MP Racing GT-R auto sport Web Sprint Cup レースレポート

『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM特別交流戦』(以下交流戦)が2019年SUPER GTシリーズ戦の特別戦として11月22日から24日にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催され、そのサポートレースとして行われたGT300クラス参戦車両を中心とした『auto sport Web Sprint Cup』にMP Racing GT-RがNILZZ Racingの2台目としてエントリーし、JOE SHINDOと井上恵一が参戦した。

 今回は特別戦ということでエントリーをSUPER GTのみならず他カテゴリーからも募ったことで、スーパー耐久シリーズ(以下S耐)やSUZUKA 10Hなどの参戦車両も参加することが可能となった。

 国内トップレベルの強豪揃いのなか、auto sport Web Sprint CupでMP Racingがどの様な戦いを見せるのか。2019年最後のレースウイークが幕を開けた。

11月22日(金)公式練習

 生憎の雨模様で始まったレースウイーク。まずは9時10分より公式練習1回目が行われた。JOEは初めてのヨコハマタイヤで4周を計測、2分03秒981をマークしこのセッションは11位につける。

 その後も雨量は弱まることはなく、2回目以降のセッションはヘビーウエットとなる。公式練習2回目は先に行われたDTM交流戦のセッション中に発生した霧の影響で10分遅れの11時30分にスタートした。

 25分間で行われたこのセッションは井上がステアリングを握り、非常に難しいコンディションで2分12秒629をマークして6位とSUPER GTレギュラー勢に割って入る。

 13時00分からの公式練習3本目は非常に滑りやすく、翌日に予選と決勝第1レースを控えていることから、悪条件下で無理に走行することはハイリスクであると判断。セッション早々で走行を切り上げることとなった。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/井上恵一)
MP Racing GT-R(JOE SHINDO/井上恵一)

11月23日(土)予選

 今回の予選は第1ドライバー、第2ドライバーがそれぞれタイムアタックを行い、それぞれの合算タイムで第1レースのグリッドが決定するというS耐シリーズ戦同様の予選フォーマットで行われることとなった。

 小雨の降るウエットコンディションのなか、8時40分から公式予選が行われた。まずAドライバーのJOEがアタックを行い、1分50秒140をマークし9番手につける。そしてインターバルを挟み行われたBドライバー予選では井上が1分47秒637をマークし6番手。

 合算の結果、トータル3分37秒777で8番グリッドを獲得。決勝第1レースは4列目よりスタートすることとなり、この後行われる決勝第1レースで中団からの追い上げに期待をかける。

決勝第1レース

 今回は第1レース、第2レースともに50分間のレース時間、加えて途中ドライバー交代が義務付けと言ったレースフォーマットで争われる。天候は回復する方向には向かっているもののまだ路面は濡れており、レーススタート後のコンディション変化をどう読むかが決勝第1レースの鍵となる。

 グリッドへ向かう試走中も時折小雨が降っていたため、グリッド上ではスタートタイヤはドライか? ウエットか? といった判断を全チームが迫られていた。

 NILZZ Racingは未だヨコハマタイヤのスリックタイヤでの経験が無いJOEが滑りやすいこの路面で勝負をかけることはリスクが高いと判断し、ウエットタイヤでスタートすることになった。

 1周のフォーメーションラップを終え、第1レースがスタート。無事スタートを決めたJOEだが、序盤はバトルを展開するも、乾いていく路面はウエットタイヤの摩耗を急激に進めてしまう。

 今回のレースは義務ピットストップを1度行うことが義務付けられているが“決勝レーススタート後20分から30分の間”と定められているため、ウエットタイヤを装着するJOEはタイムロスを最低限にするためにはピットウインドウがオープンとなるまでウエットタイヤで我慢の走行を続けざるを得ない。

 難しいコンディションに苦しめられ最後尾まで順位を落としてしまうことにはなったが、JOEはこの自らのスティントを走り抜いた。ようやくレース開始後20分が経過。ピットウインドウがオープンとなり、JOEは11周を終えたところで義務となるピットインを行った。

 ドライタイヤに交換し、井上にドライバーチェンジを行ってコースに復帰。おなじタイミングでピットインを行った244号車RC-Fに対しアンダーカットが成功し、11番手でコースに復帰した。

 井上はチェッカーまでの間、少しでも前に出るべく好ペースで周回を重ねていくが順位の変動には至らず。MP Racing GT-Rは決勝第1レースを10位でフィニッシュした。

NILZZ Racingが走らせる植毛GO&FUN GT-RとバトルするMP Racing GT-R
NILZZ Racingが走らせる植毛GO&FUN GT-RとバトルするMP Racing GT-R

決勝第2レース

 雨が上がり、強い日差しが差す好天の元で行われた決勝第2レース。コース上に所々ウエットパッチが残り、ウエット宣言がされてはいるがほぼドライコンディションと言っても問題ないほどまで回復していた。

 昨日の第1レースの結果が決勝第2レースのグリッド位置となるため、10番手からのスタートとなったMP Racing GT-R

 スタートを担当するJOEはこの週末初めてヨコハマタイヤのスリックタイヤを装着してレースに挑むことになった。しかしJOEはそんなハンディキャップを物ともせず、堂々とした走りを見せた。

 ピットウインドウがオープンとなり、13周を終えたところでJOEは義務ピットストップ消化のためピットイン。井上へとドライバーを交代。タイヤ交換は行わずにコースに復帰する。

 井上は安定した周回を重ねていくが、レース終盤、タイヤの摩耗が激しくなったのかペースが大きく落ちてくる。しかし井上のドライブによりMP Racing GT-Rは完走を果たし、スプリントカップ第2レースを11位でフィニッシュした。

MP Racing GT-R(JOE SHINDO/井上恵一)
MP Racing GT-R(JOE SHINDO/井上恵一)

 今回のauto sport Web Sprint Cupを無事終了することができて、これでMP Racingの2019年の全レースが終了となりました。スーパー耐久シリーズのみならず、SUZUKA 10やauto sport Web Sprint Cupと言った国内外の強豪と競う合うことができ、非常に良い経験を積むことができました。

 最後までご支援とご声援、そしてご協力いただきましたみなさまには改めて感謝致します。そしてより強力なMP Racingとなって来シーズンもみなさまの前で素晴らしいレースができるよう、さらに努力を惜しまず頑張ってまいります。引き続きご支援とご声援、そしてご協力の程、宜しくお願い致します。



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