10月4日、DTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦ホッケンハイムの公式セッションの最初のセッションとなる金曜フリープラクティス1回目が行われ、雨の現地時間13時からのセッションでは、日本から参戦するスーパーGT GT500クラスの3台のマシンにとってはハンコックタイヤの難しさに直面するセッションとなってしまった。
DTMマシンとGT500クラスのマシンがシリーズ公式戦で戦うという、スーパーGTファンにとってもDTMファンにとっても楽しみで、歴史的なイベントとなった第9戦ホッケンハイム。しかし、公式セッション初日は雨に見舞われ、ウエットコンディションとなってしまった。
アストンマーティン、アウディ、そしてBMWに混じってコースインしたGT500の3台は、これまでDTMで使用されるワンメイクのハンコックタイヤのレインを装着して走行したことがなく、セッション前のプレスカンファレンスでもドライバーたちはハンコックタイヤ、特にレインタイヤの経験がないことに不安の声を上げていたが、その心配が残念ながら現実となってしまった。
13時のフリープラクティス1開始から、ウォームアップを終えた計測4周目に、37号車LEXUS TEAM KeePer TOM’Sのステアリングを握るニック・キャシディがコース終盤のスタジアムセクションに入った短い直線のあとの、ザックスカーブ進入のブレーキングでそのまま真っ直ぐグラベルに飛び出し、バリアにクラッシュしてしまったのだ。
キャシディのLC500は右フロントフェンダー、フロントアンダーパネルを破損しており、クレーンで引き出されたあと自走でピットに戻ったが、マシンの修復のため計測わずか3周で最初のセッションを終えるという事態になってしまった。
さらに日本勢にとっては災難が続き、8周目には35号車ニッサンGT-RニスモGT500の松田次生が37号車LC500と同じコーナーで飛び出してしまう。短い直線からのブレーキングで止まりきれず、グリップを失った状態でグラベルに飛び出したが、幸いなことにクラッシュバリアの手前のグラベルでマシンはストップ。GT-Rはクレーンでグラベルから引き出され、ピットに戻って砂利の清掃とマシンのチェックが行われたあと、ふたたびコースに復帰することができた。
唯一、最後まで周回を続けることができたのがTEAM KUNIMITSUの1号車ホンダNSX-GTを駆るジェンソン・バトン。ジュニアフォーミュラ時代からこのホッケンハイムを走行しており、雨の走行ラインを熟知しているからか、トップから2.6秒遅れながら18周を走り、1分50秒489と16番手で他のDTMマシンと戦えるレベルにあることを証明した。
ピットでのチェック後に再びコースで周回を重ねることができたGT-Rの松田次生は、17周を周回して1分53秒871というベストタイム。トップとは6秒差という結果に最初のセッションは終わった。37号車LC500は、フリープラクティス2は平川亮がステアリングを握る予定で、キャシディはわずか3周しか周回できないまま、翌日の予選と決勝を迎えることになる。
DTMとスーパーGTのマシンが混走する初めてのセッションとなるはずだった金曜フリープラクティス1は、日本勢にとっては難しい結果となってしまった。
from スーパーGT×DTMの夢の競演の“不安”が現実に。金曜FP1で雨のなか日本勢2台がグラベルに
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