スーパーGT:2020年からお馴染みのランプが変わる!? 新表示システム導入へ動き

 マレーシア、岡山、鈴鹿と2020年のスーパーGT開幕へ向け、各所でメーカーテストが行われ、GT500、GT300とも続々とニューマシンやニューカラーリングのマシンが姿をみせているが、どの車両もスーパーGTマシンに“本来あるもの”がないことにお気づきだろうか。2019年まで、フロントウインドウに装着されていたドライバー識別灯がついていないのだ。

 300kmのレースでは2名1組、500km以上になると3名のチームもあるスーパーGTでは、誰がドライブしているのかを外部から確認するために、フロントウインドウにドライバー識別灯というものが装着されてきた。2006年に初めて導入されたときはグリーン1色で、点灯がAドライバー、点滅がBドライバーという見分け方だった。

 2014年から新たに導入されたシステムは、Aドライバーが赤、Bドライバーが青、Cドライバーが緑(Dドライバー用に白もある)と色で見分けるシステムになり、識別がより容易になった。スーパーGTではおなじみの表示であり、レースウイークに販売される公式プログラムにも、ドライバーごとの色の表示が記されていた。

 そんなドライバー識別灯だが、2020年に向けテストしている車両の写真を見ると、1台も識別灯をつけていない。2020年に全車がニューマシンになるGT500マシンはともかく、2019年から車体を変更していないGT300マシンも同様だ。

 どうやらエントラントに取材をすると、2月の規則説明会で、2020年から新たにフルコースイエロー(FCY)のシステムを導入することに合わせ、この識別灯についても新しいものを導入する方向であるとGTアソシエイションから説明があったのだという。

 新しいシステムは、インターコンチネンタルGTチャレンジやGTワールドチャレンジ等で使用されている表示システムと同じものになると言われている。これは3ケタの数字・アルファベットが表示されるもので、ヨーロッパのGT3レースではクラス(プロ、プロ-アマ等)に色が分かれ、クラス順位、ドライバー名を3文字で交互に表示できる。

 このシステムをスーパーGTでも導入し、識別性向上を目指すようだが、この表示をどのように運用するかはまだ決まっていない様子だ。また、装置自体も現在各チームへのデリバリーを進めてはいるが、どうやら製造が中国で行われていたようで、新型コロナウイルス感染症流行の影響でやや遅れているという。

 実際、2月20〜21日に鈴鹿サーキットで行われているメーカーテストでも、2台のニッサンGT-RニスモGT500には、フロントウインドウ左上の貼付スペースと思われる場所がふさがれているほか、従来の識別灯は装着されていない。

 今後、各メーカーやチームへシステムがデリバリーされた後、岡山公式テスト等でシステムの装着や表示のテストも行われるようで、その後実際に導入されるかが判断されることになりそうだ。この新しいシステムは視認性も高いが、スーパーGTマシンの見た目がどう変わるかも気になるところだろう。

2019年スパ24時間 ブラックファルコンのメルセデスAMG GT3のフロントウインドウに貼られた表示灯
2019年スパ24時間 ブラックファルコンのメルセデスAMG GT3のフロントウインドウに貼られた表示灯
2019年鈴鹿10時間 Modulo Drago CORSRのホンダNSX GT3。『OTS』は大津弘樹がドライブしていることを示す
2019年鈴鹿10時間 Modulo Drago CORSRのホンダNSX GT3。『OTS』は大津弘樹がドライブしていることを示す
2019年スパ24時間 KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3。『MAT』は松田次生がドライブすることを示す
2019年スパ24時間 KCMGの35号車ニッサンGT-RニスモGT3。『MAT』は松田次生がドライブすることを示す


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