LEXUS TEAM SARD 2019スーパーGT第7戦SUGO レースレポート

2019スーパーGT第7戦SUGO GT 300km RACE(9/21~22)
スポーツランドSUGO(1周3.704km)
入場者数︓予選1万2000名、決勝2万5100名、合計3万7100名

 9月22日(日)、タイトル挑戦権を懸けた最後の勝負となるスーパーGT第7戦SUGO GT 300km RACEの決勝が行われ、GT500最後尾となる15番グリッドから一意専心に臨んでいったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタート担当のヘイキ・コバライネンが今回も雨絡みの波乱となったレースで逆襲を見せる怒濤の追い上げで表彰台圏内に浮上するも、セーフティカー(SC)タイミングに翻弄され順位を落とす展開。だが交代した中山雄一が最後まで粘りの奮闘を見せて7位フィニッシュとなった。
 
 ドライバーポイントでは4点を獲得(計44点)、チームポイントでは6点を獲得(計61点)し、ともにシリーズランキング4位に。残念ながら今季シリーズチャンピオンの芽はなくなる結果となったが、有終の美を飾るべく最後まで全力を尽くして戦う残る最終戦は、11月2日(土)~3日(日)にツインリンクもてぎにて開催される。

■事前情報

 前戦オートポリスで起死回生の優勝を飾りランキング3位に浮上したDENSO KOBELCO SARD LC500。第7戦の舞台となるスポーツランドSUGOのコースは、山間部にありアップダウンの連続する高低差73mのテクニカルなマウンテンコース。
 
 コース幅は狭いが、1コーナーでのブレーキング勝負、ヘアピン、馬の背、最終コーナーとオーバーテイクポイントが幾つかあり、つねにボディを擦り合わせるサイド・バイ・サイドの超接近戦が展開され息の抜けない熾烈なバトルが続く。
 
 公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で行われ、決勝は14時スタートの300km(81周:2時間弱)で争われ、ピットストップは1回。ウエイトハンデは現獲得ポイントとイコールとなる40kgと、前戦と同じウエイトハンデ重量を搭載する。

 前回の大一番勝負で勝利を呼び込む良い流れを掴んだDENSO KOBELCO SARD LC500。2019年シーズンも大詰めとなり、タイトル挑戦権を懸けた最後の勝負となるため、何が何でもひとつでも順位を上げようと各所で熾烈極まる戦いが予想される。
 
 挑戦権を得るための最後の関門となる第7戦SUGO。ランキングトップとは25点差と離されているため今回も最大ポイント獲得が必要となる。運や変わりやすい天候を味方につけ、一意専心に前に突き進み、狙うは優勝のみとシンプルな目標でチーム一丸となってひたむきに勝利に向けて挑んでいった。

■公式練習走行

ヘイキ・コバライネンと中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)
ヘイキ・コバライネンと中山雄一(DENSO KOBELCO SARD LC500)

 21日(土)午前中の公式練習走行は、秋の肌寒さを感じる気温16度/路面温度21度の曇り空のなかで9時から85分間の混走セッションが開始され、スピンが続くほど路面が埃っぽいことからコースオープン後15分ほど経ってからコースインしたヘイキが、ハード系ドライタイヤを装着してタイヤ評価ならびにセット調整を行いながら17周確認。
 
 続いてソフト系タイヤを装着して7周確認。トラフィック(混雑)に阻まれてベストタイムは更新ならず。ヘイキのフィーリングではピークはあまり変わらずともハード系タイヤの方がしっかり感がありドライビングには合っている様子。
 
 25周目から中山がヘイキが確認したハード系とソフト系ユーズドタイヤを装着してクルマとタイヤの評価を行った。この混走セッションはヘイキがマークした1分12秒418の14番手に。10分間のGT500単独セッションでは、中山がアタックシミュレーションを実施し、1分11秒656の12番手のタイムをマークした。
 
 公式練習走行ではトータル50周を走行。Q1に向けてはさらにセットアップを進めていく状況となった。

■公式予選

◆Q1:ヘイキが全力を尽くすも15番手に
 22日(土)Q1開始時点で気温19度/路面温度25度とそう上がらずの曇り空。いつもより5分セッション時間が短く設定されたQ1の開始早々にコースイン。今回Q1アタッカーを任されたヘイキは、練習走行でフィーリングが良かったハード系タイヤをチョイス。
 
 温まりに時間がかかるのは事前に承知ではあったがウォームアップ周回に5周も要した結果、6周目にアタック。全力を尽くすも、うまく前後のタイヤがバランス良く温まらなかった様子で、各セクターで他車に差を付けられてしまい、失意の15番手となった。
 
 走行後のヘイキのコメントで、「あと1周あれば」という結果で、決勝はここからの逆襲を目指すこととなった。

DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

■決勝

◆ウォームアップ走行
 22日(日)12時25分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、曇り空で気温20度/路面温度24度のコンディション。スタート担当のヘイキが決勝スタートタイヤと同じ種類のハード系ユーズドタイヤを装着してクルマのバランスとタイヤの摩耗を確認するため計8周を走行。
 
 続いて中山がソフト系ユーズドタイヤを装着して6周確認走行。トータル14周を走行し1分15秒624の14番手タイムで決勝への準備を整えた。

◆決勝レース
第1スティント:ヘイキが逆襲を見せ表彰台圏内浮上
 22日(日)14時決勝スタート時点になると雨が降り出してコースを濡らしていく。この後の天候を予測して装着するタイヤに悩むところであったが、ウエットのハード系を装着。気温19度/路面温度22度のコンディションのなか、SC先導によりレースがスタート。
 
 一意専心に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタート担当のヘイキが今回も雨絡みの波乱となったレースで逆襲を見せる怒濤の追い上げ。選択したウエットタイヤも功を奏し暫定トップに躍り出て表彰台圏内を得るリードを拡げてピットインを引っ張る戦略。

 だがトップ奪取してリードを拡げるところまで上り詰めて、39周を終えピットインをしようとした矢先にSC導入でピットインできずの不運に見舞われる。SC解除の43周を終えてピットインとなった。

第2スティント:中山が粘りの奮闘の走り
 素早いピットワークで中山を送り出す。選択したウエットタイヤの種類はソフト系で再逆転を狙う作戦変更。大きなリードが失われた8番手でコースに何とか復帰。一時9番手にまで順位を落とす展開に。
 
 雨足が強くなり路面温度も急激に下がっていくなかで、ソフト系のウエットタイヤが発動し始めるとトップペースで追い上げる中山。順位を再び挽回していき、最後まで諦めない粘りの奮闘の走りを続けた結果、7位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントでは4点を獲得(計44点)、チームポイントでは6点を獲得(計61点)し、ともにシリーズランキング4位に。残念ながら今季シリーズチャンピオンの芽はなくなる結果となったが、有終の美を飾るべく最後まで全力を尽くして戦う最終戦は、11月2日(土)・3日(日)にツインリンクもてぎにて開催される。

■コメント
●ヘイキ・コバライネン

「予選は残念であったけど、気持ちを切り替えて決勝に集中した。ものすごく難しいコンディションのなかでのレースであったけどタイヤ選択も良くて、この狭いSUGOで何台か抜くことができた」

「SC導入の前にピットに入るよう連絡を受けたんだけどピットエントリーに間に合わなかった。表彰台が見えていただけに悔やまれる。次の最終戦ではタイトルは届かないけど、表彰台を得てランキング上位で終われるように頑張って行きたい」

●中山雄一

「今回も雨となった難しいコンディションのレースでチームの強さで順位を上げることができました。SCが入るまでは表彰台を狙える位置にいたので残念でした」

「自分のスティントのタイヤ選択はソフト系のウエットでコンディションとマッチしていましたが、順位をあげるには少しスピードが足りませんでした。予選でもパフォーマンスが足りず、ライバルと大きな差をつけられてしまっています」

「最終戦に向けては勇気を持って大幅なセット変更を進め、実力での優勝を狙ってがんばります。引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします」

前半スティントはウエットのハード、後半はソフトを選択したDENSO KOBELCO SARD LC500
前半スティントはウエットのハード、後半はソフトを選択したDENSO KOBELCO SARD LC500

●監督 才木祐二

「どのようになっていくか読めない天候で難しいコンディションのなか、熾烈な戦いとなりましたが、最後まで諦めずに上を狙って攻める姿勢をドライバーを始めチームに貫けたことは今後に向けて良い内容であったと思っています」

「最終戦も攻める姿勢を崩さずにランキング上位を狙い有終の美を飾れるように準備していきたいと思います」



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