シリーズの悔しさを晴らせるか。木曜日ドライで好調のMOTUL GT-R松田次生「気になるのはDTM勢の決勝ペース」

 スーパーGT✕DTM交流戦の初日木曜午前、TEST1で3番手のタイム、1’31.322をマークしたMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生に話を聞いた。次生にとってはホッケンハイムのDTM最終戦以来、2度目のハンコックタイヤでのドライブ。富士でのフィーリングはいかがなものか。

「まだ1セットしか履いていないので、何とも言えないですね。タイムはそこまで速くはないですけど、いつも自分たちが走っているコースなので、ホッケンハイムよりはうまく走れているかなと思います」

 気になるのは今回の持ち込みセットアップ。走り出しセットは普段とはやはり全然違うのだろうか。

「違います。ホッケンハイムのデータからこのあたりかなと持ち込んでいるんですけど、時間がまだ足りなくて、バック・トゥ・バック(タイヤライフを連続して確認)ができているわけではないので……」と次生。

 午後のTEST2ではロニー(クインタレッリ)がロングランを担当したが、「でも、周りがどれくらいのタイムで走るのか読めないので、難しいですね」と、次生はDTM勢のパフォーマンスを警戒する。

 今回のクルマ、そしてハンコックタイヤとのフィーリングについては、「ブレーキがいつもより不思議と止まる感じがするんです。コーナーのボトムに関してはセットが違うので何とも言えないですけど、今までと違いを感じます」と次生。

 ブレーキがいいのはレイクをつけている(車体を前傾姿勢にしている)からなのか。

「レイクをつけると普通リヤが軽くなるんですけど、このタイヤにはそういうセットが合っているのかもしれませんね。謎なところがあります」と次生。

 午前中にはインディスタートの練習を行ったが、スーパーGTマシンでのインディスタートの難しさもあるようだ。

「80Km/hで走行しますが、相当速度が遅くて……」。スーパーGT勢としては長い時間の低速走行はプロペラシャフトの破損の可能性が高まる。実際、シーズン終盤にはニッサン陣営ではカルソニック IMPUL GT-Rにプロペラシャフト交換のトラブルが起きている。

「インディスタート時の速度は1速なので、挙動がすごくぎくしゃくして難しいです。ベタベタで(前のクルマに)ついていたつもりですけど、外からの映像で見たら、そんなにベタベタじゃなかったので、もうちょっと詰めないとダメだなと思いましたね。ウチらは慣れていないので、半信半疑で心配しながらやっていました(笑)」

 今回のレースフォーマットで大きなポイントとなるのが、パルクフェルメ規定だ。予選終了後はメンテンナス関係の作業以外、セッティングに関係する作業は決勝までできない規定となっている。予選~決勝の天候が不安定で、ドライからレインに変わるような状況でもウイングしか触ることができない。予選セットイコール決勝セットとなるため、予選アタックしたそのクルマのまま、決勝を走る必要があるのだ。

 レースは55分+1周なので、ドライであれば全周回数は30周以上。スタートタイヤで少なくとも15周以上ラップタイムを落とさずに走りたい。予選一発タイムが出て、なおかつスティントの後半のタイヤのタレが少ないベストバランスを探りたいところだ。

 金曜の天気予報は雨。今日のベストラップだけでなく金曜のテスト内容がレース展開を大きく左右するかもしれない。



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