ドイツ、ホッケンハイムリンクで開催されているDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)第9戦に参戦するスーパーGT500クラスのテスト走行が10月3日に行われ、レクサス、ニッサン、ホンダの3メーカー各ドライバーたちは初走行をどのように感じたのか。走行後に聞いた。
ホッケンハイムリンクを初めて走行する、35号車ニッサンGT-RニスモGT500の松田次生。事前にシミュレーターでコースに慣れていたとは言え、初日は思わぬトラブルに見舞われてしまった。
「まだ探り探り乗っている状況ですが、1コーナーの入り方がちょっと難しくて、縁石の外側がどのくらい使えるのか試していたらコースに戻るところが少し先になってしまって、そこの縁石が高いところがあってマシンがジャンプして、2回ほど大きく跳ねてしまいました。その時の衝撃でリヤディフューサーを壊してしまって……・修復で走れなくなってしまいました。ニュータイヤでの予選でのアタックの練習ができなくなってしまって、フラストレーションが溜まるセッションになってしまいました。体もちょっと痛いです」と走行後に話す次生。
ハンコックタイヤの印象については「グリップのピークなどはきちんと感じますけど、そこからのデグラデーションが思った以上に大きい印象です。予選は1周でしっかりと決めないと行けないですね」と、まずは土曜日の予選に照準を合わせる。ニッサンGT-RニスモGT500は午後はロニー・クインタレッリはロングランを担当して、順調に周回数を重ねていた。
次生と同じく、ホッケンハイムを初めて走るのが、37号車LEXUS TEAM KeePer TOM’Sの平川亮だ。
「コースの路面の舗装が場所によって違って、グリップが大きく変わるので難しいですね。まずはその場所を覚えるのに必死でした。最終セクターはF1の時もそうでしたけど全然、グリップしないですし、ピットロードに入るの時もアンダーが出て本当に難しい(苦笑)。これは経験によって差が出そうです。場所によってフロントが食いついたり、全然食いつかなかったり」と、予想外のコース特性に驚く平川。ハンコックタイヤについても難しさを話す。
「で内圧が決まっていて、いつもよりライドハイド(車高)が高くなってオーバーヒートもする。それに、スーパーGTの時には日光に当てて少し温めたりできますが、こちらではレギュレーションでそれができないので走り初めが温まらなくて、最初の3つのコーナーが本当にヤバイ」
「グリップに関してはピークはそこまで感じないですね。そこからのデグラデーションというよりは内圧が高くなって車高も上がって空力も悪くなってグリップが落ちてしまう感じで、タイヤ自体はシンプルでそんなにクセはないですね。スーパーGTのブリヂストンタイヤの方がウォームアップは難しいです」と平川。このあたり、ニッサンGT-RニスモGT500の次生の印象と異なるところが面白い。
スーパーGT、スーパーフォーミュラともにこのシーズン終盤は好調な平川、今回のDTMでも好結果を期待したいところだが「結構、厳しいですね。特に今週末は雨の予報なので……」と、サーキットと天候の難しさを平川は素直に認める。
TEAM KUNIMITSUのジェンソン・バトンは「クルマのバランスはOKでけど、もう少し良くしたいね。フロントタイヤの摩耗がちょっと大きくてアンダーステアが酷くなっていったんだ。レクサスは本当に速そうだね。僕たちはもうちょっとマシンをコンペティティブにしないといけない。とはいえ、大事なのは週末のレースだ。DTMとのチャレンジを楽しみにしているよ」と、午前の走行後に初印象を語ったバトン。
スーパーGTの3台の本日の走行内容によって、週末のDTMマシンとのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)が決定される運びになっており、そのBoP次第で明日からマシンの印象などは変わる可能性があるが、BoPはないまま明日の走行は行われることが明かになった。
ただし、明日のDTMとの走行でスーパーGT車両が本日の走行とあまりに違う速さを見せた場合は柔軟にBoPが施されることになるという。つまりは、本日の走行でもしスーパーGT側が三味線を弾いていたら、それは金曜日に是正されるということになる。明日、まずはDTMとスーパーGT500車両の勢力関係に注視したい。
from スーパーGT&DTMホッケンハイム。木曜初日走行で感じた難しさとアクシデント「最初の3つのコーナーが本当にヤバイ」
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