新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第14回目は、GT300クラスのTEAM MACHだ。
■TEAM MACH
マシン:マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号
ドライバー:坂口夏月/平木湧也
カーナンバー:5
監督:玉中哲二
タイヤ:ヨコハマ
いまやスーパーGTでは欠かすことができない、『マッハGoGoGo』の主役マシン『マッハ号』を模したカラーリングのマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号。若き坂口夏月と平木湧也のふたりを擁し、切れ味ある活躍をみせるTEAM MACHは、今も第3ドライバーとして名を連ねる玉中哲二監督が2003年に立ち上げたTEAM B-1がルーツだ。
1962年5月生まれの玉中監督の人生については、小社刊の『直観レーサー玉中哲二 マッハ車検物語』に詳しい。北九州市小倉で生まれ、少年時代は暴走族のリーダーとして仲間とバイク、クルマを愛する青春を送っていたが、四度の鑑別所送りの後、母のひと言で一念発起。20歳からさまざまな稼業を手がけ大逆転の人生を歩み始めた。
そんななか、「軽いノリ」で出たカートのタイムトライアルでトップとなり、レースをやろうと自動車販売会社『ビーワン』を創業。一気に売上を伸ばす一方、地元オートポリスを舞台にジュニアフォーミュラで数多くのタイトルを獲得。1996年には、異色のステップアップながらフォーミュラ・ニッポンに参戦。2001年まで参戦していた。
ビジネスマンとして会社を大きくしていく一方、2002年に少年時代から大好きだった『マッハGoGoGo』がタツノコプロの40周年記念プロジェクトとして、当時のJGTC全日本GT選手権に参戦するA&S RACINGのマシンカラーリングとなることが決定。玉中監督はドライバーとしてBANPRESTO CAR倶楽部 マッハ号MTをドライブした。
このプロジェクトは、参戦2年目に拡大を遂げる。A&SのモスラーMT900Rを、アニメに登場する『覆面レーサーX』のカラーリングに変更。新たにマッハ号を走らせることになるのだが、これをTEAM B-1として担当することになった。もちろん、カーナンバーはマッハ号の『5』だ。
玉中監督はドライバーとして参戦する一方、ヴィーマックRD320Rを購入する。ところが、参戦資金として予定していたスポンサーのドタキャン事件が発生。TEAM B-1で1億円以上を負担することになってしまう。
しかし、ピンチをチャンスに変えたのが玉中監督。タツノコプロから『マッハGoGoGo』を使って資金を集められないか? という提案があった。この『マッハGoGoGo』の親しみやすさと、玉中監督が目を付けていた立会車検のシステムを使って生まれたのが『マッハ車検』。いまや全国に支店を構える一大チェーンとなった。
2004年からはチーム名もTEAM MACHとなり、ヴィーマックやフェラーリ、ニッサンGT-RニスモGT3を走らせた。2015年からは、いち早くGT300マザーシャシーのトヨタ86 MCを投入。2019年の第3戦鈴鹿では、坂口と平木のクレバーな走りで、うれしい2位表彰台も獲得。このときの玉中監督の笑顔も実に印象的だった。
玉中監督のバイタリティにより大成長を遂げ、ビジネスでもレースでも活躍する『マッハ』とカーナンバーの『5』。2020年は、どんな活躍をみせてくれるだろうか。ちなみに玉中監督によれば、新型コロナウイルスの影響でチームスタッフが心配なところだが、車検については「必ず来るもの」であり、しかも買い換えを控え車検を通そうという人も多いことから、マッハ車検は堅調だとのことだ。
from 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:TEAM MACH
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