「完全燃焼してシーズンを終えたい」小暮卓史に聞く2020年への意気込みと外出自粛生活

 いよいよ2020年の新たなスケジュールも決まり、シーズン開幕へ向け動きはじめているスーパーGT。2019年、新たにGT300クラスに戦いの場を移し2020年もJLOC ランボルギーニ GT3をドライブする小暮卓史に、新型コロナウイルスの影響で岡山公式テスト以降走れなかった近況と、シーズンに向けて聞いた。

 長年スーパーGTに参戦している小暮は、2019年からJLOCに加入。激戦のGT300に身を投じた。元嶋佑弥をパートナーとし、マネパ ランボルギーニ GT3をドライブ。第2戦富士でさっそく3位表彰台を獲得すると、第4戦〜第5戦で連続ポイント。第6戦オートポリスでも表彰台を獲得し、チャンピオンを争った。ただ第7戦SUGOでは、予選から失速。タイトルには届かず、最後はランキング7位で終えた。

 2020年も小暮はチームに残留し、アンドレ・クートを新たなチームメイトに迎えシーズンを戦う予定だが、3月の岡山公式テスト以降他のドライバー同様、自宅での生活を強いられてしまった。そんな日々、小暮はいったいどう過ごしていたのだろうか。

「そうですね……。ほとんど実家と、いま住んでいる家で過ごしている感じでしたね。群馬はまわりにほとんど人がいないので、近くの公園に出てトレーニングしたりしていました。と言っても公園の中をぐるぐる走り回っているくらいですけどね(笑)」と小暮。

 多くのドライバーに聞くと、外出自粛の時間を使って、トレーニングのほかに自分の趣味など有意義に使っているドライバーも多い。小暮といえば無類のクルマ好きで、多くの愛車を所有している。しかし「ぜんぜん行ってなかったです」と残念な返事が。小暮が住む群馬とガレージは県が違うため、「県をまたいで移動するな……という状況でしたし、少し行きづらい状況でしたから」と残念ながらクルマいじりの時間は得られなかった。

「とくに趣味のことについて、この時間を使ってやったことはなかったですね……。ポーッとしてました(笑)」と小暮。ちなみに、同じクルマ好きで仲の良い松田次生は、サーキット走行用の中古のV35スカイラインを購入。「聞きました。スカイラインですよね。『走り行こうぜ』って言われてます(笑)」と小暮にも声がかかっているという。小暮自身も早く走りたい様子だった。

■「JLOCは強いレースができるチーム」

 迎える2020年だが、今季もやはりGT300クラスは混戦の様相だ。3月の岡山公式テストでも「ライバルが速いな……というのが正直なところです。始まってみないと本当の力関係は分かりませんが、状況からして楽なレースにはならないだろうな、と思っています」と小暮はいう。

 また、本来岡山公式テスト、富士公式テストを経てすぐに開幕を迎えるはずが、時間があき、いきなり富士公式テスト、そして開幕戦というのも不安要素のひとつだろう。やはりそういったなかで問われるのはチームの総合力。小暮も「昨年からいろいろなことをチームがやってくれていますし、新しい方向性のタイヤも試していますけれど、ヨコハマ勢だけでなく、みんなが本来考えていたメニューを消化できていない状況で挑まなければいけないので、そういうときの対応力が問われるかもしれませんね」と予想する。

「でも繰り返しになりますが、始まってみないと分からないと思います。他チームも同様だと思いますが、ドライバーも来られるかどうか分からないですし……。どうなっちゃうんでしょうね(笑)」

 小暮が言うとおり、JLOC ランボルギーニ GT3は富士公式テストは本来チームメイトになる予定のアンドレ・クートを欠いたまま臨む。不安がないわけではないが、小暮はチームを信頼し、昨年を上回るシーズンにしたいと語った。

「昨年はシーズン途中まではかなり良かったのですが、終盤は失速してしまいましたね。途中でエボリューションモデルを投入してから勢いを失ってしまったところはあるのですが、そういうところは克服しなければいけないと思います」

「いまのGT300は、どこかのチームが圧倒的に速いレースをできるシリーズではないですが、JLOCは強いレースができるチームです。混戦のなかで確実に、昨年の序盤戦のような流れでシーズン終盤までいければ、完全燃焼して終えられると思います。そんなシーズンにしたいと思っています」

2020年のスーパーGTに挑むJLOC ランボルギーニ GT3
2020年のスーパーGTに挑むJLOC ランボルギーニ GT3


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