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欧州ではとっくにこの傾向であったが、経済状況が一向に良くならないことを主な理由として、日本でも「燃費性能」に対する消費者の要求が、ここ数年で急激に高まった。だからその燃費を稼ぐために各社のエンジンは、ざっくり言うと絶対性能を求める高回転型から、実用域での瞬発力を発揮するトルク型へとシフトした。
そしてマツダがいちはやくここにスカイアクティブDを投入し、国内のディーゼル市場を切り開いたのはご存じの通り。今回紹介するアクセラのスポーツ用1.5リッターディーゼルターボも、その一連の取り組みだ。
1.5リッターのスカイアクティブDは、デミオやCX-3に搭載されて注目を浴びたエンジンだ。これが格上のアクセラでどんな風に走るのか? が今回の注目点である。
率直に言ってしまえば、175ps/420Nmを発揮する既存の2.2スカイアクティブDは、圧倒的にトルクフル。6速ATとのマッチングも良く、欲しいときに欲しい加速が手に入るし、高速巡航も伸びやかにこなす。
しかしそのポジショニングは、マツダにとって「エースで四番」。実用エンジンというよりは、プレミアム・ディーゼルという方が似合うとボクは思う。
対して1.5リッターのスカイアクティブDは、実用エンジン然としてアクセラのボディをきちんと動かしてくれ、その実直さがかなり心地よかった。アクセルをベタッと踏み込むような場面では当然2.2リッターに適わないのだが、パーシャルスロットルを多用する場面では、むしろトルクの出方がちょうどよく(というか2.2がトルクフル過ぎるのだ)、スイスイと街中を走ってくれる。そして静かである。
これを実現する技術としては、まずEGR(排気ガス循環システム)のバルブ制御を最適化し、その経路を短縮した。これによってタービンに流れる排気量が確保できるようになると、ブースト圧が素早く掛かるようになる。するとドライバーは、余計にアクセルを踏み込まなくなるから、ドライバビリティと燃費の双方が向上するという考え方である。
そして1.5リッターにも「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が搭載され、静粛性が向上した。これはディーゼルの高い爆発力によって、バネ化したコンロッドの振動を逆位相で打つ消す装置であり、ピストンピンの内部に装着されている。
また、プレ/メイン/アフターと三段階に別けられる燃焼時期のうち、メイン以外をコントロールしてメイン燃焼の圧力波にこれをぶつける「周波数コントロール」という技術も盛り込まれた。これが1.5リッターの排気量にはうまく作用しているようで、低速走行時におけるエンジンからのノック音は、2.2リッターよりも静かだと感じた。
またアクセラで感心したのは、ハンドリングにおける質感が抜群に高まっていたことだ。
そのカギを握るのは、マツダがいま密かに売り出し中の「Gベクタリング・コントロール」である。これについてはオートブログでも既に試乗記が書かれているのだが、ボクなりにも言いたいことがあるので少し触れさせて頂こう。
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【試乗記】マツダ アクセラ、意識はハンドリングや質感の良さへ向けられている:山田弘樹 originally appeared on Autoblog Japan on Sun, 30 Oct 2016 04:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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