ホンダ 2019スーパーGT第7戦SUGO レースレポート

SUPER GT Round.7

2019.09.22(日)
スポーツランドSUGO

GT500クラスで#64 Modulo Epson NSX-GTが2位表彰台を獲得

 9月21日(土)~22日(日)、スポーツランドSUGO(宮城県)で2019年度スーパーGTシリーズ第7戦が開催され、GT500クラスに5台の2019年型NSX-GT、GT300クラスに3台のNSX GT3が出走しました。

 週末は天候悪化の予報が出されていましたが、土曜日は曇りながらもコースはドライコンディションを保ち、午後2時33分から10分間のGT500クラス公式予選が始まりました。
 
 Q1セッションでは、2番手に#64 Modulo Epson NSX-GT(牧野任祐)、3番手に#17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット)、6番手に#1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)がつけ、8台で争われるQ2セッションへ進出しました。

 GT300クラスの予選を挟み、10分間で行なわれるGT500クラスのQ2セッションは午後3時11分に始まりました。ここでは#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)が昨年自ら記録したコースレコードを更新する1分10秒151を記録してトップに立ちましたが、その直後、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)がそれを上回る1分9秒676を記録。前戦オートポリスに引き続きの2戦連続でポールポジションを獲得、NSX-GTがフロントロウを独占することとなりました。

Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)
Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)

 日曜日、スポーツランドSUGOの上空には黒い雲が垂れ込めましたが午前中は雨が降らず、決勝レースのため各車コースインする段階の路面は乾いていました。
 
 ところが午後2時のスタート直前に小雨が降り始め、コースの一部が濡れて難しいコンディションとなり、ポールポジションの#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)はドライタイヤで、2番手スタートの#1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)はウエットタイヤでスタートと作戦が分かれました。

 降り続く小雨が上がるのか逆に強まるのか、先が見えないままセーフティカー先導でレースは始まりました。ところがスタートした直後から雨は強まっていきました。
 
 #17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)はドライタイヤでの走行続行を断念、早々に緊急ピットインを行ないウエットタイヤへ交換、順位を大きく落としてしまいました。スタート直後の1コーナーからトップに立った#1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン)は、2番手を最大で10秒以上後続を引き離す快走を見せ、36周を走ってドライバー交代のためピットインしました。

 交代した#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)は事実上のトップを守ったままコースに復帰しましたが、タイヤがなかなか暖まらないうえ雨がさらに強まったためペースが上がらず、後続車にトップを明け渡すと、徐々に順位を下げてしまいました。これと入れ替わるようにペースを上げたのが6番手からスタートした#64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)でした。

 スタートを担当したカーティケヤンは天候回復も想定してハードスペックのウエットタイヤでスタート。その後の路面悪化に苦しみスピンを喫したものの、大きく順位を落とすことなく走行を続行。27周終了時点で早めのドライバー交代のためピットインしました。

 悪化した路面に合わせてソフトスペックのウエットタイヤを装着した牧野は、ハイペースで追い上げにかかりました。すると38周目、コースオフ車両を処理するためセーフティカーが導入され同一周回を走る上位車両の間隔は一気に縮まりました。この段階で9番手だった牧野は44周目の再スタート以降オーバーテイクを重ね、55周目には2番手へ進出しました。

 レース終盤、雨は弱まりましたが路面コンディションは大きく変わらず、レースはそのままフィニッシュを迎えて、#64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン/牧野任祐)は2位でチェッカーフラッグを受け表彰台に上がりました。また、GT300クラスに出走した#55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺)はクラス優勝を遂げました。

■コメント

●ナレイン・カーティケヤン(2位)

「そんなに悪いコンディションではないと判断してタイヤを選びスタートしましたが、レースが始まってみると思ったより雨の量が多くて厳しい状況になってしまいました。ペースが上がらずスピンもしてしまいましたが、大きく順位を落とすこともなくここまで取り戻せてうれしく思っています」

●牧野任祐選手(2位)

「早い段階でドライバー交代をして、その段階ではまだ路面が乾いている場所もあってコースイン直後はタイヤがオーバーヒート気味になりましたがセーフティカーが入ってくれたおかげでタイヤを冷ますことができ、その後雨量が多くなっていい方向に天候が動いて味方をしてくれました。できることは全部した結果だったと思います」

●中嶋悟 Modulo Epson NSX-GT監督

「予選から2人ともがんばってくれて、いいポジションにつけました。本番はこういう天気なので難しくて、ナレインには固い方のタイヤでスタートしてもらって、ちょっとかわいそうなことをしました。でも苦しみながらもちゃんと戻ってきてくれたのでよくやってくれました」

「後は早めに交代してコンディションに合うタイヤで牧野に乗ってもらえましたし、セーフティカーで前との間隔も縮まったりして、我々にはうまく運びました。いろいろなことがかみ合い始めてチームが上向いてきているように感じます」

RAYBRIG NSX-GT(左)とKEIHIN NSX-GT(右)
RAYBRIG NSX-GT(左)とKEIHIN NSX-GT(右)

●佐伯昌浩 株式会社本田技術研究所 Honda GT プロジェクトリーダー

「ここSUGOはNSXが得意なサーキットで、予選では力強い走りでフロントロウを独占することができました。コースレコードも出して、速さに関しては充分手応えを得ました。決勝レースでは気温や雨など難しいコンディションになったなか、持ち込みタイヤをうまく使えたクルマが上位に入るという展開になりました」

「64号車はうまくタイヤを使って予選順位から大幅にジャンプアップして表彰台に上がってくれました。最終戦あるいは来シーズンに向けて、コンディションの変化に対する対応力が必要だなと感じています」

「チャンピオン争いからは脱落してしまいましたが、最終戦では“速い”NSX-GTをご覧に入れますので応援をよろしくお願いします」



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