9月21~22日に行われた2019年のスーパーGT第7戦SUGO。このレースで予選2番手からスタートし、37周目にピットインするまで首位を快走したRAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンは「マシンは完璧な仕事をしてくれた。ドライブしていて楽しかったよ」と自身が担当したスティントをふり返った。
シリーズ唯一の東北ラウンドとなる第7戦SUGOは、週末に台風が接近していたこともあり、天候の行方が心配される週末となった。
21日(金)に行われた公式練習や公式予選、22日(日)決勝前のウォームアップなどはドライコンディションで行われたが、14時の決勝スタート直前にとうとう雨粒が落ち始め、この週末初めてのウエットコンディションでレースはスタートを迎えた。
スタート直前の降雨だったこともあり、各チームでドライタイヤとウエットタイヤのどちらを履くのか判断が分かれるなか、バトンが第1スティントを担当したRAYBRIG NSXはウエットタイヤを選択した。
セーフティカーランを終え、4周目から実質的にレースがスタートすると、バトンは直後の1コーナーで先行するWAKO’S 4CR LC500を交わして、トップに浮上した。
バトンは「スタート前は、どのタイヤをチョイスするべきなのか判断が難しい状況だった。ただ、正しい選択ができたようだ」とスタートをふり返る。
「走り出しも問題なかった。最初の数周はグリップが得られるベストなラインを探していた。トラフィックの影響もあったけれど、後続とのギャップは6~11秒前後を推移していたよね」
トップに浮上したあとは、2番手を走るKeePer TOM’S LC500のニック・キャシディとつかず離れずのバトルを展開していたが、2番手のKeePer LC500は28周目にピットイン。スタートで履いたウエットタイヤを履き替えることなく、コースへと復帰していった。
この動きを見ていたチームとバトンは「僕たちより先にカーナンバー37(KeePer TOM’S LC500)がピットインしたけれど、彼らのラップタイムはあまりよくなかった。僕のほうが3~4秒は速いペースだったからステイアウトすることにしたんだ」としてピットには戻らず。およそ10周後の37周目にルーティンのピットへと向かった。
「37号車はタイヤを交換しなかったようだけど、レース終盤に向けて路面の水量は増えると思っていたから、ニュータイヤを投入するべきだと判断した。それまでに乾いた路面をウエットタイヤで走っていたせいで、タイヤの摩耗が大きく進んでいると思っていたからね」
「だから、もう一度雨が降ったらニュータイヤを履こうと決めていた。この戦略で(タイヤ無交換の37号車に比べ)ピットで15秒くらいはロスしたと思う」
チームは34.9秒の静止時間でタイヤ交換と給油、ドライバー交代を済ませてマシンを送り出したが、このころから雨あしがふたたび強くなりコース上の雨量が増加、気温も下がったことで、第2スティントを担当した山本尚貴はタイヤに熱が入らず苦戦。じりじりと後退してしまい、最終的に8位でチェッカーを受けた。
「僕自身が担当した第1スティントは楽しめたよ。ペースもよかったし、数え切れないくらいのGT500マシンを周回遅れにした。なかでも(同じNSX+ブリヂストンのパッケージで戦う)8号車(ARTA NSX-GT)もオーバーテイクできたことには驚いたよ」とバトン。
「とにかくラップペースはよかったし、近くにいるライバルは37号車だけだった。それでも厳しい状況だったことに変わりはなかったけどね。寒かったし、タイヤには難しい状況だったから」
「雨量が多かったときはマシンの感触もよくはなかったけれど、比較的雨量が少ないときやドライコンディションの時、マシンは完璧だった。楽しかったよ」
「残念ながら大量得点のチャンスを逃すことになり、厳しい1日だったけれどマシン自体には満足していた。これは重要なことだ。シリーズタイトルを防衛するチャンスがなくなってしまったことで、最終戦(もてぎ)を心の底から楽しむことはできないだろうからね」
from スーパーGT:雨の第7戦SUGO決勝前半を支配したバトン「厳しい1日だったがマシン自体には満足」
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