LEXUS TEAM SARD スーパーGT×DTM特別交流戦 レースレポート

SUPER GT×DTM特別交流戦(富士)レポート

DENSO KOBELCO SARD LC500
DTM特別交流戦、激闘の末にアクシデントで
レース1:中山16位、レース2:ヘイキ14位に

『2019 SUPER GT×DTM特別交流戦』(11/23~24)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数
金曜5100名
土曜2万2600名
日曜2万4100名
合計5万1800名

 今季を締めくくる夢のビッグイベント『SUPER GT×DTM特別交流戦』が富士スピードウェイで行われ、DENSO KOBELCO SARD LC500は、11月23日(土)レース1で17番グリッドからスタートした中山雄一が、上位陣を上回るハイペースで猛追。

 気合いの走りで順位を10も上げる7位にまで挽回したが、レース後半のセーフティカー(SC)解除後のリスタートで他車と接触。結果、16位フィニッシュとなったが来季に期待がかかる気合いの走りを披露した。

 24日(日)レース2では、16番グリッドからスタートしたヘイキ・コバライネンが、序盤ペースに苦しみながらも13位まで順位を挽回。11周目SC解除後のリスタートで他車と接触して19位にドロップ。

 気を取り直し攻め続け、2回目SC解除後のリスタートで大きく順位を上げたが激しい順位争いのセクター3で多重クラッシュに巻き込まる不運。手負いながら何とか生還してピットに戻り戦列復帰。最終的に14位フィニッシュとなった。

■事前情報

 11月23~24日、今季のモータースポーツシーンを締めくくる夢のビッグイベント『SUPER GT×DTM特別交流戦』が、富士スピードウェイを舞台にGT500クラス15台とDTM(ドイツツーリングカー選手権)車両7台が真っ向勝負となる国内初となるドリームマッチが開催される。

 今季シリーズランキング5位で終えたDENSO KOBELCO SARD LC500は、第1レースに中山が、第2レースにはヘイキが出走。レース形式は、23日(土)午前中に第1レース公式予選20分間、同日午後に第1レース決勝(55分+1周)が行われ、24日(日)は同様に第2レース公式予選/決勝が行われる。

 決勝でのピットストップはタイヤ交換1回が義務付けだが、ドライバー交代と給油はなし。全車ノーウエイトでドライバーを含めた最低重量が1075kgに規定される。タイヤはDTMで採用されているハンコックタイヤのワンメイクとなる。SGTチームは大半がハンコックタイヤの使用が初めて。21日(木)22日(金)に計5時間45分のテストおよび公式練習走行セッションが設けられ、そこで車両セットアップとタイヤ特性を把握しなければならない。

 一方、各レースで単独で乗車するドライバーの好みに合わせたセットにできるという状況でもあり、1名のドライバーによる単独レースで距離が短く、超高速全開のスプリントバトルが展開される。

 シリーズ戦を終えた各ドライバーが虎視眈々と表彰台を狙っており、DENSO KOBELCO SARD LC500を使用しての最後のレースに華を添えるべく剛毅果断に勝利を目指していった。

DENSO KOBELCO SARD LC500
DENSO KOBELCO SARD LC500

■公式練習走行

 快晴となった21日(木)からSGTタイヤテストとDTM合同テストの走行セッションが4つ設定され、午前中のタイヤテスト1で出だし2番手タイムからスタートしたが6周を終えたところでエンジン補機系のトラブルでストレートピット出口付近でストップ。午後のDTM合同テスト2から再び走行を始めヘイキが1分31秒198の15番手、SGTタイヤテスト2は中山が1分30秒718の9番手となった。

 雨となった22日(金)もSGTタイヤテストと公式練習走行の4セッションが設けられ、午前中のSGTタイヤテスト3は中山が1分50秒829の8番手、公式練習走行1は中山が1分50秒368の10番手となった。

 雨量など路面コンディションが変わっていくなか、車両セットは微調整で進んでいったが、タイヤについては内圧の調整がキーポイントとなる走行となった。午後のSGTタイヤテスト4はヘイキが1分53秒325の7番手、公式練習走行2は中山が1分53秒675の10番手で走行2日目を無事終了。

 2日間で1種類のドライ12セット、1種類のウェット3セットと普段のSUPER GTとは違うタイヤ数に制限され、タイヤ内圧とクルマのセット調整のバランスをうまく掴むのが難しい走行セッションとなり、翌日からの公式予選/決勝へ向けてシミュレーションを入念に実施して準備を進めていくこととなった。

DENSO KOBELCO SARD LC500
DENSO KOBELCO SARD LC500

■レース1(11/23土曜):中山雄一選手
・公式予選1:中山が変化する難しいウエット路面で17番手に

 23日(土)公式予選1の開始時点は気温13度/路面温度12度の雨。コースオープンと同時にウエットタイヤを装着してDENSO KOBELCO SARD LC500を駆る中山がコースイン。

 ウエットタイヤは土日2日間で4セットに制限されているなか、しっかりとタイヤに熱を入れていく試みをして周回を重ねるも中々タイヤが温まらない状況。1回目のアタックでは1分43秒911の17番手。

 タイヤの内圧を走行の状況に合わせアジャストした2セット目のウエットタイヤを装着して再びアタックを開始した中山。

 路面状況の変化に対応して、走りもうまくアジャストさせて各セクターベストタイムを揃えてタイムアップを果たす1分43秒583を刻んだが、他車もタイムを更新して順位変わらずの17位となった。

 雨の変化する難しいコンディションのなか、非常にタイムが拮抗した予選となり、タイヤとクルマの合わせ込みのほんの僅かな差が順位に影響する結果となった。午後のレース1に向けて、できる限りの調整を進め決勝での挽回を目指すこととなった。

・決勝レース1:中山が10ポジションアップする好走見せるもアクシデントで16位に

 23日(土)13時33分決勝スタート時点は気温15度/路面温度14度の雨模様。17番グリッドからの挽回を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500を駆る中山は、インディ式スタートで中団の混乱を後目に序盤4周目には12位に浮上。

 その後も上位陣を上回るハイペースで猛追。途中DTM年間王者のレネ・ラストもかわす気合いの走りで12周目には順位を10も上げる7位にまで挽回してみせた。

 20周を終えタイヤ交換のピットイン。作業ロスがあって順位を下げたが、戦列に戻った中山は、途中ベストタイムを刻みながら再び順位を上げていった。

 だが、レース残り8分となった30周目にSCが導入され、33周目SC解除後のリスタートで他車とまさかの接触となりスピンを喫し、大きく順位を落とす不運。結果、16位フィニッシュとなった中山であったが来季に大きな期待がかかる気合いの走りを披露した。

中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)
中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)

■レース2(11/24日曜):ヘイキ・コバライネン選手
・公式予選2:ヘイキが奮闘を見せるも16番手に

 24日(日)公式予選2の開始時点は気温18度/路面温度17度と昨日より温かくなったが雨の残るコンディション。コースオープンと同時にウエットタイヤを装着してDENSO KOBELCO SARD LC500を駆るヘイキがコースイン。前日出走した中山からタイヤの様子を中心にインフォメーションを受けたヘイキは、前日よりも雨量が多くなった状況に合わせて積極的にタイヤに熱を入れていき、1回目のアタックでは1分48秒625の一時4番手タイムを刻む。

 刻々と変化する路面状況に対応したタイヤの内圧を施した別のウエットタイヤを装着して再びアタックを開始したヘイキ。他車に阻まれセクターベストを揃えられずもタイムアップを果たす1分48秒129を刻んだが、他車も大きくタイムを更新してしまい16位となった。

 レース2の公式予選も非常にタイムが拮抗した予選となった。この後のサーキットサファリで燃料を積んだ状態の決勝バランスを確認。午後の決勝に向けては期待のできるペースで周回を重ね準備を整えた。

ヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)
ヘイキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)

・決勝レース2:ヘイキがリスタートの混乱による荒れたレースで14位フィニッシュ

 24日(日)13時33分決勝スタート時点は朝の雨も上がり気温21度/路面温度21度の曇り空でドライコンディションに。16番グリッドからの追い上げを期してDENSO KOBELCO SARD LC500を駆るヘイキが、序盤ペースに苦しみながらも9周目には13位まで順位を挽回。

 だが11周目SC解除後のインディ式リスタートで他車と接触して19位にまでドロップ。気を取り直し攻め続け、18周を終えタイヤ交換のためピットイン。作業ロスがあって順位を下げたが、レース残り20分となる20周目に2回目のSC導入。

 25周目SC解除後のインディ式リスタートで大きく順位を上げたが、激しい順位争いのなかでダンロップコーナー出口にて接触、コーナーバンプに乗り上げクルマがジャンプするアクシデント。

 さらに第13コーナーで前走車がスピンしてコースを塞いだことで起こった多重追突クラッシュに巻き込まる不運。手負いながら何とか生還してピットに戻って戦列に復帰。

 その後、レース残り7分の26周目に3度目のSC導入がされる荒れたレースに。30周を終えSC解除後の通常リスタートによりラスト1周で再スタートが切られ、激しいバトルが再び展開されたが最終的に14位フィニッシュとなった。

DENSO KOBELCO SARD LC500
DENSO KOBELCO SARD LC500

■コメント
ヘイキ・コバライネン

「DTM勢やいつものスーパーGT勢とのバトルは楽しんだけど、インディ式リスタートは何故かみんな熱くなってクレイジーな状況だったね。シングルフィニッシュできる手応えはあったけどリスタート後の1周ですべて失ったよ。この週末はいつもと違う緊張感が決勝のインディ式スタートで襲ってきた。自分でもエキサイトする感じを覚えたんだ。観客にとってスリリングなレースでもあっただろうね」

「今季応援してくれたファンやスポンサーのみなさまに12月のTGRFで会えるのを楽しみにしている。それから、クリスマスとちょっとのオフシーズンだね」

中山雄一

「DTMとの交流戦、いつもと違ったレースフォーマット、いつもと違う雰囲気、いつもと違うタイヤ、DTMドライバーとの競演。色んなことが勉強になったレースウィークでした。決勝はとっても楽しくて、ペースが良かったこともあって追い上げられ、DTM王者のラスト選手も2回も抜いちゃいました」

「これで今季のレースは終了。これからはテストが開幕までたくさんありますが、良い走り込みをして、良いシーズン開幕を迎えられる様にしっかりと準備をしていきたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願い申し上げます」

監督 才木祐二

「今シーズン最後のレースでアクシデント等があり、厳しい結果となりましたが、最後まで諦めずに走りきることができました。これもファンのみなさま、ご支援していただいるスポンサーのみなさまからの日頃から熱いご声援ご支援の賜物と心より感謝しております。来シーズンは今シーズン以上に挑戦し、攻める姿勢を忘れずに進んでいきたいと思います。今後ともご支援、ご声援のほどよろしくお願い申し上げます」



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