『SUPER GT x DTMドリームレース』パート1:富士のベストBMWドライバーは小林可夢偉
富士スピードウェイ
DTMとSUPER GT選手権の史上初となる交流戦は、新たな歴史を刻みました。土曜日のレースでBMW Team RBMは、富士スピードウェイの象徴的な存在である富士山をのぞみ、『SUPER GT x DTMドリームレース』第1戦へ挑みました。
小林可夢偉はZF BMW M4 DTMを駆り、14位に入賞。BMWドライバー中、最上位でゴールを果たしました。一方で、マルコ・ウィットマン(ドイツ、Schaeffler BMW M4 DTM)は18位でレースを終え、アレックス・ザナルディ(イタリア)は、テクニカルトラブルによりリタイアとなりました。
『ドリームレース』の初レースは、レクサスのニック・キャシディ(ニュージーランド)が優勝を飾りました。
小林は1ラップ目に12番手までポジションアップし、BMW M4 DTMでの初レースにおいて、14位でチェッカーフラッグを受けました。ウィットマンはレース開始直後の1ラップ後に、すぐにピットストップをこなしました。
これはセーフティカーが導入された場合を想定しており、成功をした場合には大きな利点をもたらした可能性がありましたが、予想に反してレース終了間際にセーフティカーが導入され、その時点ではタイヤの消耗が激しく2度目のピットストップを余技なくされて、周回遅れとなってしまいました。
富士で開催された『SUPER GT x DTMドリームレース』後のコメント
イェンス・マルカルト(BMWグループモータースポーツ代表)
「予選の後、このレースはBMWにとって容易ではないということは明らかでした。マルコ・ウィットマンにはアグレッシブな戦略を選択しましたが、結果的に功を奏しませんでした。初めてDTMマシンをドライブした小林可夢偉は、初めてのレースで強いポテンシャルを示しました。アレックス・ザナルディにおいては運が悪く、電子系統のテクニカルトラブルにより、残念ながらレース序盤にリタイアをせざるを得ませんでした」
「レース終了間際のセーフティカーの導入では、再び全車がひとまとめになり、新たなスタートを切りましたが、SUPER GTのマシンはドライコンディションにおいて、私たちよりも速いことは明らかでした。来年に日独両シリーズのレギュレーションが完全に統一化され際には、レースはさらにエキサイティングになることでしょう」
「今日の結果は必ずしも喜ばしいものではありませんでしたが、明日の第2レースを楽しみにしています。今日のこの記念すべき初交流戦の日に、富士スピードウェイを訪れてくださった多くのファンにお会いできたことは、大変光栄でした。レース結果を解析し、明日はまた新たな気持ちで挑みたいと思います」
バート・マンパイ(BMW Team RBM代表)
「マルコ・ウィットマンはレース開始直後にピットストップに入る戦略を取りましたが、もしも彼が2度目のピットストップで中盤のポジションをニュータイヤで戦うことができていたのならば、その作戦は報われていたに違いありませんが、残念ながらそれが叶うことはありませんでした」
「明日のレースへ向けて、アレックス・ザナルディのマシントラブルを分析しなければなりません。彼のレースのペースは印象的で、このレースウィークに着実に向上することができるでしょう」
「小林可夢偉の初DTMレースはタイヤの劣化が顕著に出ました。彼が見せたファーストラップは見事でしたが、12位でフィニッシュとなりました。タイヤの消耗が早く、早めのピットインを余技なくされ、さらにはタイヤ交換後も同様にタイヤの消耗により。これ以上にマシンのポテンシャルを引き出すことは困難でした」
「私たちはこのレースで多くのことを習得しました。できれば明日のレースでは、今日の教訓を生かせることを願っています」
小林可夢偉
(#00 PUMA BMW M4 DTM、スタート:18位、レース結果:14位)
「今日のレースをとてもエンジョイしました。今日は、私にとってBMWとハンコックタイヤのコンビネーションで挑む初めてのレースでした。良いスタートを切ることができましたので、良いレースになるのではないかと期待をしましたが、タイヤの劣化が著しく、残念ながらいくつかのポジションを落としてしまいました。明日のレースには改善をして臨みたいと思います。明日のレースもとても楽しみです」
マルコ・ウィットマン
(#11 Schaeffler BMW M4 DTM、スタート:19位、レース結果:18位)
「このレースウィークの今日まで、ドライとウエットの両コンディションで、十分ペースがあがっていません。ポジション19からのスタートでは、ポーカーをプレイする必要があったのですが、残念ながらセーフティカーが入るタイミングが予測よりも遅すぎたため、非常に早い段階にピットインする戦略は功を奏しませんでした。セーフティカーがレース序盤に入っていれば、戦略はうまくいっていたことでしょう」
「今日までこの富士で体験したイベントはどれも素晴らしい経験であり、日本のファンのみなさんは最高です。明日のレースが良くなるように、可能な限り努力したいと思います」
アレックス・ザナルディ
(#4 ZF BMW M4 DTM、スタート:22位、レース結果:DNF)
「エンジンから異音がしてパワーを失い、ピットにそのことを伝えて、安全性を考慮してマシンを降りることを決断しました。今日の私のペースは、間違いなく自身の励みになりました。素晴らしいこの国、ファンタスティックなファンに囲まれて、日本滞在を心から楽しんでいます」
「明日には良いパフォーマンスを誇れるように頑張るとともに、心からそう願っています。そして、この場に居られることに、心の底から感謝の意を表します」
■レース2レポート
マルコ・ウィットマン、誕生日にアクション満載の『ドリームレース』で2位入賞
数多くのバトル、3度のセーフティカー導入、誕生日にポディウムを獲得したマルコ・ウィットマン(ドイツ):日本で初開催となる『SUPER GT x DTMドリームレース』の第2戦、日曜日の富士スピードウェイで、ファンを興奮の渦に巻き込みました。
ウィットマンは、Schaeffler BMW M4 DTMを駆り、記念すべき30歳の誕生日に2位を獲得しました。小林可夢偉が駆るZF BMW M4 DTMは、アレックス・ザナルディ(イタリア)と同様にアクション満載のレースを繰り広げ、小林は5位、ザナルディは13位でチェッカーフラッグを受けました。
レース中にセーフティカーが3度も導入されるなど、富士スピードウェイを訪れたファンは、数え切れないほどのバトルや迫力満載のオーバーテイクだけではなく、マシン同士の接触やクラッシュも多く目にすることとなりました。
ウィットマンは3位でチェッカーフラッグを受けましたが、ロイック・デュバル(フランス、アウディ)とのレース終了間際に起こったバトルにおいて、デュバルが1秒のペナルティを課されたために、2位へ繰り上げ入賞となりました。勝利はナレイン・カーティケヤン(インド、ホンダ)が獲得しました。
家族や多くの友人がドイツから富士へ応援に駆け付け、レース後の夜には東京へ移動し、30歳の誕生日にふさわしいパーティが予定されているウィットマン。
レース開始前のピットウォークの時間には、BMWグループモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトやチームメイトのザナルディと小林、そしてBMW Team RBMの全員と多くのファンに囲まれ、大きなケーキとハッピーバースデイの合唱とともに、30歳の誕生日を祝いました。
『SUPER GT x DTMドリームレース』第2レース後のコメント
イェンス・マルカルト(BMWグループモータースポーツ代表)
「まさにこのような迫力満点のレースを日本とヨーロッパのファンが待ち望んでいたことでしょう。ときにかなり混乱したものの、本当に素晴らしいモータースポーツでした。それはまさにファンが期待した通りの手に汗握るレースになりました」
「富士への旅は、私たちDTM勢にとって間違いなく価値があるものでした。バート・マンパイとBMW Team RBM全員に感謝を送ります。彼らは素晴らしい仕事をし、3台のマシンを最高レベルに仕上げ、素晴らしいピットストップをこなしました」
「マルコ・ウィットマン、誕生日おめでとう! この記念すべき富士のレースで、2位入賞を果たし、最高のパフォーマンスを示しました。小林可夢偉は、DTMマシンでの初レースとなったこのレースウィークで、激しいバトルを繰り広げ、センセーショナルな走りを見せました。アレックス・ザナルディは中盤グループに食い込むなど、非常に特別な瞬間を走り抜けました」
「富士でのレースウィークを総合的にみると、ツーリングカーレース存在感を示し、よい広告となり、SUPER GTとDTMのジョイントレースが完璧に機能し、新たなスーパーレースを生み出すことが可能だと証明しました。『ドリームレース』は完璧に成功を果たし、再び開催されることを心から期待します」
「ドリームレースの他に、今週末にはサウジアラビアのフォーミュラEではアレクサンダー・シムスが勝利を果たし、南アフリカで開催されたIGTCではBMW M6 GT3が2位に入賞したことで、私たちBMWにとって非常にサクセスフルな週末となりました」
バート・マンパイ(BMW Team RBM代表)
「今日のレースには天候の読みの難しさ、セーフティカー導入、クラッシュ、数多くの激しいバトルという、すべての条件が盛り込まれていましたが、私たちはこの不確かな様々なコンディションへうまく順応し、昨日よりはよいパッケージでレースに挑むことができました」
「マルコ・ウィットマンは最高のパフォーマンスを発揮し、小林可夢偉とアレックス・ザナルディも同様に素晴らしい仕事をこなしました。今日の戦略は3台すべてのマシンで非常にうまく機能しました」
「初交流戦の運営に関わり、成功に導いた全ての人々に、祝福と感謝を送りたいと思います。今日の一番の勝者は『モータースポーツ』という存在です。レースに向けて準備、日本への旅、そしてこの素晴らしいリザルトをもたらした私のチームに心から感謝をします。WTCCで活動していた過去と同様に、私たちのチームは、今日もまた国際的な舞台で居心地のよい場所をみつけました]
マルコ・ウィットマン
(#11 Schaeffler BMW M4 DTM、スタート:7位、レース結果:2位)
「私はとても幸せな気分で満たされています。レースウィークの難しかったはじめを考えると、今日日曜日の2位入賞は、非常に満足しています。数多くのセーフティカーの導入を伴うクレージーなレースでしたが、この乱れたレース中も私たちは常に冷静に正しい方向性を保つことができていましたので、素晴らしい結果を出すことができました」
「このイベントは非常に素晴らしいものでした。日本のファンはとても熱狂的でフレンドリーに迎えてくれました。私自身はとてもエンジョイしたレースウィークでした。今日はこれから誕生日パーティへ向かいます!」
小林可夢偉
(#00 BMW M4 DTM、スタート:13位、レース結果:5位)
「非常にハードで、ときに本当にワイルドなレースでした。昨日と比較して、私のコンディションは大幅に改善し、レースをとてもエンジョイし、激しいバトルを繰り広げました。BMW Team RBMとのレースは、私にとって素晴らしい経験となりました」
「今週に初めて富士でチームと出会ったのですが、すぐにお互いが打ち解けました。今私たちは多くの素晴らしい思い出をお土産に持ち帰ります。チームクルーのみんなに心から感謝をします」
アレックス・ザナルディ
(#4 ZF BMW M4 DTM、スタート:22位、レース結果:13位)
「リスタート時にはフロントロウを走行していましたので、何枚かの素敵な写真のモチーフになれたのではないでしょうか。BMW Team RBMのすばらしい仕事に感謝します。3台のマシンを準備し、日本へ輸送することは容易ではありません」
「今日の私のマシンは、レース全体で非常によい走りをしてくれました。コンペティションの激しいバトルからいくつかアタックを受け、特に最後の一撃で私のマシンに大きなダメージを与えました」
「波乱に満ちたレースでしたが、すべての難からうまく逃れることができ、その間にチャンスを活かしました。ペースは良かったのですが、完全に満足を得る結果とはなりませんでした」
from BMW スーパーGT×DTM特別交流戦 レースレポート
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