TGR TEAM ZENT CERUMO
2020 AUTOBACS SUPER GT Report
OFFICIAL TEST at FUJI
2020 SUPER GT公式テスト 富士スピードウェイ
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆6月27日(土)
セッション1 1分28秒715 2位
セッション2 1分28秒855 13位
◆6月28日(日)
セッション3 1分40秒480 2位
セッション4 1分28秒522 6位
3月に岡山国際サーキットで行われた公式テストのセッション4をトップタイムで終え、2020年シーズン開幕に向けていい手ごたえを得ていたTGR TEAM ZENT CERUMO。しかしそこから、SUPER GTのみならず世の中を一変させてしまった新型コロナウイルスの影響により、シーズン開幕までに3ヶ月超の大きな期間があいてしまった。さらに、この影響でカレンダーも激変。感染拡大を避けるため、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3コースだけで8戦を開催する日程に変更された。
TGR TEAM ZENT CERUMOにとっても、せっかくのいい流れを続けるために、新型コロナウイルス感染拡大防止に気をつけながら、ファクトリーで来たるシーズン再開に向け準備を進めた。また、ZENT GR Supraを駆る立川祐路と石浦宏明も、外出自粛期間の間はコンディションを落とさぬよう気をつけながら“ステイホーム”を心がけ、来たるシーズンに向けて備えた。
そして、残念ながら無観客のなかではあるものの、TGR TEAM ZENT CERUMOにとっても、モータースポーツ全体にとっても待望と言える富士スピードウェイでの公式テストが、6月27日(土)に幕を開けた。7月18日(土)〜19日(日)に行われる第1戦富士に向けての重要なテストだ。しかも2020年は、富士でのレースが4回開催される。2020年シーズンにとって最も重要と言えるコースが富士なのだ。
6月27日(土)のテスト1日目は、初夏の蒸し暑いコンディションのなか迎えた。ピット内も厳重に感染拡大を防止する策がとられ、スタッフもマスクを着用。ZENT GR Supraの足下を支えるブリヂストンのスタッフもフェイスシールドを装着してテストに臨んだ。
曇り空のもと、午前10時からスタートしたセッション1では、途中2020年からアクシデント等の際に導入されるフルコースイエロー(FCY)の訓練などもこなしながら、ショートランでのタイヤテストを行っていった。ステアリングを握ったのは石浦で、ピットアウト〜インを繰り返しながら41周をこなす。終盤、39周目には1分28秒715というタイムを記録し、まずは2番手という位置で終えた。
初日午後のセッション2は、当初予定では午後2時スタートの予定だったが、2日目の6月28日(日)午前に雨の天気予報が出ていたこともあり、午後1時40分からのスタートに変更された。またそれに先立つ午後1時30分からは、FCY導入の際の速度を合わせるキャリブレーションと呼ばれる作業が行われている。
セッション2では、石浦は走り出しから7周をドライブしたが、その後交代し、立川を中心にロングランでのタイヤテストのメニューをこなし、合計57周と精力的に周回を重ねていった。途中、ふたたびFCYのシミュレーションも行われている。そして終盤には、10分間GT500クラスの専有走行が行われたが、ここで立川は1分28秒855にタイムを伸ばし、初日はしっかりとドライコンディションのなかでZENT GR Supraとタイヤのテストをこなしていった。
明けてテスト2日目となる6月28日(日)は、朝から雨が降りしきるあいにくのコンディションとなった。とはいえ、今季ウエットレースになる可能性もあることから、TGR TEAM ZENT CERUMOは立川にステアリングを託し、午前10時30分からの走行で33周をこなしていく。雨は序盤強さを増したものの、セッション3途中から雨脚が弱くなり、ちょうど開始から1時間ほどというところで立川は1分40秒480というベストタイムを記録。このセッション3の2番手で終え、ウエットでの感触を確かめた。
このセッション3の後には雨も止み、午後2時20分からスタートしたセッション4は、ところどころ濡れてはいる状況。序盤、2回の赤旗中断があったが、そんななか立川がステアリングを握ったZENT GR Supraは、ショートランを中心としたメニューをこなし、セッション途中に石浦に交代する。石浦は少し長めのスティントをこなしながら、ドライコンディションでのメニューを消化していった。このセッションでは、中盤に立川が記録した1分28秒522がベストタイムとなり、6番手で2日間のテストを終えることになった。
これで開幕前の公式テストはすべて終了することになったが、今回の富士テストでは、ドライもウエットもこなし、タイヤ開発の面で多くの収穫を得た。いよいよ7月に迎える、待ちに待った開幕戦に向け、TGR TEAM ZENT CERUMOはふたたび準備を整え、開幕ダッシュを狙っていく。
ドライバー/立川祐路
「3ヶ月ぶりのテストとなりましたが、まずは今回のテストを実現するにあたり、GTアソシエイション、そして関係者の皆さんに感謝しています。とはいえ、まだ世の中の状況は気を抜けない部分もあるので、自分たちの責任をまっとうしながらシーズンをこなしていきたいと思います。そんななかで迎えた今回のテストではひさびさのドライブではありましたが、ドライもウエットも走ることができ、いいテストができたのではないでしょうか。クルマのセットアップやタイヤなど、開幕戦とは異なるものになりますが、その確認はきちんとできました。正直、まだテストなので周囲と同じことをやったわけではないので本来の位置はまだ分かりません。ライバルも速そうなので、レースに向けてまた気を引き締めて臨みたいと思っています」
ドライバー/石浦宏明
「ひさびさにレーシングカーでサーキットを走るということで、ドライバーとしてきちんと準備をしてきたつもりですが、どこかで『ちゃんと走れるだろうか』という不安な部分もありました。しかし、走りはじめから感覚を取り戻すことができたので、そこはひと安心でした。チームも、14号車との2台体制ということで、細かい部分まで気を遣いながら準備をしてくれていたのも知っていたので、最初からトラブルフリーで走れたことにはチームの皆さんに感謝しています。まずはいいテストになったと思っています。今回はドライもウエットもあり、タイヤメニューをこなすことに集中しており、限られた時間でセットアップもやれたチームも少ないとは思いますが、それはみんな同じ条件だと思うので、今回得られたデータをどう開幕に活かすかが大事だと思っています。そこはしっかり準備をしたいと思いますし、GRスープラのデビュー戦でいい結果に繋げられるよう、チーム全員でがんばっていきたいですね」
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