「晩秋っぽくて、なおかつ品のある、ちょっとワルい感じの私服で」
そんな担当編集からのムチャ振りに応える格好をまとい、スーパーGT GT500クラスドライバーズチャンピオンを獲得した大嶋和也、山下健太のふたりが都内某所に集合。オートスポーツ臨時増刊『2019-2020スーパーGT公式ガイドブック総集編』内の対談企画用の取材・撮影が行われた。
コンビを組んで1年目、ふたりはいかにしてドライバーズタイトルを獲得したのか。そこには知られざる苦労と、ちょっと笑えるエピソードの数々があることが判明した。ここではその一部を抜粋して“先行公開”する。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
――GT500シリーズチャンピオン、おめでとうございます。実感は湧いてきましたか?
大嶋和也(以下、大嶋):最終戦が終わってしばらくは興奮していましたが、いまは普通に戻っています。チャンピオン、獲ったんだっけ? っていうぐらい(笑)。でも、トヨタから胡蝶蘭が届きました。優勝したら届くということは知っていましたので、チャンピオンだから今回も……とは思っていましたが、玄関が半分埋まるくらいデカかった(笑)。
山下健太(以下、山下):僕のところにも届きました。両親も「良かったね」って。
――最終戦もてぎの後半は山下選手が36号車、関口雄飛選手とのバトルに突入。最後は抜きました。
大嶋:やったな、コイツ。スゲェなと。追いついたらどこかで仕掛けるだろうと思っていましたし、ヤマケン(山下健太の愛称)もレース前から「何があっても行く」と言っていましたから。かなりガッツのあるバトルをするのも知っていたので、やってくれると思っていました。
山下:関口選手のペースがそれほど上がっていなかったようにも見えたんですが、もてぎでGT500同士だとダウンフォースが抜けて仕掛けどころがほとんどないので、GT300のクルマを待つしかありませんでした。関口選手はGT300との巡り合わせも良くなくて、S字やヘアピン手前などでこちらも差を詰めていました。
大嶋:ピットストップ後、それで36号車に追いついているというのもあったよね。
山下:それも大きかったですね。
――ところで、お互いのキャラクターをどんなふうに見ていますか?
大嶋:不思議、とにかく不思議。何を考えているのか分からないけど、速いからいいかっていう(笑)。
山下:僕は想像どおりでした。大嶋くんはいつも落ち着いています。あと、見ためがすごく若く見えるので、そんなに年は離れてないのかなって思っていたんです、最初のころは。
大嶋:初めてのテストのとき、「大嶋くんって、何歳なんですか?」って聞かれて、「31」って答えたら、「えぇっ、めっちゃ先輩じゃないですか!」って。
山下:「くん」じゃなくて、「さん」だろっていう話で(笑)。いまも「くん」で呼んでいますけど。
大嶋:そんなのすらどうでもよく思えてくる(笑)。
――脇阪寿一監督は、どんな監督ですか?
大嶋:まじめですね。細かいことまで気にしながら、無線も含めてずーっと何かを言っています。作戦面、セットアップ、スタッフの動き、すべてをコントロールしているというか。
山下:スーパー細かいです。ドライバーとしての経験がすごいので、それをもとにいろいろアドバイスしてもらっています。
大嶋:やっぱり、「チャンピオンの獲り方」を知っていると思いました。僕らに対してはプロ同士なので細かいことは言わないようにしているのだと思いますが、メカニックの動きなどについてはすごく細かく見ています。そのあたりは、ほかのチームではエンジニアがやっているんじゃないですかね。
――もてぎの決勝レース前に寿一監督からはアドバイスは何かありましたか?
大嶋:いつもどおりでしたね。
山下:「頼んだでー」くらい(笑)。
大嶋:ドライバーも含め、みんなが緊張しすぎないように気を配っていたのだと思います。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
そのほかにも「トムスは絶対何かやってくると思っていた」という最終戦もてぎの裏話や、その日の朝に起きた“不吉な予兆”など、ここまでの裏話を語り尽してくれたふたり。ふたりの対談は彼らが「シブく(ワルく?)決めた写真」とともに、11月25日発売の『2019-2020スーパーGT公式ガイドブック総集編』にて、お楽しみいただけます。
さらに、11月23~24日、スーパーGT×DTM特別交流戦が行われる富士スピードウェイでは、イベントエリアのauto sportブースにて公式ガイドブック総集編の先行販売も実施します! こちらのブースでの先行販売でご購入いただいた方には、auto sport WEB Sprint Cup開催を記念したステッカーもプレゼント。
スーパーGTの1年を振り返る必携の1冊、ぜひともお買い求めください。
from スーパーGT:開幕前から炸裂していた“ヤマケン節”。山下が先輩大嶋に放った衝撃の一言
コメント
コメントを投稿