10月15日、大分県日田市のオートポリスで、2020年からスーパーGT GT500クラスに採用されるクラス1規定に準拠した、ホンダの新型NSX-GTがシェイクダウンを行った。伊沢拓也、山本尚貴、野尻智紀のという3人がステアリングを握り、走行初日を無事に終えている。
2014年、スーパーGT GT500クラスの規定が変更されるにあたり、当時の伊東孝紳社長の意向を尊重し、FR規定として採用されていた新GT500規定のなかで、市販車のレイアウトに合わせミッドシップ化したNSX CONCEPT-GTを投入したホンダ。2017年からはデビューを果たしたNSXにあわせ、NSX-GTを投じ同じくミッドシップレイアウトで戦ってきた。
そんななか、2020年からスーパーGTがDTMドイツ・ツーリングカー選手権とともに制作した『クラス1』規定が導入されるのにあわせ、ホンダは「レースに参戦するからにはレギュレーションに準拠しなければいけない(清水宏モータースポーツ部長)」と、レギュレーションに合わせたFRレイアウトを採用することを決断。9月11日に鈴鹿サーキットで行われた発表会で、レイアウト変更が明らかにされた。
その鈴鹿での発表会の際は“ショーカー”とされていたホンダNSX-GTだが、秋らしい風が吹く10月15日、オートポリスでいよいよ実戦仕様に近づいたモデルがシェイクダウンされた。
ホンダの厚意により、走行前日に撮影させていただいたNSX-GTは、鈴鹿で展示されたモデルとはやはり各部が異なっているが、レイアウト変更を感じさせず、NSXらしいフォルムを纏っている。クラス1規定は、フロントウインドウの角度やボディ寸法などが厳しく定められているが、そのなかでNSXの美しさを損なわない外観となった。
一方で、レイアウト変更によりボンネットに大柄なエアアウトレットが設けられているほか、ライバルたちと同様にクラス1規定に沿い、前後フェンダー形状などが同じものとなった。レイアウトをはじめとして、これで完全にライバルたちと同じ土俵に立ったことになる。
そんな2020年モデルのホンダNSX-GTは、15日10時からスタートしたシェイクダウンでは、やや風が強いものの、晴天に恵まれたオートポリスで、まずは伊沢拓也がステアリングを握りコースイン。アウトラップからそのままピットインし、チェックを行いふたたびコースへ。2周ずつをこなしながら、午前の走行では少しずつラップを伸ばしていき、1分37秒782というベストタイムを記録した。
午後は、まずは伊沢がステアリングを握った後、F1日本グランプリでFP1のドライブを果たした山本尚貴が乗り込み、アウトラップ〜インラップを含め5周ほどの走行を繰り返しながら走行を重ねた。終盤には、野尻智紀に交代。走行終了直前にエンジンのバラつきがあったものの、シェイクダウンとは思えぬ好調な走行初日を終えた。午後は1分36秒019というタイムが記録されている。
「1ヶ月シェイクダウンが遅れてしまった分、エンジンや制御系などを煮詰めることができ、今日は特に大きな問題もなく走行を重ね、メニューをこなすことができました」と佐伯昌洋プロジェクトリーダーは満足げな表情をみせた。
from オートポリスでクラス1規定準拠の2020年モデルのホンダNSX-GTがシェイクダウン
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