スーパーGT GT500クラスに参戦するModulo Nakajima Racingは1月6日、2019年にModulo Epson NSX-GTのドライバーを務めたナレイン・カーティケヤンが、スーパーGTから退くことになったと発表した。今後はレース活動を続けるとともに、他の自動車関連ビジネスベンチャーの開発に集中するという。
インド人ドライバーのカーティケヤンは、2001年にフォーミュラ・ニッポンに参戦し初来日。2005年にはジョーダンからF1に参戦し、初のインド人F1ドライバーとなった。その後もさまざまなカテゴリーに参戦するとともに、2011〜2012年はHRTからふたたびF1に挑戦。2014年からはふたたび日本で活動し、スーパーフォーミュラで活躍をみせた。
そんなカーティケヤンは、それまでほとんどのキャリアをシングルシーターで戦っていたが、2019年にスーパーGTに初挑戦。Modulo Nakajima Racingのドライバーとして、牧野任祐とコンビを組みModulo Epson NSX-GTを駆った。また、レースドライバーとしての仕事とともにダンロップタイヤの開発を担当。年間を通じて多くのマイレージを開発のために走った。
カーティケヤンにとってシリーズ戦ではなかなか思うような結果を残すことができなかった2019年だったが、白眉となったのは11月のスーパーGT×DTM特別交流戦。日曜のレース2では、DTMチャンピオンたちを相手に白熱のレースを展開。見事優勝を飾り、中嶋悟監督と喜び合った。
この時点で、カーティケヤンは引退の噂もあったが、この優勝でスーパーGTから退くことを思いとどまったという噂もあった。しかし1月6日、チームから正式にカーティケヤンがスーパーGTから退くことが表明された。
「2019年は僕にとって素晴らしい年だったが、非常に忙しい年でもあった。僕は何度も日本に行き、実際数え切れなくなったよ。そしてスーパーGT×DTM特別交流戦で優勝するという、これまでで最も素晴らしい内容で僕の一年は締めくくられた」とカーティケヤン。
「(中嶋)悟さんとNAKAJIMA RACINGの皆に、本当に素晴らしい年にしてくれたことを感謝している。僕は数年前から日本で彼らとレースをしてきたが、日本に2番目の家族がいるような気がするよ。彼ら全員、特にモータースポーツの真のレジェンドである悟さん自身と一緒に仕事をすることはとても光栄だった」
「ホンダをはじめ、モデューロやダンロップとも一緒に仕事ができてとても素晴らしかったし、彼らの完全な信頼とサポートが得られ、とても幸運だった」
また、スーパーフォーミュラ時代からカーティケヤンを起用してきた中嶋悟監督は「ナレインは2019年、ホンダNSX-GTの新しい要求に非常に良く順応しました。今年は難しいスタートでしたが、シーズン後半には、彼の勤勉さと強い仕事倫理がよく示されており、彼のパフォーマンスは非常に良いものでした」とコメントした。
「特別交流戦での彼の勝利は非常に難しいものでしたが、彼は見事に走り切り、世界で最高のレーシングドライバーたちに勝つことができました。我々は彼が2020年以降もNAKAJIMA RACINGでレースを続けることを望んでいましたが、ナレインはビジネス界の一部を含む他の機会を模索することにしました」
「それでも彼は常にNAKAJIMA RACINGファミリーの一員です。我々は皆、彼が将来の試みでうまくいくことを望み、彼をふたたび家族に迎え入れることを楽しみにしています」
中嶋悟監督のコメントにもあるように、カーティケヤンは今後、レースを続けながら他の自動車関連ビジネスベンチャーの開発に集中するという。カーティケヤンの今後については、「適切な時期に発表されることになります」という。
from ナレイン・カーティケヤンがスーパーGTから退くことを表明。「一緒に仕事ができて素晴らしかった」
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