新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から3戦が延期となってしまった。ただ開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第6回目は、GT300クラスに参戦するModulo Drago CORSEだ。
■Modulo Drago CORSE
マシン:Modulo KENWOOD NSX GT3
ドライバー:道上龍/ジェイク・パーソンズ
カーナンバー:34
監督:チョン・ヨンフン
タイヤ:ヨコハマ
長年スーパーGTはもちろん、さまざまなレースでトップドライバーとして活躍してきたレーシングドライバー、道上龍。2000年にはCastrol無限NSXを駆りGT500チャンピオンを獲得したが、2013年までEpson HSV-010をドライブしたものの、2014年はGT300にスポット参戦した以外はドライバーとして活動を行っていなかった。
そんな2014年、道上にチーム立ち上げの話が浮かんだ。チーム名はどうしよう……? と道上は悩んだという。その時の候補は『MICHIGAMI RACING』や『DRAGON SPEED』等々。「『MICHIGAMI RACING』はなんだか『NAKAJIMA RACING』っぽいですし、『DRAGON SPEED』は海外にもありますしね(笑)」と道上は当時を振り返りながら教えてくれた。
2014年7月、スーパーGTのSUGO戦のとき、道上はポンとチーム名が浮かんだという。道上の実家は、カートショップの『トレンタクワトロ』。これはイタリア語で『34』という意味だが、そこでイタリア語に合わせ、“龍”を意味する『Drago』、“競争、レース”を意味する『CORSE』を組み合わせた『Drago CORSE』というチーム名ができあがった。
チームは「世界で活躍できるドライバー創出に向けた、さらなるステップアップと将来のチーム活動を視野(当時のプレスリリースから)」に、まずは伊沢拓也を擁しスーパーフォーミュラに参戦。さらに2015年からはGT500クラスにもDrago Modulo Honda Racingとして参戦した。
GT500とSFの活動は2016年に一時休止となったが、2017年には全日本F3選手権に復帰するスリーボンドとともに、ThreeBond Racing with DRAGO CORSEとして参戦。さらに2018年からはModulo Drago CORSEとしてGT300クラスに復帰を果たした。
2020年、チームは道上をエースに、新たにジェイク・パーソンズを起用。またスーパーフォーミュラにはスリーボンドとともにThreeBond Drago CORSEとして参戦するほか、TCRジャパンシリーズには、下野璃央を擁しホンダ・シビック・タイプR TCRを投入することになった。
そんなチームのカーナンバーは『34』だ。これはGT300、2014〜16年のスーパーフォーミュラで使用されてきた。先述のとおり、道上の実家であるトレンタクワトロがイタリア語で『34』を意味するが、奈良県にあるトレンタクワトロには、まわりに34にまつわる道があったり、住所があるわけでもない。
道上に『34=トレンタクワトロ』の語源はいったいなんなのかを聞くと、「父親の名前です(笑)」という。トレンタクワトロ代表の道上佐堵史(さとし)さんのことだが、『さ=3』、『し=4』で『34』というわけだ。
一方、スーパーフォーミュラではスリーボンドの番号である『12』を使う。以前のGT500参戦時に使った『15』は、KEIHIN REAL RACINGの項でもお届けしたとおり、ホンダ勢は10番台を使うことが多く15を使ったが、GT300ではあくまでプライベートチームとしての参戦ということもあり、34を使うことになった。
Modulo Drago CORSEもGT300に参戦してから3年目。欲しいのは勝利だ。新たなラインアップで挑む2020年、来たる開幕に向け、チームは準備を整えていくはずだ。
from 開幕までに知識を増やそう。カーナンバーとチーム名の由来を知る:Modulo Drago CORSE
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