LEXUS TEAM WedsSport BANDOH スーパーGT×DTM特別交流戦 レースレポート

AUTOBACS 45th Anniversary presents
SUPER GT x DTM 特別交流戦

■開催日
 RACE1:11月23日(土)
 RACE2:11月24日(日)
■開催地
 富士スピードウェイ(静岡県)
■入場者数
 金曜5100人
 土曜2万2600人
 日曜2万4100人
 総入場者数5万1800人

■予選 11月23日(土)【9位】

天候:雨
コース:ウエット
気温/路面温度:13度/12度

 SUPER GTとDTMとの交流戦として開催される『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦』。特別戦のRACE1のドライバーは坪井翔選手。通常のシリーズ戦と違い本日のレースは予選と決勝をひとりで走り抜ける。

 天候は朝から降ったり止んだりと読めず、予選前には雨が上がるがまた降り出し、タイヤは全車ウエットタイヤでのスタートとなる。ウエットタイヤの使用本数は8本までと決まっていた。

 いつもの予選とは異なり、予選開始前からピットロードに列をなしてスタートを待っている。気温と路面温度が13/12度とかなり低く、初体験の他メーカータイヤも含め、20分の予選をどう見せるか見物である。

 フルウエットでの金曜日の走行は走っているがダンプ状況は初走行。内圧など多くのチャレンジがどうなるか? 他車も含め全く予想がつかなかった。

 SUPER GTの予選とは異なり、全車、予選の時間をフルに使い、そのなかでベストタイムを出すという形となり、1分42~43秒前後で予選が推移していく。19号車は残り12分でピットに入り新しいウエットタイヤに交換。予選は天候とタイヤともに難しい状況のなか、まるで決勝へ向けて刀を研ぎ澄ますかのごとく、静かに淡々と進む。

 残り1分半に坪井選手は1分42秒810を出し、暫定7位。その後他車のタイム更新があり、予選結果は9位となりました。最後の最後の方が条件は良かったか?

 やはりデータを持っているDTM車も前に来た。予選結果は、SUPER GT勢の37号車のニック・キャシディ選手が唯一の41秒台を出しポールポジションを獲得。以下28ー1ー23ー99ー17ー24ー3ー19ー36ー6ー12ー8ー33ー38ー21ー39ー00ー11ー64ー16ー4号車となります。

■坪井選手コメント(予選後)

「予選はダンプ状態で金曜日とは全く違う路面状況で内圧設定が難しい状況のなかで上手く1周をまとめる事ができず9番手でした。予想しているタイムは更新できそうだったので、決勝に向けて手ごたえはあります。上手くいけば3番か4番狙えると思います」

■決勝 11月23日(土)【5位】

天候:雨・曇り
コース:ウエット
気温/路面温度:15度/14度(決勝スタート時)

 午前中の予選で降っていた雨は上がり、路面が乾いた富士スピードウェイはドライタイヤでレースができるものの、いつ天候が悪化するか解らない状況となる。

 レース時間は規定周回数ではなく、55分+1周の時間制となり、タイヤはワンメイク。DTMとSUPER GTとのルールを均した特別ルールでの開催はレース展開にどう影響するか。

 予選2番手の28号車がコースイン直後にクラッシュ。レースに出場できなくなり21台でのレースとなった。4台のスーパーカーによるパレードラップ(1周)、1周のフォーメーションラップを経て、SUPER GT初のインディスタートにてレースが開始された。

WedsSport Racing Galsの安田七奈さんとくま吉
WedsSport Racing Galsの安田七奈さんとくま吉

 ドライバーは坪井選手。スタート直後にイン側から激しくオーバーテイク! 24、17号車をパスして7番手に上がるが、その後、順位が目まぐるしく入れ替わり、オープニングラップは8番手となる。2周目の1コーナーで3号車をインからパスして6番手に上がる。

 坪井選手の怒濤の追い上げで、3周目のメインストレートで23号車をパスすると、後ろから6号車が迫ってくるのをもろともせず、さらに前の36号車に追いつくと、後ろの6号車とともに4番手争いが激化するのだが、4周目の1コーナーで36号車を刺して4番手に上がると引き離しにかかり、前との差6秒を詰めにかかる。

 前との差が4秒と落ち着き始めた残り30分(17周目)で4番手のままピットイン。タイヤ交換を行って暫定8番手でコース復帰となる。タイヤが暖まると、さらに自己ベストで周回を重ね、前の1号車に迫る坪井選手は残り21分(21周目)で追いつき3番手争いを開始するが、徐々に1号車との差が開いてしまう。

 そんな中、残り8分(28周目)で12号車がメインストレートでペースダウン、ストレートのピット出口付近に止まったため、残り7分でセーフティカー(SC)が入ることとなった。

 SCが入っている間もタイムのカウントがされるため、残り3分でSCが離れると、残り3周のスプリントレースが再開、しかも、インディスタート形式での再スタート。

 スタート時の車両間の距離が短いインディ形式では接触による混乱が予想されたが、特に混乱無く19号車は4番手にてリスタート。スタート後「ブレーキが効かない!」とドライバーから無線が入った。熱によるブレーキトラブルだった。

 レース再開直後の1コーナーで6号車にパスされ、5番手に落ちてしまい、さらに後ろの36号車からの5番手争いの激しい追撃を受けることとなる。しかも、最終ラップはさらにBMWの21号車との3台での5番手争いがさらに激化したが、坪井選手は後ろの2台を押さえ込み、5位にてチェッカーとなりました。

 レースはポールポジションの37号車が2位以下を引き離し、終盤のSCによる各車間タイムのリセットをもろともせずに、ポール・トゥ・ウインで優勝。以下、17ー1ー6ー19ー21ー36ー33ー38ー16となりました。

■坪井選手コメント(決勝後)

「結果的には5番手でした。いつもと違うスタート方式でスタートから1コーナーからバチバチな戦いでしたが、そのなかでもバトルを勝ち抜いて、決勝ペースも良かったので予選が前だったらもう少し違う展開だったかな? と思います」

「しっかりお客様にとっても面白いレースを見せることができたかな? と思っています。SC明けはブレーキトラブルで1つ順位を落としてしまいましたがレースはとても楽しかったです。僕の悔しい気持ちを国本選手がなんとかしてくれると思っています」

「一年間苦しいレースもありましたが、なんとか1つでも上の順位でと強い気持ちで走っていたので、自分的には強くなった成長した1年でした。沢山の応援ありがとうございました。今後とも応援宜しくお願いします」

■坂東正敬監督コメント(予選・決勝後)

「始めてのワンメイクタイヤでしたが、エンジニアが素晴らしいセットを出してくれて走りだしから順調でした。ブレーキトラブルの原因をさぐりながらセットアップとタイヤ内圧のテストを木曜日から繰り返していました。天候がコロコロと変わるため、毎セッション同じ状況で走ることができず、木曜日7番手を走行していました」

「タイヤの状況が新品とか中古とかで違うなか、感触は悪くなく土曜日のRACE1の予選に挑みました。若干もったいない部分もありましたが、ドライバーが決勝は行けると断言していたので楽しみでした。表彰台も見えているなか、ホンダ車が速く、4番手を走行中にSCが入りブレーキの温度が上がり、ブレーキトラブルになり、5位でチェッカーを受けました」

「5位を守ってくれた坪井。途中会場を一番沸かせた坪井。とてもルーキーとは思えない走りで彼の1年の成長を見ることができました。LC500は17年に関口、18年山下、19年坪井この3人がバトルしている姿を見られてとても満足でした。表彰台獲得とはいきませんでしたが満足なレースでした。応援ありがとうございました」

■予選 11月24日(土)【14位】

天候:雨
コース:ウエット
気温/路面温度:18度/17度(決勝スタート時)

 SUPER GTとDTMとの交流戦として開催される『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦』。特別戦の予選2日目のドライバーは国本雄資選手。DAY1と同様、予選と決勝をひとりで走り抜ける。

 天候はやはり朝から降ったり止んだりの状況で、気温18度、路面温度17度と前日よりは暖かいのだが、富士特有の霧と、霧雨によりコースはウエットとなり、全車ウエットタイヤでの予選アタックとなる。やはり、RACE1の予選とおなじく開始前からピットロードに列をなしてスタートを待ち、Audi勢以外は開始直後にコースイン。

 国本選手は、2周ほどじっくりとタイヤに熱を入れ、3周目からタイムを出しに行き、コンスタントに1分48秒台を出しながら、コンディションと車に慣れるよう周回を重ねていく。

 チームは残り6分でクルマをピットに戻し、タイヤの空気圧を調節し、再びコースに送り出す。ピットに入る前のベストタイムは残り8分で出した1分48秒051の暫定10番手。

WedsSport ADVAN LC500
WedsSport ADVAN LC500

 その後、国本選手は残りの周回を1分48秒台で周回し、最後の周回で1分48秒069を出すものの、ベストタイムは更新できず、14位にて予選を終えることとなりました。

 予選結果は、予選の最後に1分46秒696を出したSUPER GT勢の16号車の中嶋大祐選手がポールポジションを獲得。以下28ー64ー1ー33ー17ー11ー99ー37ー38ー36ー8ー00ー19ー21ー39ー23ー3ー12ー6ー24ー4号車となります。
※決勝は、16号車は前日のモノコック交換による5グリット降格となり、決勝のポールポジションは28号車となりました。

■国本選手コメント(予選後)

「ウエットから徐々に乾いていくコンディションでの予選となりました。前日の坪井選手の予選を参考にしてセット、ドライビングを詰めて予選に挑むことができました。ホンダとDTM勢が想像以上に速く、予選は14位となりました」

■決勝 11月24日(日)【16位】

天候:曇り
コース:ドライ
気温/路面温度:21度/21度(決勝スタート時)

 昼過ぎに行われたauto sport Web Sprint Cupでは青空が見え、レース通してドライな状況で進められたが、スタートに向け、空は厚い雲に覆われ、いつ雨が降り出してくるか解らない状態となっている。

 レース時間は55分+1周となり、タイヤはハンコックのワンメイク。DTMとSUPER GTとのルールを均した特別ルールでの決勝の雰囲気をつかんで望む2日目はどう展開していくか。

 午前中の予選にて、14番手からのスタートとなった19号車。ドライバーは国本選手。2周のフォーメーションラップを経て、RACE1とおなじくインディスタートにてレースが開始された。

坪井翔(左)と国本雄資(右)、中央はレクサスくま吉
坪井翔(左)と国本雄資(右)、中央はレクサスくま吉

 スタート直後は大きな混乱もなく、19号車は14番手のままで1周目を通過。前後で大きな順位変動がないものの、残り50分(3周目)にて、99号車を頭に38、36、19号車の4台による10番手争いが展開される。

 残り44分半で28号車の後輪がバーストし後退。19号車は順位をひとつあげる。前との間隔が広がり、19号車を頭とした13番手争いは残り43分半にダンロップコーナーで後ろから21号車そして39号車とバトルを開始、15番手に後退してしまうがタイヤマネージメントはかなりできている様子だった。

 残り41分(9周目)でSCが入る。SC中にピットを済ますチームが出てくるなか、19号車はコースに残る。残り36分でリスタート。順位は14番手と変わらないものの、前後での順位の変動があった。

 残り32分(12周)の最終コーナーで21号車に横に並ばれ、メインストレートでの攻防にて1コーナーにてインに飛び込まれて順位をひとつ落としてしまう。タイヤの状況がかなりきつくなってしまった。

 14周あたりから各車ピットに入り、タイヤ交換の義務を果たすなか、19号車はコースに残る選択をし、残り23分で暫定2位。残り22分で33号車がメインストレートでリヤタイヤがバーストし、パーツが飛びちったため、残り20分で2度目のSCが入る。

 このタイミングで、19号車はピットに入りタイヤ交換。暫定16番手で戻る。他にも、SC中にピットに入るクルマが出たため、SC解除後の19号車の順位は15番手。ほかのチームより5周くらいピットが遅かったため、タイヤの状況的にはかなり良い状態で残りの周回を重ねることとなる。

DTM方式でピットワークを行うLEXUS TEAM WedsSport BANDOHのメカニックたち
DTM方式でピットワークを行うLEXUS TEAM WedsSport BANDOHのメカニックたち

 残り10分(25周目)にてSCが解除され、2度目のインディスタート。レースはレースカーが密集して一触即発が懸念され、コカコーラコーナーを抜けて3台が接触したのを皮切りに大混乱に。

 19号車もダンロップコーナーで39号車との接触でコースアウトし、コースに復帰するが、その直後、第13コーナーにて6号車と接触。順位を落とすこととなってしまった。

 各所にデブリが出てしまい、残り6分で再びSCが入る。19号車はピットに入るが、メカニックがタイヤ交換、車両チェック後コースへ復帰。SC解除時にはすでにレース時間が55分を過ぎたため、残り1周の超スプリントレースとなるなか、19号車は16位にて完走しました。

 レースはポールポジションの28号車を追っていた2番手の64号車が2周目のメインストレートでパスすると、3度のSCも1度もトップの順位を明け渡すことなく、トップチェッカー。

 2位は最終周の11号車と28号車とのデットヒートから28号車が2位チェッカー(最終周でのペナルティで1秒加算となったため、最終順位が3位に)、3位は11号車(28号車のペナルティにより最終順位は2位)となりました。以下、1ー00ー16ー99ー37ー33ー21号車となります。

 2日間に渡ったSUPER GTとDTMの交流戦はシーズンを締めくくるレースとなりました。みなさまの応援、誠にありがとうございました。

■国本雄資選手コメント(決勝後)

「今までのレースで1番バトルの多いレースとなりました。とにかく上位でゴールできるように、常に攻めることができましたし、インディスタートやタイヤセーブなど上手くレースをすることができていたと思います」

「チャンスがあるレースのなか、最後に接触とペナルティを受けてしまい残念な結果となってしまいました。今シーズンは結果の出ないレースが多く、最後のDTMとのスプリントレースこそはと思い強い気持ちで戦うことはできました」
「来年はこの強い気持ちでシーズンを戦い、良い結果を残したいと思います。応援ありがとうございました」

■坂東正敬監督コメント(決勝後)

「2日目ということなのか? DTMドライバーが慣れてきたからなのか? 現行車両が最後だからなのか? かなり熱い荒れたレースでした。接触に伴い沢山のチームにご迷惑をお掛けしたことをお詫びいたします。一時期表彰台も見えていただけに難しいレースでした」

「チームにとってもドライバーにとっても良い経験だったと思います。必ずこの経験を活かし、成長して2020年に向けて進んで行きたいと思います。今年も沢山の声援、応援ありがとうございました。そして多くのスポンサーに支えられてレースをすることができました」

「今後もより多くの感動をお伝えできるようにしっかりと準備をして、日本一になれるよう努力していきます。今後とも応援宜しくお願いします。本当にありがとうございました。LC500 19号車勝たせてあげられなくてごめん」

LEXUS TEAM WedsSport BANDOH 坂東正敬監督
LEXUS TEAM WedsSport BANDOH 坂東正敬監督


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