いよいよ新型フェアレディZのプロトタイプ登場へ。モータースポーツ関係者も注目の理由は

 日産自動車は、9月16日9時30分から、オンラインで『Power of Z』と題し、フェアレディZプロトタイプのオンライン公開イベントを開催する。クルマ好きが待ち望んだ新型フェアレディZの姿をうらなう非常に楽しみなイベントだが、モータースポーツ界にとっても重要なイベントになりそうだ。なぜなら、すでにサーキットでは新型フェアレディZのベース車両としての可能性が噂されているからだ。

 フェアレディZは、1969年に初代のS30が登場して以降、サーキットやラリーなどモータースポーツ界でも活躍している。特に高い人気を誇る北米では、S130〜Z32がIMSAで大活躍。多くのチャンピオンを獲得している。

 国内でも、2002年から発売されたZ33がスーパーGT GT500クラス/GT300クラスでベース車両として活躍したほか、スーパー耐久でも愛用され、現行の6代目にあたるZ34はいまもピレリスーパー耐久シリーズで現役として活躍している。

 そんなフェアレディZの新型は、2020年にスタートした2023年度までの4カ年計画『NISSAN NEXT』のなかで相次いで発表される新車の一台として登場することが予告されており、9月16日にはオンラインでプロトタイプの公開イベントが予定されている。

 この新型フェアレディZは、もちろんサーキットでも待ち望まれている一台だ。現在のレーシングカーの規定で鑑みると、ジェントルマンドライバー向けに愛用されているGT4への活用も期待できる。特に北米でもGT4が活用されており、ニーズも大いにあるだろう。

 そして現在、サーキットでまことしやかに囁かれているのが、スーパーGT GT500クラスのベース車とする可能性の噂だ。現在、ニッサン/ニスモはGT500クラスにR35 GT-Rの4台体制でGT500クラスに参戦しているが、GT-Rは2008年に初登場。以降、ニッサンのイメージを背負う車両としてベース車に採用され続けており、2021年も参戦した場合、13年目に突入する。これまでGT500クラスではホンダNSXやトヨタ・スープラなどが長年活用されていたが、市販車同様GT-Rも長いモデルになる。

 現在のGT500クラスは、スーパーGTとDTMドイツ・ツーリングカー選手権との統一車両規定の『クラス1+α』で争われているが、この規定ではベース車両は“スケーリング”と呼ばれる作業を経て、空力などの有利・不利がないように設計されている。ただ一方で、ベース車の空力の良さはスケーリングを経ても残っているようで、2020年から参戦しているトヨタGRスープラは「空力が良いのではないか」という声も聞かれている。

 ここからはあくまで推論だが、当然、GT-Rも空力は追求されている車両ではあるものの、クラス1のベース車として考えた場合、もしフェアレディZの方が空力がベターであると判断されたならば、フェアレディZに変更する可能性もあるだろう。また何よりプロモーションの面からも、『NISSAN NEXT』の中核を担う車種であり、GT500のベース車として採用されれば、新たなニッサンの姿を象徴できるという大きなメリットもある。

 今後、ニッサンGT-Rという車種がどうなるのかにもよるが、ここ2〜3年のうちにすぐにフルモデルチェンジするという噂は聞こえてこない。もし仮に、少なくとも『NISSAN NEXT』の12車種が落ち着いてからとするならば、2023年度以降だろう。

 現在GT500で採用されているクラス1規定は、ある意味“外側”だけを変えることは可能だ。さらに言えば、過去にホンダが『NSXコンセプト-GT』をGT500クラスに投入したように、まだ市販前の車両が投入されたこともある。過去にR34スカイラインGT-Rが販売を終了した後にZ33フェアレディZが投入され、R35登場までを繋ぐ大役を果たしたような状況が果たしてあるだろうか? もちろんそのままGT-Rを使う選択肢もあるだろう。現段階ではあくまで予想に過ぎないが、気になるところだ。

9月16日に公開されるフェアレディZのティザーサイト
9月16日に公開されるフェアレディZのティザーサイト
1989年IMSA ダットサン ターボ ZX
1989年IMSA ダットサン ターボ ZX
2007年スーパーGT第6戦鈴鹿 XANAVI NISMO Z
2007年スーパーGT第6戦鈴鹿 XANAVI NISMO Z


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