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これが、二代目となったパナメーラのステアリングを握って、自然とクチから漏れた感想だ。
今回試乗したのは、2種類のガソリン車。ひとつは2995ccの排気量から440HP/550Nmのパワー&トルクを発揮する、V6ツインターボを搭載したパナメーラ「4S」(1591万円)。ちなみにこの下に、同じエンジンを搭載しながらも、よりベーシックな仕様の「パナメーラ」(330ps/450Nm 1132.8万円)が存在する。
真打ちは4リッターのV8ツインターボから550HP/770Nmを叩き出す、その名もずばり「ターボ」(2327万円)だ。どちらも2950mmという超ロングホイールベースを持ちながら、その有り余るパワーを見越して駆動方式には4WDが採用されている。
ちなみにミュンヘンのベースキャンプには、日本導入がまだ検討されていない4リッター V8ツインターボの「4S ディーゼル」もヨーロッパ勢向けに用意されていた。その最高出力はガソリンモデルの「4S」とタメ張る422HPで、トルクはなんとターボをも上回る850Nmをマークする。
その他にもポルシェは昨年のパリモーターショーでPHEVである「4Eーハイブリッド」(1407万円)を発表し、全ての車種にショーファードリブンのロングホイールベース仕様となる「エグゼクティブ」を設定した。
初日に試したのは「4S」。まずそのエグゼクティブユースを底上げするのは、4Sではオプションとなるようだがエアサスの乗り心地だった。3つのチャンバー室を持つ4リッターの大容量エアサスペンションは、275/35ZR21という幅広な扁平タイヤ(ピレリ P ZERO)からの入力を、どんなアンジュレーションからでもスッ! と受け止める。
ステアリングには911と同様にモード切替ダイヤルが備え付けられていたが(スポーツクロノ仕様)、これを「スポーツ」「スポーツ+」と転じても、その突き上げ感の無さはかわらない。面白いのはスポーツモードに入れてもロール剛性が特別引き締まった感じがしないこと。これこそがエアサス効果なのだろうし、もちろんその限界も上がっているのだろうが、そもそもその長いホイルベースと平べったいボディによって車体のロールが抑えられているから、たとえワインディングロードを走っても、「ノーマル」モードとの違いを大きく体感できなかった。いってみれば、ニュルでもない限りノーマルモードで十分なのだ。だからその道中は、ほとんどノーマルモードで走った。
ここに組み合わさるV6ツインターボの切れ味は、極めてスキがない。乾燥重量で1870kgにまで絞り込んだボディに450Nmのトルクはドンピシャで、今回から8速となったPDKの変速がシームレス感を上乗せしてくる。市街地を走ってもその巨体をタメなく動かし、そのツマ先に少し力を込めるだけで、流れの速いアウトバーンを簡単に支配できる。
そしていざアクセルを踏み込めば、突き抜ける加速感が最ッ......高に気持ち良い! ターボの加速が二次曲線的ではなく伸びやかに感じられるのは、ブースト制御の緻密さと、4WDのトラクションがそのトルクを4輪にうまく分散しているからだろう。そのパワーを一切暴れさせることなく、乗り手の要求にラグなく応える反応力の高さとして放出するクオリティには、本当に惚れぼれする。
ただそんな4Sにも、未完と受け取れる場面はあった。ごく小舵角、ステアリングの切り始めの反応がだけがややシャープだったのだ。だからその敏捷性が街中やワインディングでは役立ちながらも、肝心な高速巡航における直進安定性に少し神経を使わされた。実際に挙動が不安定になるほどのものではない。ほんの少しだけ、定まらないのだが、よくできているだけにそれがとても気になる。
ただ他のジャーナリストから声を拾うとその症状は「ターボ」にも出ている固体があったというから、これはV6特有のセッティングではなく、プロトタイプとしての個体差という可能性がある。
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【海外試乗記】ポルシェ パナメーラ、高速鉄道を手に入れるにも等しく、移動する喜びも感じる事ができる:山田弘樹 originally appeared on Autoblog Japan on Tue, 28 Feb 2017 03:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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