開催場所:スポーツランドSUGO
開催日:2019年09月21日(土)~2019年09月22日(日)
■2019年 SUPER GT 第7戦 スポーツランドSUGO [GT500]
2戦連続の難しいコンディションのなかで、平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)が4位フィニッシュ。ランキングトップの大嶋和也/山下健太(WAKO’S 4CR LC500/BS)は6位フィニッシュしてチャンピオン争いはほぼこの2台に絞られた。
第7戦の舞台はスポーツランドSUGO。2週間のインターバルで開催されたが、再び台風の影響を受けて決勝スタート直前から雨が降り出す悩ましい状況のなか、スタートタイヤのチョイスが明暗を分けた。微妙な雨量の変化でレースの中盤から順位が変動し、平手晃平/フレデリック・マコヴィッキ(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R/MI)が優勝。
<予選>
予選日の朝の天候は曇り。コースコンディションはドライ。予想よりも気温が低く、当然に路面温度も低く、タイヤのグリップが作動するまでにはウォームアップが多く必要な状況だった。練習走行から3時間後に行われた予選では状況はやや良くなったが、やはりウォームアップを充分に行なった後のアタックが必要だった。
朝の練習走行でトップタイムを叩き出したのは第6戦の予選でポールポジションを獲得し、決勝で2位フィニッシュした塚越広大/ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT/BS)だった。予選でも好調さを持続して第7戦でも他を圧倒するアタックタイムを叩き出した。コースレコードを大きく更新して2戦連続のポールポジションを獲得。
これに続いたのが山本尚貴/ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT/BS)。3番手、4番手もブリヂストンユーザーであるトムスチームの2台、中嶋一貴/関口雄飛(au TOM’S LC500/BS)と平川/キャシディ組が獲得し、決勝のスターティンググリッド2列目までをブリヂストンユーザーが独占した。
<決勝>
各マシンがグリッドに着いてスタート前のセレモニーが開始される前には霧雨が降っていたが、コースコンディションはドライだった。しかし、徐々に雨の量が多くなっていきスタートタイヤをスリックタイヤにするかウエットタイヤにするかの判断が別れたが、ポールポジションの塚越/バゲット組はスリックをチョイスした。セーフティカースタートから4周目にレースが開始されると、ウエットタイヤスタートの山本/バトン組、平川/キャシディ組、そして中嶋/関口組に一気にパスされてしまった。
雨量はレースが進行するとともに時々で変化した。平川/キャシディ組は、早めのタイミングでピットインを済ませたが、その後の雨量変化は少ないと判断してタイヤ交換を行わずに再びレースに復帰した。
その後セーフティカーが導入された後にトップに立ったが、レースが後半に入ると若干雨量が多くなり作戦が裏目に出てしまった。苦しい展開のなかでも周回を重ねた結果、表彰台は逃したが4位フィニッシュして8ポイントを獲得。ランキングトップの大嶋/山下組は6位フィニッシュして5ポイントを獲得。ランキングトップ2の差は7ポイントとなって最終戦を迎える。
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「2戦連続で難しいコンディションのレース展開となりました。スタート時点のタイヤ選択はとても難しくてポールポジションスタートのマシンがスリック、他のマシンもウエットタイヤをチョイスしてもハード目のものをチョイスしていました。しかし、大雨とならないまでも雨の量が増してスリックでの走行は無理となりました」
「レースの序盤はハード目のウエットタイヤに適したコンディションでしたが、その後はハードでは苦しい展開でした。また、セーフティカーが入ったことでタイヤの温度が下がってしまい、タイヤ内圧に変化が生じてしまったこともドライバーさんに難しいドライビングを強いる結果となりました。ランキングのトップ2台、両ブリヂストンユーザーチームにチャンピオン争いはほぼ絞られました。最終戦においても素晴らしいレースをサポートできるように努力してまいります」
■2019年 SUPER GT 第7戦 スポーツランドSUGO [GT300]
高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)が今季初勝利でランキングトップを守り最終戦でのチャンピオン獲得へ向けて大きくリード
2週間のインターバルをおいて第7戦がスポーツランドSUGOで開催された。ウエイトハンディが獲得ポイントと同じとなり、これまでと比較して半減となるが、それでもランキング上位チームにとっては苦しい状況に変わりはなかった。
ランキングトップの高木真一/福住仁嶺(ARTA NSX GT3/BS)が予選で2番手グリッドを獲得。ウエットコンディションの決勝では序盤からトップに立つと、そのまま首位を守って今季初勝利を飾り、ランキング2位以下に大きく差をつけて最終戦を迎えることとなった。
<予選>
GT300クラスは、Q1を2グループに分けて行った。第6戦を終了した時点のチームランキングの奇数がAグループ、/偶数がBグループに分かれて、各グループのトップ8台がQ2へ進出した。
まず、Aグループで高木/福住組と蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)がQ2に進出。シリーズの後半戦で一気にランキングトップ争いに名を連ね始めた脇阪薫一/吉田広樹(埼玉トヨペットGB マークX MC/BS)がBグループで出走したが、午前中の練習走行でクラッシュしてしまった影響でQ1敗退。同じくBグループの新田守男/阪口晴南(K-tunes RC F GT3/BS)は、練習走行でクラストップタイムをマークして期待されたが、約0.1秒及ばずにQ2進出を逃してしまった。
Bグループで唯一Q2進出を果たしたのは、嵯峨宏紀/中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT/BS)。Q2では高木/福住組が2番手。嵯峨/中山組、蒲生/菅波組が12番手、13番手となった。ポールポジションは昨年の同サーキットでポールポジションを獲得している井口卓人/山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT/DL)。
<決勝>
台風の影響によってスタート直前から雨が降り始めてウエットコンディションとなったが、雨量が少なく、グリッド上位陣のなかでもタイヤチョイスが別れた。濡れた路面のためにセーフティカースタートとなり、4周目からレースが開始された。スリックタイヤをチョイスしたポールポジションスタートの井口/山内組は、降り続く雨のなかで苦しい展開となった。
高木/福住組はウエットタイヤをチョイスしてレース開始直後からトップの座を奪い、ウエットコンディションのなかを快走した。その背後では、13番手スタートの蒲生/菅波組が序盤に3位まで順位アップしていた。
そして、18番手スタートの新田/阪口組も6番手へと、ブリヂストンユーザーが大きく順位をアップした。レース途中でセーフティカーがコースインするタイミングでも、高木/福住組は直前にピットインを済ませてトップの座は揺るがなかった。セーフティカー導入で大量リードは失ってしまってしまったが、再スタート後も快走して2位以下に15秒以上の大差をつけて優勝。新田/阪口組は、ピットインのタイミングを逸してしまったが追い上げて3位フィニッシュ。ランキング2位はそのままだが、トップとは14.5ポイント差をつけられている。
<優勝ドライバーのコメント>
高木真一選手
「予選2位からのスタートということで、当然雨のなかでは有利なポジションだなと思っていました。ポールポジションの61号車、3位の25号車がスリックタイヤを履いているのが分かって、このまま雨が降ればマージンができるなと思っていました」
「序盤は小雨で、ライン上には乾いた部分もあったので、最初の10周くらいはタイヤを労わりながら、2位の4号車との間隔を見ながらペースを上げたり下げたりしていました」
「そしてピットインできる最小限の周回数を過ぎたところからはペースを上げて、タイヤがなくなるまでフルプッシュで走るつもりでいました。すると36周目のSPコーナーに差し掛かったところで『ピットに入ってください』と連絡があって、セーフティカーが入る前の絶妙なタイミングでピットインできたことも勝因でした」
「ここ十何年チャンピオンを獲っていないので最終戦のもてぎも何かあるんじゃないかなと心配していますが、ランキング2位が96号車の新田守男さんというのはうれしいです。元コンビだったおっちゃん同士でがんばろうかなと思います」
福住仁嶺選手
「この優勝は僕にとってスーパーGTでの初めての優勝なので、本当にうれしいです。高木(真一)さんがうまくレース運びをしてくれて、僕に交代した時にタイヤを4本とも交換しました。ちょうどそのタイミングで雨量が増えてきたのでタイヤをなかなか温められず、最初の4周ぐらいは厳しい状況が続きましたが、タイヤが発熱してからはペースを上げることができて後ろのクルマが離れていきました」
「しかし、今度は燃費の問題が出てきて『最後まで燃料が持たないかも』と連絡があって、少しペースを抑えました。最後まで走り切れて、優勝という形で終われたので、チームの皆さんには本当に感謝しています」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:山本貴彦のコメント>
「GT300クラスのブリヂストンユーザーは、スタート時にはウエットタイヤを選択してレースに臨んでいます。今回優勝のARTAさんは、実に安定したレース運びでトップを奪ってからは大量リードを築きました」
「その他のブリヂストンユーザーの各チームも序盤で順位を大きくアップして上位陣に加わっています。終わってみれば、トップ4の中に3台のブリヂストンユーザーがいました。そして、チャンピオン争いは、ほぼ高木/福住組と新田/阪口組に絞られました。GT500クラスとGT300クラスのダブルチャンピオン獲得へ向けて強力に各チームをサポートしてまいります」
from ブリヂストン 2019スーパーGT第7戦SUGO レースレポート
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