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登場からはや4年。初めてのマイナーチェンジを受けたBRZに乗って、ウソ偽りなく楽しいと思った。なんて気持ち良いクルマになったんだ! って。
そこにはもちろん、これまで2回に渡って行われた小変更(1回目はダンパー&スプリングの変更。2回目はリアセクションの剛性アップ、電動パワステの設定変更)が素地となっているのもわかっている。しかし今度のBRZは、何か吹っ切れた明るさがあるのだ。
BRZはご存じSUBARU唯一の後輪駆動車。提携関係にあるトヨタが発案し、水平対向エンジンを持つSUBARUに生産を委託した「TOYOTA 86の姉妹車」だ。そしてそんな「青天の霹靂」のようなスタートだっただけに、当初は自社でもこれを発売することに、迷いというか、ある種の"ぎこちなさ"があった。それが挙動にまで現れていた、とボクは勝手に感じている。
具体的にいうとそれは、旋回特性の違いに現れていた。
2012年登場時のBRZは、あくまで86との相対比だが、スタビリティ志向だった。そこにはまるで、安易なオーバーステア、つまりドリフトを否定するかのようなリアセクションの味付けがなされていた。これは主に、ダンパーの油圧特性とリア・サブフレームブッシュの高度の違いで実現されていたように思う。
対してトヨタ86はそのリア・サスペンション剛性が乏しく、フニョフニョで頼りなかった。ただその限界の低さが、街中では乗り心地の快適さや軽快感に、サーキットではドリフトしやすさにつながったのだけれど。
それがどうだ! 今回のBRZ(試乗したのは17インチを履いた「S」)は、まったくキャラ変わりしている。FRの楽しさに、目覚めちゃったかのような動きをするのである。
そのカギを握るのはボディ剛性の向上だ。
エンジンコンパートメントにはV型タワーバーブラケット、リアホイルアーチ内部にはリアエプロンアウタと呼ばれる補強部材を取り付け、リアピラーのスポットも増やして剛性アップを図った。
これによって乗り心地の快適性を損なわずスプリングとスタビライザーのレートが引き上げられ、かつかつそのロールスピードコントロールには、新開発のショックアブソーバーが与えられた。
また6MTモデルに限った話なのは残念だったが、エンジンにもひと手間加えられているのも嬉しかった。出力値の向上は最高出力で7psアップ(207ps/7000rpm)、最大トルクで0.9kg-mアップ(20.9kg-m/6400~6800rpmエ)に過ぎない。しかし吸気系はエアクリーナーボックスの形状変更に始まり、インテークマニホールドのアルミ化や吸気ブーツ及び吸気ダクト形状の見直しが図られた。また赤く塗装されたエキゾーズトマニホールドはその排気脈動効果を高めるべく、ブランチ長が最適化され、その断面積も拡大された。
さらにはエンジンブロック軸受け部分の剛性と、ピストンの耐久性を向上させるためにショットピーニング処理まで施された。これはユーザーがおいそれとは手を出せない部分だ。
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【試乗記】スバル BRZ、新生BRZの運転は面白い:山田弘樹 originally appeared on Autoblog Japan on Wed, 28 Sep 2016 04:00:00 EST. Please see our terms for use of feeds.
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