋がりますし、自分たちのためでもある。いまはジッとしているのが仕事です(笑)。
Q:シミュレーターなどもされていないんですか?
YT:ふだんはTRDの開発用シミュレーターをドライブしていましたが、当然TRDに行かなければならないですし、密閉空間ですからね……。今はやっていないです。何もしていないので、何も言うことがないですね(笑)。
■GRスープラの仕上がりの良さがあだに?
なかなかシーズンが始まらない状況ではあるが、3月14〜15日に行われた岡山公式テストでは、2日目のセッション4ではトップタイムをマークするなど順調な仕上がりをみせている印象を受けたZENT GR Supra。テストの状況と、今季から2チームの総監督となることの効果について聞いた。
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Q:では、3月の岡山公式テストの話にしたいと思います。ここまでのZENT GR Supraの仕上がりはいかかですか?
YT:いいですよ。これまでTRDの開発車両でずっとテストをしてきて、そのセットアップをベースにして自分たちのクルマも進めていますが、当然38号車の仕上がりにいい手ごたえはあるんですが、開発車両のGRスープラの完成度が高かっただけに、スープラ勢はどのチームもいい状態なんです。そこからひとつ抜けだそうとすると、逆に大変だなと(笑)。
Q:他メーカーのライバルはどう見てらっしゃいますか?
YT:ホンダ勢はかなり速いと思っています。もちろんニッサン勢も、まだトラブルが多かったようで距離を稼げていないから、まだ分からないですね。
Q:2019年から総監督になったTGR TEAM ZENT CERUMOに加え、今年からTGR TEAM WAKO’S ROOKIEの総監督を兼ねるかたちになっています。プラスの効果はありますか?
YT:もちろんありますね。セッティングの面でも情報を共有することにしています。セットアップ自体はエンジニアもドライバーも違うので、作業の進めかたは異なりますが、タイヤだったり、セットアップの方向性のトライなど、情報としてお互いにプラスになる。ここまで数回しかテストできていませんが、プラスになると思いますね。あとは、精神面での効果があると思います。38号車のメンバーと、昨年まで別チームだった14号車のメンバーと、お互い負けるわけにはいかないという気持ちの面がいまのところ良い方向にいっています。これが悪い方にいかないようにしないといけませんが。
Q:そこは総監督としての仕事ですね。
YT:そうですね。そこに総監督がいるという意味があると思います。もちろん細かいセットアップや進め方などは、自分もドライブしているのでコントロールはできませんが、チームとしてどういうスタンスでやるか、どういう雰囲気を作るかは気を遣うべきところだと思います。せっかく一緒にやるので、プラスにしなければいけません。テストでは順調にいっていたので、早くレースをしたいと思っていたんですけどね……。だから今の状況は残念ですけど、仕方ない。今はジッとすると(笑)。
Q:では最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
YT:いまはファンの皆さんの前でレースをみせることができませんが、レースが再開されれば、いい戦いをみせたいと思っています。それまでなんとかお待ちください。自分も待ちます(笑)。
from スーパーGT:「ジッとしているのが仕事」コロナ禍のなかでの立川祐路の日常とシーズンへ向けて
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