2019年のスーパーGT開幕。公式練習はホンダとニッサンが上位分け合う。王者RAYBRIGが貫禄のトップ

 2019年のスーパーGTが岡山国際サーキットを舞台に開幕。4月13日(土)午前に行われた公式練習は、2018年GT500クラスチャンピオンである1号車RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンがレコード更新でトップタイムを記録。GT300クラスは埼玉トヨペットGB マークX MCが最速タイムを記録した。

 昨年より1週間遅い4月第2週での開幕となった2019年シーズンは、公式練習の開始時刻、午前8時50分時点で快晴ながら気温10度、路面温度14度という肌寒いコンディション。湿度も23%と低く、雨がらみとなった開幕前の公式テストとは異なるコンディションでのスタートとなった。

 ピットロードオープンとともに2018年GT500チャンピオンの1号車、山本尚貴を先頭に各車コースイン。2018年開幕勝者のKEIHIN NSX-GT塚越広大や、ここ岡山を得意とするKeePer TOM’S LC500の平川亮たちが連続周回に入っていく。

 この公式練習は、今季初セッションということもありライバル陣営とのパワーバランスを推し量ることはもちろん、現地予報では決勝開始の日曜午後からは降雨も予想されているため、午後の予選を見据えたドライでのバランス、明日の決勝での戦い方をどう考えるか、その双方を確認する作業が課される難しいセッションに。

 そんななか、時刻が9時5分を回ったところでGT500初参戦の“ルーキー”、ナレイン・カーティケヤンが1コーナーでワイドランし、Modulo Epson NSX-GTはチェックのためピットに戻る場面も見られた。

 セッション開始から30分が経過した時点で、GT500クラスは開幕前テストでも速さを見せていたカルソニック IMPUL GT-Rが1分18秒417で首位。2番手にKEIHIN NSX-GT、3番手にRAYBRIG NSX-GTと続き、4番手と5番手にはWedsSport ADVAN LC500、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヨコハマ勢が続く。

 一方のGT300クラスは、96号車K-tunes RC F GT3の新田守男を先頭にシンティアム・アップル・ロータス、そして新規参戦コンドー・レーシングの56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rをドライブする平峰一貴のオーダーに。

 さらに直後には、JAF-GTの61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが1分25秒台に突入しトップへ。4号車となったグッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也も連続周回で26秒前半へと入れ3番手に浮上してくる。

 一方、序盤は快調な走り出しで7ラップを走行した注目のニューカマー、720号車のMcLaren 720Sだったが、足回りのトラブルによってピットで時間を費やす状況になってしまう。

 セッション中盤を過ぎたところでGT500クラスではロニー・クインタレッリの23号車MOTUL AUTECH GT-Rが、コースレコードを0.004秒更新する1分18秒122のトップタイムを刻み、GT300クラスでも52号車の埼玉トヨペットGB マークX MCが1分25秒510と、こちらもラップレコードに迫るタイムを更新していく。

■セッション終盤には2度の赤旗。GT500専有はホンダとニッサンのアタック合戦に

 その後、10時を目前にした9時55分には、コースインしていった88号車マネパ ランボルギーニ GT3の元嶋佑弥が2コーナーでわずかにリヤを流してしまいコースオフ。そのままスポンジバリアへ衝突してしまった。

 これでセッションは赤旗中断。バリアから救出されたマネパ ランボルギーニ GT3は右サイドのミラーがなくなったほかは目立った外傷も見られず、ひとまず自走可能でピットへと帰還している。

 セッションは10時3分に再開されたが、直後にリボルバーコーナーで再びアクシデントが発生し、今季からGT300にスイッチして新型D’station Vantage GT3をドライブするジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが、Modulo Epson NSX-GTのカーティケヤンに追突される形でコースオフ。ふたたび赤旗となってしまう。

 車両回収を終え、10時15分のGT300専有走行から再開された公式練習は、各陣営が予選シミュレーションを行い、埼玉トヨペットGB マークX MCの脇阪薫一が自身のレコードタイムをさらに縮めて1分25秒248で首位をキープ。

 2番手にはK-tunes RC F GT3の坂口晴南がタイムアップし、1分25秒592を記録。3番手にARTA NSX GT3、4番手SUBARU BRZ R&D SPORT、5番手にリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのトップ5となった。

 同じく10分の専有となったGT500も、路面温度が約26度まで上昇したこともありタイム更新合戦となり、王者ジェンソン・バトンが1分17秒779までタイムを縮めると、リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rのヤン・マーデンボローが1分17秒916、KEIHIN NSX-GTのベルトラン・バゲットまでが1分17秒925で続いた。

 その後方は、最終コーナーでわずかにスライドしたジェームス・ロシターのカルソニック IMPUL GT-Rで1分18秒029の4番手。5番手にもNSX-GTの8号車ARTA野尻智紀が続き、公式テストではポテンシャルを隠していたNSX勢が台頭。好調だったニッサンGT-R勢も続く形となった。

 一方、レクサス勢最上位はWAKO’S 4CR LC500の7番手となっている。

 2019年のスーパーGT第1戦岡山、公式予選は13日(土)の14時45分にスタートする。



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