新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第24回目は、GT300クラスに参戦するTEAM UPGARAGEだ。
■TEAM UPGARAGE
マシン:UPGARAGE NSX GT3
ドライバー:小林崇志/松浦孝亮
カーナンバー:18
監督:石田誠
タイヤ:ヨコハマ
2019年からホンダNSX GT3でスーパーGT GT300クラスに挑んでいるTEAM UPGARAGE。小林崇志と松浦孝亮という、GT500優勝経験をもつふたりのドライバーはGT300でも強力なのは間違いなく、2019年のランキング22位という結果はチームにとっても周囲にとっても納得いくものではない。2020年は捲土重来の一年にしたいはずだ。
そんなTEAM UPGARAGEは、ご存知のとおり中古カー用品店のアップガレージが母体。1998年に株式会社オートフリークの中古カー用品販売部門が独立し、東京都町田にて創業。1999年4月に1号店としてアップガレージ町田店がオープンした。この『UP GARAGE』という名の『UP』は“Used Parts”の頭文字であり、「リユース・リサイクル品を通じてお客様のライフステージのアップ、地球に優しいエコロジーに貢献していきたい」という思いがこめられているのだという。
アップガレージの店舗は続々と増え、2009年には前田謙を擁してD1グランプリに参戦を開始した。サーキットでも大人気のレースクイーンユニットだったドリフトエンジェルスもこの年に誕生している。このD1への挑戦は、当時チューニングメーカーのワークスが参戦していたD1で、アップガレージらしく「中古パーツを使って、ワークスチームを倒そう」というコンセプトのもとに始まり、中古パーツでチューニング。アップガレージの社員でチームが構成された。
チームはさらに2010年には日比野哲也を擁し大きくランキングを上げ、さらにGTドライバーの片岡龍也を起用し『Team UP GARAGE with BANDOH』としてD1ストリートリーガルに挑戦。片岡は翌年D1GPにも参戦し、TEAM UPGARAGEはドリフト界にその存在感をみせつけた。
その勢いのまま、2015年にはこの年初登場だったGT300マザーシャシーの86 MCを使い、スーパーGTに初挑戦を果たす。チーム名は『TEAM UPGARAGE with BANDOH』。レーシングプロジェクトバンドウとのコラボで、RS中春がメンテナンスを担当した。
この初年度は、中山友貴が全戦でドライブしたが、パートナーは井出有治、マルコ・アスマー、佐々木孝太となかなか定まらず。ちなみに第6戦鈴鹿ではニック・キャシディも乗り込んだ。翌年は中山と若き山田真之亮のコンビに。2017年は中山と川端伸太朗がドライブした。
2018年からは、TEAM UPGARAGE独自のチームとなり、中山と小林崇志のコンビとなるが、第1戦岡山でこのコンビがいきなり魅せた。タイヤ無交換作戦をドライバーふたりがきっちりと遂行し、悲願のチーム初優勝を飾っている。また、この年は井口卓人を加え、鈴鹿10時間にも挑戦している。
そんなTEAM UPGARAGEのカーナンバーは、2015年にドライバー交代が多かったため第7〜8戦で『20』を使ったことをのぞけば、すべて『18』が使われている。実はチームでは、2015年に86 MCを使うことに加え、D1でも使用していたことから『86』を希望していたというが、Audi Team Racing Techが使用していたため、使用できなかった。
そのため、タッグを組んだバンドウの『19』との続きの番号である『18』を使用した。勝負師としての「一か八か」、さらに野球でのエースナンバーということもあり決定したのだとか。
2020年に向けては、新たにメンテナンスをセルブスジャパンが担当。新たな体制で臨むことになる。TEAM UPGARAGEがさらなる飛躍を遂げる一年になるはずだ。
from 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:TEAM UPGARAGE
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