McLaren Customer Racing Japan 2019スーパーGT第7戦SUGO レースレポート

McLaren Customer Racing Japan
<2019 SUPER GTレースレポート>
第7戦SUGO GT 300KM RACE

予選:2019年9月21日
予選結果:GT300クラス10番手(1分18秒481)

決勝:2019年9月22日
決勝結果:GT300クラス12位

スタートのタイヤ選択により序盤に大きくポジションを落としながらも、後半GT500クラスをも上回るラップタイムを叩き出す渾身の追い上げでクラス12位

 AUTOBACS SUPER GT第7戦SUGO GT 300KM RACEに荒聖治とアレックス・パロウのペアがドライブするMcLaren 720SGT3、720号車で参戦したMcLaren Customer Racing Japanは、予選で初のトップ10進出を果たし、第6戦の表彰台に続く好成績を狙いましたが、スタート時のタイヤ選択が序盤で大きく影響し、後半渾身の追い上げをみせたものの、76周回でチェッカーを受け、GT300クラス12位でフィニッシュとなりました。

 9月22日(日)決勝日の朝、スポーツランドSUGO一帯には台風17号の影響が出始めており、厚い雲と風、そして前日よりも高い湿度が、午後からの雨予報が確実なものになることを予感させました。
 
 ウォームアップ走行が開始された時点でのコースはまだドライでしたが、グリッドウォーク中には霧雨となり、SCが宣言されました。チームは全作業禁止となるスタート5分前のボードが掲示される直前までタイヤの選択に悩まされましたが、最終的に荒聖治がスリックタイヤでステアリングを握ることになりました。

 降り出した霧雨はあっという間に雨脚を強め、スタート直後に荒から「ウエットの方が良いと思います」と無線が入りましたが、トップ10の半数近く、また、グリッドで720号車の前3台もスリックを履いていると確認したこともあり、10番手からのスタートをどのように活かすか、また、コース長が短いSUGOということもあり、タイヤ交換のタイミングは難しい判断となりました。
 
 スリックタイヤ勢がどんどん順位を落とすなか、荒聖治がドライブすMcLaren 720Sもグリップを失いスピードが落ち、7周回を終えたところで26番手まで後退。8周回を終えてのピットインで給油とウエットへのタイヤ交換し、28番手で再びコースイン。
 
 その後28周回、22番手の時にドライバー交代のピットインで2度目のタイヤ交換を実施。チームは26番手でアレックス・パロウをコースに送り出しました。

 パロウがステアリングを握ってからほどなく、35周回目でSCが入り、その後24番手でリスタート。この時点で監督から「まだ40周回位あるので、諦めずに攻めて欲しい」と無線が飛びました。
 
 ドライのみならずウエットでのパフォーマンスに際立つものがあるアレックス・パロウの猛追は凄まじいもので、ラップタイムは毎周回ほぼトップタイムをマーク。時にはGT500クラスを入れた全体でもトップとなるタイムを叩き出し、激しい水しぶきとともにオーバーテイクを重ね、遂には64周回目で12番手に着け、ポイントが見えるポジションまできました。

 しかしながら、前を行く360号車と18号車とのギャップを埋めるには時間が足らず、敢えなく76周回でチェッカーを受け、GT300クラス12位でフィニッシュ、ポイント獲得にはおよびませんでした。

<監督・岡澤優のコメント>

「コンディションは難しいものでしたが、レース自体はシンプルだったと思います。非常に難しい選択ではあったのですが、前回オートポリスで良い結果を出せたことで上位陣を意識し過ぎてしまってウエットで良いパフォーマンスが出せるという意識が薄らぎ、スタートはスリックで勝負に出たいという欲が出てしまったことが敗因でした」

「SUGOはラップタイムも短く、ピットインのタイミングを間違うと大変なことになりますが、これも後半はウエット、かつSCのリスクも有るということで、早めのピットインでドライバー交代にタイヤ交換と、色々手は打ったのですが、スタート時のタイヤ選択が全てを決めることになってしまいました」

「アレックスのパフォーマンスは期待以上のもので、GT500クラスを凌駕するラップタイムを出すなど、後半戦で順位を大きく回復させてくれ、改めて素晴らしいと思いました」

「次戦のもてぎは、まだ我々のチームはレースカーで走行したことがないのですが、しっかり準備をして臨み、良い形でシーズンを終わらせたいと思っています」



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