【提案】2021年、DTMとの交流戦をスーパーGTのシリーズへ編入することでクラス1の意義が高まる

 今回のスーパーGT×DTMの特別交流戦に参加したDTM車両はクラス1規定に完全準拠していたが、2019年GT500車両は多くの部分でクラス1と共通しているものの、空力、サスペンション、エンジンなど各セクションにおいて開発領域が広い状態だった。

 GT500チームが初めて履くハンコックタイヤへの理解深めていくに従い、土曜日のレース1では車両規定の差に由来するGT500車両とDTM車両の性能差も少し見える状況になった。その差を車両重量による性能調整で均衡を図るべきではないかという意見もDTM側から出ていたようだが、結局レース2も性能調整は実施せず、同じ車両重量(ドライバー込み1075kg+ミッドシップハンデ29kg)によって戦った。

 2020年、GT500車両規定はクラス1+αとなり、共通サスペンション、共通フロアを導入しつつも、一部の空力開発と、プレチャンバーを含むエンジン開発がDTM車両との差異として残る。そこで、GT500に参加する3メーカーの合意事項として、交流戦実施の場合には、クラス1規定の空力パーツ装着、プレチャンバー非採用エンジン搭載のクラス1完全準拠車両を用意することになっている。だからこそ、今回のイベント名「特別交流戦」の「特別」には来季以降の交流戦こそが真の交流戦であるとの意味も込められている。

 来季の開催については「収支を含めて検証して検討していく」(GTA坂東正明代表)とのことだが、2021年以降についてはシリーズ中盤に、選手権内のイベントとして交流戦を実施してはどうだろうか? 

スーパーGTシリーズとしてはタイヤがマルチメイクであり、その契約問題があるものの、コスト負担の問題も軽減されるだけでなく、シリーズのさらなる活性化に寄与することが期待される。今回の特別交流戦では非選手権で性能調整も実施しない開催にも関わらず、非常に濃いレース内容となり、交流戦でしか得られない刺激があった。

 選手権内でウエイトハンデなしで土日のレースにポイントが付与される形となれば、シリーズの折り返し点で展開を変化させる大きな要素となるだろう。

 また、何のための交流戦なのか、選手権内に入れることでその意義をより明確にすることができる。シリーズ全体としてはタイヤがマルチメイクであることが重要であることは変わらないものの、年に1度だけコントロールタイヤを使用して、しかもスプリントレースであることで、そこに非日常が生まれる。不確定要素が多いほどファンへ提供できる視点が増える。

 ではGT300はどうするか? その答えも今回のスプリントカップにある。GT300もスプリント形式で充分に見応えのあるレースになることが今回のイベントで証明された。混走ではないから、譲る必要がなく選手はバトルに集中できる。次の展開に期待したい。



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